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\centerline{1996年度解析学VII・関数解析学・演習問題解説}
\rightline{6/12/1996}
\rightline{河東泰之}

各問5点ずつの20点満点でつけました.細かい書き違いなどは,
(チェックしてあっても)減点していません.平均は16.4点でした.
以下,いくつかコメントします.

\bigskip [3] わりとよくできてました.$X$の点列の収束先が,
収束する数列であることを示しますが,Cauchy列であることを
見るのが簡単です.

\bigskip [13] 一人も解いている人はいませんでした.難しいで
しょうか?

\bigskip [15]
前半は,$\dsize\sup_{n} |c_n| < \infty$,後半は
$\dsize\inf_{n} |c_n| > 0$です.

\bigskip [17] よくできてました.

\bigskip [19] やっている人は2人しかいませんでした.単に
長くて面倒だからでしょうか?

\bigskip [21] (2)にHahn-Banachを使います.

\bigskip [22] 問題の条件は,$y$によらない$x$が取れる,ということが
ポイントです.Baireから解るのは,「$[0,1]$上,
どの点でも微分不可能な連続関数が存在する」です.

\bigskip [23]
問題文の最初にある「$X\times Y$からへの線型作用素」
というのは書き違いでした.まず,「$Z$」が抜けているのは
ともかくとして,こう書くと直積空間$X\times Y$上の
線型作用素になってしまいます.そうではなくて,(1), (2)に
あるような条件のつもりでした.多くの人は正しい意味に取って
いましたが,意味をおかしく取ってしまった人は,当然まともに
できませんので,すみませんでした.そのような人には,丸ごと
5点つけました.(これを適用した人は2人です.)

正しい意味に解釈した場合は,一様有界性原理を使うことになります.
\bye