東京名古屋代数セミナー

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担当者 阿部 紀行、Aaron Chan、伊山 修、行田 康晃、中岡 宏行、高橋 亮
セミナーURL http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html

2021年02月10日(水)

16:00-17:30   オンライン開催
オンライン開催の詳細は下記URLをご覧ください。
池田 曉志 氏 (城西大学)
Gentle代数の2重次数付きCalabi-Yau完備化と曲面の幾何学 (Japanese)
[ 講演概要 ]
Gentle代数は多元環の表現論において非常に重要な研究対象であるが, 近年, Haiden-Katzarkov-Kontsevich(HKK)は次数付きgentle代数の導来圏に対し, 曲面の(位相的)深谷圏との導来同値を与えた. この対応においては, 直既約加群と曲面上のあるクラスの弧の対応が与えられている.

一方, (punctureの無い)曲面の三角形分割から現れるquiver with potentialのGinzburg Calabi-Yau(CY)-3代数の導来圏に対し, Qiuは(到達可能な)球面対象と曲面のあるクラスの弧の対応を与えた. このCY-3代数のJacobi代数はあるクラスのgentle代数になるので, Qiuによる結果は, HKKによる結果の一部をCY-完備化にリフトしたように見ることもできる.

この背景に基づき, この講演ではまず最初に次数付きgentle代数に付随した2重次数付きquiver with potential構成法を曲面の深谷圏から来る幾何学的アイディアに沿って説明し, そのGinzburg CY代数を用いて一般的なgentle代数のCY-X完備化の構成について説明をする. (Xは2重次数の中のコホモロジー的次数とは独立な方向の次数.)
次に, このようにして得られたCY-X代数の導来圏の(到達可能)球面対象が, ある曲面の無限巡回被覆として得られる被覆空間の中の弧と対応するという, QiuのCY-3の場合の結果の一般化, あるいはHKKの結果のCY完備化へのリフトに相当する結果について説明をする. 時間があれば, Xを整数Nに特殊化することで曲面のN角形分割に付随したquiver with potentialの構成になっていることについても説明をしたいと考えている.
この結果は, Yu Qiu氏, Yu Zhou氏との共同研究に基づく.
[ 講演参考URL ]
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~aaron.chan/TNAseminar.html