斎 藤 秀 司(SAITO, Shuji)
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講 座 | 数理代数学大講座 教授 | ||
研究分野 | 数論幾何,代数幾何,代数的K理論 | ||
研究テーマ |
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研究概要 |
主に3つの部門からなります。
高次元類体論:類体論はフェルマーとガウスの偉業を源とし20世紀前半に高木貞治とE. Artinにより完成された整数論の礎で,大域体(有限次代数体あるいは有限体上の一変数関数体)の最大アーベル拡大のガロア群を,その体に内在的な情報(例えばイデアル類群)のみを用いて統制する理論である.類体論の高次元化とはこの理論を,有限生成体 (素体上高い超越次数を持つ関数体)へ拡張する理論である.1980年代に加藤和也氏との共同研究によりスキーム論と代数的$K$理論を用いて高次元類体論が完成された.最近,高次元類体論はモチーフ理論との融合と進展が起こり,新たな潮流が生じている. モチーフ理論の一般化:モチーフ理論とは,代数多様体のモチフィックコホモロジーのコホモロジー論的定義を与えるものである.1970年代にGrothendieckがその構想を打ち出して以来,モチーフ理論は哲学的指導原理として多くの優れた研究を導いてきた(例えばDeligneのWeil予想の解決や混合Hodge構造の理論,ゼータ関数の特殊値についてのBeilinson予想).モチーフの圏自体の構成はいまだ未解決であるが,Voevodskyはモチーフの圏の導来圏にあたる三角圏を構成し,これが滑らかな多様体にたいしては望まれた基本的性質を持つことを証明した.Voevodskyの理論が特異点を許す多様体にたいしは望むべき性質をもてない理由のひとつは,その構成が「ホモトピー不変性」を基盤にしている点にある.私はこれをホモトピー不変性を仮定しない理論へと拡張する研究を行っている. リジッド解析空間の$K$理論:リジッド解析空間のK理論を新たに構成する研究である.動機はGrothendieckの変動的ホッジ予想に端を発している. |
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主要論文 |
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著書 |
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学会 | 日本数学会 | ||
受賞 |
日本数学会春季賞(1996年) フンボルト賞(2016年) |