大学院数理科学研究科について

 数学はさまざまな事象の背後にひそむ数理的構造に光をあて、その本質を解き明かすことを目指す学問で、今も絶えず発展を続けています。数学は抽象性と普遍性、及び発想の自由性を特色とし、極めて多様なテーマを扱います。それらが有機的に繋がって壮大な体系を築きあげており、また、その成果が科学技術、学問諸分野の基礎として役立っています。

 数理科学研究科は、1992年4月に理学部数学教室、教養学部数学教室、教養学部基礎科学科第一基礎数学教室を合併して設置されました。1995年からは、駒場キャンパスの南東の一角に研究棟を持ち、教育研究活動を行っています。

 大学院の定員は修士課程各学年53名(うち外国人留学生6名)、博士課程各学年32名(うち外国人留学生3名)となっており、学生は留学生や海外からのビジターが多数いる国際的で自由闊達な雰囲気のもと、世界屈指の数学図書館や整備された計算情報ネットワークなどをもつ充実した環境の中で研究を行っています。大学院修了者は、大学、研究所、官公庁、情報、金融保険、製造、教育等の多くの領域で活躍しています。大学後期課程および大学院では、代数・幾何・解析から応用数理まで数理科学諸分野においてきめ細やかな教育を行っています。2005年以降、アクチュアリー、統計、社会数理の講義も充実させ、社会で必要とされる数学のニーズに応える人材育成も行っています。

 2016年4月現在、数理科学研究科は6大講座に、約60名の常勤教員ポストを有し、Kavli IPMUとも協力して、教育研究を行っています。海外から毎年150名以上の研究者をビジターとして受け入れており、国際的な数学研究拠点と評価されています。2012年から、理学系研究科、Kavli IPMUと連携して、博士課程教育リーディングプログラム「数物フロンティア・リーディング大学院」(FMSP)を推進し、数学と理論物理学等との深い連携、数学と産業界等との幅広い連携を担う人材の養成を目指しています。

2016年4月