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\define\ep{{\varepsilon}}

\centerline{解析学IV 小テストNo\. 6の簡単な解説}
\medskip
\rightline{1996年5月28日}
\rightline{河東泰之}

\bigskip[1] 例えば
$$f(x)=\cases 0,&\hbox{$x\in \Q$の時,}\\
1,&\hbox{$x\notin \Q$の時,}\endcases$$
とすればよい.(もちろん,ほかにもいくらでも例はあります.)

\bigskip[2]
まず,授業でやったことより,
$|f(x)|=((\hbox{Re}\; f(x))^2+(\hbox{Im}\; f(x))^2)^{1/2}$
は可測になる.次に,
$$h(x)=\cases f(x)/|f(x)|,&\hbox{$f(x)\neq 0$の時,}\\
1,&\hbox{$f(x)=0$の時,}\endcases$$
とおけばよい.($X_0=\{x\in X\mid f(x)=0\}$と,
$X_1=X_0^c$に分けて考えれば,$X_1$上,$|f(x)|^{-1}$と
$f(x)$が可測であることより,$h(x)$は可測.$X_0\in{\Cal B}$
で,この上では明らかに$h(x)$は可測なので大丈夫.)

$f(x)=0$の時のことを気にしていないのは,かなりの減点です.

\bigskip[3]
$a\in \R$に対し,
$A_1=E(f< a)$, $A_2=E(g< a)$, $A_3=E(f< a)\cap E(g\ge a)$,
$A_4=E(f\ge a)\cap E(g< a)$, $A_5=E(f\neq g)$とおく.すると,
$A_2=(A_1\setminus A_3)\cap A_4$である.
一方,$A_3, A_4\subset A_5$で$\mu(A_5)=0$だから,
$A_3, A_4$は可測である.$A_1$は仮定より可測だから,
$A_2$も可測になる.

\bigskip [4]
例えば,$[n,n+1)$, ($n\in\Z$)の形の半開区間のいくつかの(有限でも
無限でも)合併全体を$\Cal B$とおけばよい.(この時,
$\Cal B$に関する可測関数は,各$[n,n+1)$上で定数になる.)

\bigskip
配点は各問25点です.
最高点は100点(2人),平均点は34.6点でした.
\bigskip
これまでの,小テストの問題,解説のファイルは,
http://www.ecc.u-tokyo.ac.jp/$\tilde{\hphantom{x}}$nyasu/
で取れます.
\bye