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\centerline{1998年度解析学XF/無限次元構造論の講義内容}
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\rightline{河東泰之(かわひがしやすゆき)}
\rightline{数理科学研究科棟310号室 (電話 5465-7024)}
\rightline{e-mail yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}
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毎週金曜午前10:40から午後12:10までの講義です.

この授業では作用素環論のうち,von Neumann環と呼ばれるものに
ついて初歩から扱います.通常の教科書だと,具体的な
例が出る前に非常に長い一般論をやらなくてはいけないので,
エルゴード理論との関連に重点を置いて,できるだけ具体的な
話をします.

普通の関数解析(Hilbert空間上の有界線形作用素の基本性質,
Hahn-Banachの定理など)は知っているものとします.
また,$C^*$-環の基本的事項(self-adjoint element
のcontinuous functional calculusなど)も予備知識として
仮定します.この意味で,主に作用素環論を専門に
勉強しようと言う学生を想定しています.

最初は作用素の強収束,弱収束の話から始め,von Neumann
のdouble commutant theoremの証明をやります.主にvon Neumann
環の接合積,(無限)テンソル積,自己同型などを中心に考えて
います.これまで私がここでやった作用素環論の講義より
初等的な内容にする予定です.

単位はレポートでつけます.昨年度の同名の講義とは内容が
違いますが,去年単位を取ってしまった人は今年の単位は取れません.

\bye