大島 利雄 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
『 微分方程式をめぐって 』

内容:
講演者が50年あまりにわたって関わってきた微分方程式と,それをめぐる話題を振り返ってみる.最初は定数係数の常微分方程式から偏微分方程式で,Fourier解析や多変数関数論が関わる.次に超局所解析と接触幾何の問題,また等質空間と結びついて,境界値問題,コンパクト化,表現論,積分幾何や量子化,特殊関数などへと関連が拡がった.最近は,代数的線型常微分方程式の研究を進めている.最もホットな話題はそれの古典極限の代数曲線,特に種数による分類とシンプレクティック空間における特異点解消などとの関連である.