箱根幾何学研究会 2003



■ 日程: 平成15年12月20日(土) 〜 12月23日(火)

■ 場所: ホテル箱根アカデミー, 桃源台徒歩2分(ロープウエイで
      降りたところ,芦ノ湖畔),
      神奈川県足柄下郡箱根町湖尻 160,
      Tel 0460-4-7811

■ 世話人 : 吉田朋好(tyoshida@math.titech.ac.jp),
        二木昭人(futaki@math.titech.ac.jp)

■ 目的 : 現在の幾何学の諸テーマの中から下記の3つを選び,
       河野俊丈(東大数理), 小島定吉(東工大情報理工), 向井 茂(京大数理研)
       の3氏に大学院生向けの解説をお願いします. 下に3氏の講演要旨
       がありますので御覧下さい.
       
■ お願い : この研究会につき,貴大学の大学院生に知らせて
        頂けたら幸いです.

■  講演内容一覧

河野俊丈 : 共形場理論の展開とトポロジーへの応用

この講演では,主に,リーマン球面上の共形場理論の幾何学的な構成と
そのトポロジーへの応用をとりあげる.まず,ループ群上の直線束を
用いたWess-Zumino-Witten模型の構成を述べ,さらにアフィンLie
環の表現を用いた共形ブロックの空間の定義に到る流れを説明する.
共形ブロックの空間は,リーマン球面上の点の配置の空間上のベクトル
束をなし,KZ接続とよばれる平坦接続が自然に入る.そのホロノミー表現
としてあらわれる組みひも群の表現について,さまざまな視点から議論
する.とくに,KZ接続をGauss-Manin接続とみなして,共形ブロックの空間
を一般化された超幾何関数として表現することを説明する.このような
視点から,Bigelowによって忠実性が示された組みひも群の位相的表現,
Drinfeldアソシエーターなどとの関連を述べる.
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小島 定吉 : 3次元多様体の幾何化

オイラー標数による閉曲面のトポロジーの分類定理は,ガウス・ボンネの定理を通して
幾何学とも結びつき,豊かな数学理論展開の土壌を提供している.このようなトポロジーと
幾何学の相性の良さを3次元の世界に求めたのが, Thurston により提唱された3次元多様体の
幾何化である. この講義では,3次元多様体論における重要な古典的結果をスタートに,80年代に
始まる幾何化の概要とその後20年の成果, さらに最近の Perelman による仕事までを概観する.

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向井 茂 : 代数関数論からモジュライへ

 拙著「モジュライ理論2」(第8章以降)から代数関数論をまず紹介したい と思います.
コンパクトRiemann面の種数と言う概念は皆さんよくご存知と思いますが、代数曲線、例
えば平面曲線、の種数とは何でしょうか?代数的にはどう計算されるのでしょ うか?そんな
所から出発して、Jacobi多様体はどう作ったらいいのだろうか?昔のレシペに はどういう長
短所があったのだろうか?等々の疑問に答えていきます.できれば(放物的) ベクトル束の
モジュライという高級グルメにも挑戦して共形ブロックの個数に関する Verlinde公式を代数
的に定式化する所まで頑張りたいと思います.


■  暫定的時間割
12/20  15:00 〜 16:30  河野 
       16:50 〜 18:20   向井
12/21  10:00  〜 11:30  小島
       13:00  〜 14:30  河野 
       15:00 〜 16:30  向井
12/22  10:00  〜 11:30  小島
       13:00  〜 14:30  河野
       15:00 〜 16:30  向井
12/23  10:00  〜 11:30  小島


■  参加申し込み:
大学院生および意欲のある4年生を対象にしていますが、教官の方々のご参加も歓迎します。
原則として旅費、宿泊費は主催者の方で負担しますので、申し込みのおりに申し出
て下さい。申し込みはEメールで

 futaki@math.titech.ac.jp 
 tyoshida@math.titech.ac.jp

あてお願いします。なお,予算の限度に達し次第締切らせていただきます. 

■ 旅費を希望される場合は次の事項を添えて申し込んで下さい. 

       氏名:
       所属:
       所属研究室(学生の方):     
       E-mail アドレス:
       身分(学生の方は学年):
       (国立大学の教官の方は等級号俸も併せてお知らせ下さい)
       出張日程(参加日程とは違います):  12月 日  から   12月 日 まで 
       交通手段(列車か飛行機か):

       ※飛行機を利用される方は旅費計算に必要ですので航空券代がわかるもの
       (領収書・航空券のコピー・ネットでの予約・支払い確認メール等)
       を東工大数学事務室までお送り下さい。
       上記のものをお送りいただけない場合、出張手続きができません。
       また、出張終了後、半券を必ずお送り下さい。
       領収書・半券は必ずオリジナルのものをご提出ください。

       東京都目黒区大岡山2ー12ー1 〒152ー8551
       東京工業大学大学院理工学研究科数学専攻
       03-5734-2205 (tel, 数学科事務室)
       03-5734-2738 (fax, 数学科事務室)

問い合せ先 東京工業大学理工学研究科数学専攻
      吉田朋好 (Tel 03-5734-2206)
      二木昭人 (Tel 03-5734-2201)

この集会は
文部科学省科学研究費基盤研究(A)(1) 課題番号 14204002 (代表 二木昭人),
文部科学省科学研究費基盤研究(C)(2) 課題番号 15540064 (代表 吉田朋好)
による補助を受けております.




Akito Futaki