\magnification=\magstep1
\documentstyle{amsppt}

\baselineskip 14pt
\NoBlackBoxes
\nopagenumbers
\define\R{\bold R}
\define\Q{\bold Q}
\define\Z{\bold Z}
\define\T{\bold T}
\define\e{\varepsilon}
\def\lan{\langle}
\def\ran{\rangle}
\def\supp{\text{supp}}

\centerline{解析学特別演習II・小テスト (1)}
\rightline{2006年10月2日}
\rightline{河東泰之(かわひがしやすゆき)}
\rightline{数理科学研究科棟323号室(電話 5465-7078)}
\rightline{e-mail yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}
\rightline{{\tt https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki/}}
\bigskip

解答は別紙に書いてください.学生証番号,氏名を一番上に
書いてください.

\bigskip
[1] Fatou の補題のステートメントを書け.

\medskip
[2] 次のすべての条件を満たす,$\R$ 上の可測関数の列 $\{f_n(x)\}_n$
の例を一つ挙げよ.考えている測度は Lebesgue 測度である.
挙げた例が条件を満たしている理由をきちんと示すこと.

(1) 各 $f_n(x)$ はほとんどいたるところ0以上の値をとる.

(2) ほとんどすべての $x\in\R$ に対し,
$\lim_{n\to\infty} f_n(x)=0$.

(3) 各 $n$ に対し,$f_n(x)$ は $\R$ 上可積分である.

(4) さらに $\lim_{n\to\infty} \int_{-\infty}^\infty f_n(x)\;dx$
も存在するが,0 には等しくない.

\medskip
[3] 次のすべての条件を満たす,$\R$ 上の可測関数の列 $\{f_n(x)\}_n$
の例を一つ挙げよ.考えている測度は Lebesgue 測度である.
挙げた例が条件を満たしている理由をきちんと示すこと.

(1) 各 $f_n(x)$ は $\R$ 上連続かつ可積分な実数値関数である.

(2) $\R$ 上の可測可積分関数 $f(x)$ があって,
$\lim_{n\to\infty}\int_{-\infty}^\infty |f(x)-f_n(x)|\;dx=0$.

(3) $f(x)$ は $\R$ 上連続ではない.

\medskip
[4] 次のすべての条件を満たす,$\R$ 上の可測関数の列 $\{f_n(x)\}_n$
の例を一つ挙げよ.考えている測度は Lebesgue 測度である.
挙げた例が条件を満たしている理由をきちんと示すこと.

(1) 各 $f_n(x)$ は $\R$ 上可積分な実数値関数である.

(2) $\lim_{n\to\infty}\int_{-\infty}^\infty |f_n(x)|\;dx=0$.

(3) どの $x\in \R$ についても,
$\lim_{n\to\infty} f_n(x)=0$ とはならない.

\medskip
[5] 次のそれぞれの命題は正しいか.正しければ証明し,誤っていれば
反例を挙げよ.きちんと理由も示すこと.

(1) $(0,1)$ 区間の開かつ稠密な集合は Lebesgue 測度 $1$ を持つ.

(2) $(0,1)$ 区間上の Lebesgue 可測可積分関数 $f(x)$ が,
すべての $x\in(0,1)$ に対して $f(x)\ge0$ を満たし,
また,$\int_0^1 f(x)\;dx=0$ を満たせば,ほとんどいたるところ
$f(x)=0$ である.

(3) $(0,1)$ 区間の Lebesgue 可測集合が連続濃度を持てば,
その Lebesgue 測度は正である.

(4) $\R$ 上の実数値可測関数 $f(x)$ について,
$\int_{-N}^N f(x)\;dx$ が $N\to\infty$ で極限を持てば,
$f(x)$ は $\R$ 上可積分である.

\medskip
[6] その他,この授業・演習に注文,希望,文句などがあればどうぞ.

\bye