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2024年度「数学講究XA」テキスト一覧(応用数理) |
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番号 |
担当教員 |
開講
学期 |
テキスト名 |
著者 |
出版社 |
発行年 |
備考 |
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73 |
ウィロックス ラルフ
教授 |
通年 |
Combinatorics and Random Matrix Theory |
J. Baik, P. Deift, T. Suidan |
AMS |
2016 |
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可積分系とランダム行列の理論と密接な関係にある組合せ論的な問題は最近相次いで発見されている。そのうち最も有名な2つの問題(「Ulamの最長増加部分列問題」と「Aztec
diamondのdomino tiling問題」)を具体例にして、組合せ論、ランダム行列理論と可積分系の一般的な関係を描く教科書。
ランダム行列理論、確率論、解析学や可積分系の理論など、様々な分野からの数学的道具が用いられるが、この本は
self-containedであり、証明も丁寧に説明されているのでそのままでも読める。 |
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74 |
通年 |
Discrete Systems and Integrability |
J. Hietarinta, N. Joshi, F.W. Nijhoff |
Cambridge University Press |
2016 |
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離散可積分系の理論についての唯一の入門書。連続可積分系の理論に頼らず、2と3次元の格子上で定義される発展方程式、及びそれらの簡約として得られる写像の可積分性を丁寧に解説するテキスト。(それぞれの章が完全に独立であるわけでないけれども、興味に合わせて章の読む順番を入れ替えることは不可能ではない。) |
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75 |
齊藤 宣一 教授 |
通年 |
Hyperbolic Systems of Conservation Laws and the Mathematical
Theory of Shock Waves |
Peter D. Lax |
SIAM |
1973 |
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準線形の双曲型偏微分方程式(ただし1変数)の数学理論を解説した本としては標準的です。 |
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76 |
増田 弘毅 教授 |
通年 |
A Graduate Course on Statistical Inference |
Bing Li and G. Jogesh Babu |
Springer |
2019 |
通年で使用する。 |
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基本的な極限定理、尤度解析、および漸近最適性に関する7,8,10章を読み、統計的漸近理論のエッセンスをいくつか習得することを目指す。本書の1章は測度論的確率論のクラッシュコースに充てられており、基礎事項を適宜参照できる。 |
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77 |
通年 |
A Course in Large Sample Theory |
Ferguson, S. T. |
Chapman & Hall |
1996 |
通年で使用する。 |
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統計的漸近理論の入門書として基礎事項がコンパクトにまとまった定評あるテキストである。巻末には演習問題の詳解が付いている。 |
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78 |
吉田 朋広 教授 |
通年 |
Introduction to Malliavin Calculus |
David Nualart,
Eulalia Nualart |
Cambridge University Press |
2018 |
通年で使用する。 |
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マリアバン解析の入門書。伊藤解析を簡潔に紹介し、マリアバン解析の基礎を解説している。分布の正則性に関する古典的な応用から、極限定理への応用という現代的な話題も扱われている。確率論と関数解析の初等的な知識があれば読めるだろう。セミナーは、冒頭の伊藤解析の章を丁寧に読むことから始める。 |
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79 |
通年 |
A course in mathematical statistics and large sample theory |
Bhattacharya, Rabindra Nath and Lin, Lizhen and Patrangenaru,
Victor |
Springer |
2016 |
通年で使用する。 |
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Part II
Mathematical Statistics: Large Sample Theory (Chapters 6- 10)
を読む。ノンパラメトリック統計、線形回帰における統計量の漸近挙動、パラメトリック推測および統計的検定における大標本理論に関して、基礎を解説している。多くの例に触れ、ブートストラップ法、密度推定も扱っている。本書によって、数理統計学だけでなく、確率論の理解も深まるだろう。なお,Part
I は小標本理論を扱っている。Part III では漸近展開、マルコフチェインモンテカルロ法等、進んだ話題にも触れている。 |
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80 |
柏原 崇人
准教授 |
通年 |
数値計算法の数理 |
杉原正顕・室田一雄 |
岩波書店 |
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通年で使用する |
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数値計算の基礎理論を丁寧に解説した名著で、数値解析を扱う和書としては最も発展的な部類に属する。前半は計算グラフ・自動微分・Newton法・区間解析・高速フーリエ変換といった代数的なトピック、後半は最良近似・補間・直交多項式・数値積分といった解析的なトピックを扱っており、興味に応じて読み進めることが可能である。 |
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81 |
通年 |
最適化と変分法 |
寒野善博・
土谷隆 |
丸善出版 |
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通年で使用する |
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連続最適化問題の基礎理論を解説している。東大工学教程シリーズの一冊だが、定義・定理・証明等の数学的説明もしっかりしていることから数学科学生にも薦められる。予備知識としては、線形代数・微分積分の理解があれば十分に読み進めることができる。非線形最適化(制約あり・なし)、凸解析の基礎と双対性、線形計画法、半正定値最適化と展開し、最終章は変分法への入門も扱っている。 |
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82 |
加藤 晃史
准教授 |
通年 |
共形場理論入門 |
山田 泰彦 |
培風館 |
2006 |
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2次元共形場理論についての入門書だが、内容は盛りだくさんである。コンパクトながら数学と物理のどちらの学生でも読めるようにまとめられている。読み進めるためには計算の細部を埋めたり、原論文も適宜参照する必要がある.また,場の量子論の知識があるほうが読みやすいだろう.復刊が望まれるが、いまだに絶版であるのが惜しい。 |
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83 |
小池 祐太
准教授 |
通年 |
High-Dimensional Probability |
Roman Vershynin |
Cambridge University Press |
2018 |
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高次元データ解析や機械学習の分野では、推定量の精度評価をする際に、有限次元だが高次元な空間、もしくは無限次元空間でパラメータ付けられた確率変数族の最大値に対する確率評価が必要となる。このような評価のためには裾確率に対するシャープな評価が必要となるが、そのための代表的な技法を系統的に説明したテキスト。具体的な応用例も多く含まれている。 |
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84 |
通年 |
Probability with Martingales |
David Williams |
Cambridge University Press |
1991 |
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離散時間マルチンゲールに関する標準的入門書。マルチンゲールは数理統計学・確率論の様々な分野で出現する重要な構造であり、また確率積分の理論を学ぶ上でもほぼ必須となるものである。はじめの8章からなるPART
Aは測度論的確率論に関する基礎的内容で、離散時間マルチンゲールの理論はPart Bで説明されている。PART
Cは特性関数を用いた中心極限定理の証明という、確率論で標準的な内容をカバーしている。 |
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85 |
白石 潤一 准教授
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通年 |
超幾何関数論 |
青本和彦、
喜多通武 |
シュプリンガー・フェアラーク東京 |
1994 |
通年で使用する |
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超幾何関数の多変数化に関する教科書である. ツイスト de Rham コホモロジー,
超平面配置と Grasmann 多様体上の超幾何関数などについて学ぶ. |
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86 |
通年 |
Quantum Groups |
Christian Kassel |
Springer-Verlag |
1995 |
通年で使用する |
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量子群に関する入門的教科書. 具体例の扱いはSL(2)に徹しているが,
一般的な場合を扱うための基礎を学ぶことができるように配慮されている. |
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87 |
長谷川 立 准教授
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通年 |
Categories for the Working Mathematician |
S. Mac Lane |
Springer Verlag |
1978 |
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とても有名な圏論のテキストです。
圏論はアブストラクト・ナンセンスなどと呼ばれたりもしますが,数学を記述する言語として基本的な道具です。なぜかプログラミング言語論と相性がよく,理論計算機科学でもよく使われます。いままで圏論を学びそびれていて,ちゃんと学んでみたい人にはいいと思います。翻訳もあります。 |
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88 |
松井 千尋 准教授
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通年 |
Mathematical Foundations of Quantum Mechanics (New Edition) |
John von Neumann |
Princeton University Press |
2018 |
通年で使用する |
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数学や計算機科学分野でも有名なフォン・ノイマンが書いた、量子力学の基礎に関する教科書。数学者には敷居の高い、「物理的に」と誤魔化されがちな物理理論の曖昧な部分が数学の言葉で表現されており、これから量子物理と関連のある分野を学びたい数学科の学生向けの本である。本書の導入部分では波動関数と行列表現との関係にも触れられている他、量子力学の定式化だけでなく量子統計や量子測定に関する話題も取り扱われており、統計力学や量子情報に興味のある学生にとっても良い入門書となっている。 |
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89 |
新任教員 |
通年 |
Set Theory |
Kenneth Kunen |
College Publications |
2011 |
通年で使用します |
公理的集合論の代表的な教科書で,初歩から強制法を用いた独立性証明までがカバーされています. |
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90 |
通年 |
Model Theory: An Introduction |
David Marker |
Springer |
2002 |
通年で使用します |
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モデル理論の標準的な教科書で,コンパクト性・量化子除去・識別不可能列・安定理論など基礎的な内容を広くカバーしています. |
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