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\centerline{解析学VI期末テスト}
\rightline{2008年2月4日 13:00--16:00}
\rightline{河東泰之(かわひがしやすゆき)}
\rightline{{\tt https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki/}}
\bigskip

解答は解答用紙に書いてください.自筆ノートのみ持込可で行います.

\bigskip [1] $[0,2\pi]$ 上の関数 $f(x)=x^2$ を考える.

(1) $f(x)$ の Fourier 係数
$$a_n=\int_0^{2\pi} f(x)e^{-inx}\;dx$$
を求めよ.($n$ は任意の整数である.)

(2) $\dsize\frac{1}{2\pi}\sum_{n=-N}^N a_n e^{inx}$ は,$N\to\infty$ の
とき,$f(x)$ に $[0,2\pi]$ 上で一様収束しているか.理由をつけて答えよ.

(3) $\dsize\frac{1}{2\pi}\sum_{n=-N}^N a_n e^{inx}$ は,$N\to\infty$ の
とき,$f(x)$ に $[0,2\pi]$ 上で $L^2$-収束しているか.理由をつけて答えよ.

(4) $\dsize\frac{1}{2\pi}\sum_{n=-N}^N a_n e^{inx}$ は,$N\to\infty$ の
とき,$f(x)$ に $[0,2\pi]$ 上でほとんどいたるところ収束しているか.
理由をつけて答えよ.

\medskip [2] $f(x)$ は $\R$ 上の Lebesgue 可積分関数であるとし,
$f*f=f$ が成り立っているとする.このような $f$ をすべて求めよ.

\medskip [3] 
$\R$ 上の超関数で,台が $\Z$ に含まれるものをすべて求めよ.
ただし,$\Z$ は整数全体の集合である.

\medskip [4] 
(1) $\alpha$ を虚部が 0 でない複素数として,$\R$ 上の $L^2$-関数
$\dfrac{1}{x+\alpha}$ の Fourier 変換を求めよ.

(2) $\R$ 上の関数 $\dfrac{1}{x^4+1}$ の Fourier 変換を求めよ.

\medskip [5] 
$f(x)$ を $[0,2\pi)$ 上の $L^1$-関数とし,
これを周期 $2\pi$ で $\R$ 全体に拡張した関数を
超関数とみなしたものを $T$ とする.
また,$f(x)$ の Fourier 係数 $a_n$ ($n\in\Z$)を
$$a_n=\int_0^{2\pi} f(x)e^{-inx}\;dx$$ と定める.
このとき次の問いに答えよ.

(1) $\dsize\frac{1}{2\pi}\sum_{n=-N}^N a_n e^{inx}$ を $\R$ 上の
超関数とみなしたものは,
$N\to\infty$ のとき,ある超関数 $S$ に収束することを示せ.

(2) $T$ と $S$ は超関数として等しいか.理由をつけて答えよ.

\medskip [6] $\{a_n\}_{n=0}^\infty$ を複素数列とする.
$\sum_{n=0}^\infty a_n x^n$ が $\R$ 上の緩増加超関数として
ある $T\in {\Cal S}'(\R)$ に収束したとする.このとき 
数列 $\{a_n\}_{n=0}^\infty$ は有限個を除いて 0 であることを
示せ.

\bye