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\centerline{1996年度解析学VII・関数解析学・演習問題}
\rightline{5/15/1996}
\rightline{河東泰之}

\bigskip
[14] $f(x)\in C_0^\infty(\R)$に対し,
$\dsize \int_\R f(x-y)\dfrac{\sin y}{y}\;dy$を対応させる
線型写像を$T_0$と書く.この
写像が,$L^2(\R)$から$L^2(\R)$への有界線型写像に延長できることを示し,
そのnormを求めよ.

\bigskip
[15] $\{c_n\}_n$を複素数列とする.
$H=\ell^2$から,$H$への有界線型作用素$T$を,$\{x_n\}_n\in H$に対し,
$\{T x_n\}_n=\{c_n x_n\}_n$と定めたい.これが実際に
有界線型作用素となるための$\{c_n\}_n$に関する条件を求めよ.
また,さらに$T$が全単射になるための$\{c_n\}_n$に関する条件を求めよ.

\bigskip
[16] $f\in L^\infty(\R)$に対し,$L^2(\R)$上の作用素$T_f$を
$T_f(g)(x)=f(x)g(x)$, $g(x)\in L^2(\R)$で定める.
この作用素$T_f$のnormは何か.また,$\|T_f g\|=\|T_f\|$となる
$g$で$\|g\|=1$となるものが取れるための$f$の条件を求めよ.

\bigskip
[17] 可分無限次元Hilbert空間$H$上の有界線型作用素の列
$\{T_n\}_n$で,すべての$x\in H$に対し
$\|T_n x-x\|\to0$, $(n\to\infty)$, だが$\|T_n-I\|=1$となるもの
を作れ.ただし,$I$は,$H$上の恒等作用素である.

\bigskip
[18]  以下の条件を満たす複素数列$\{c_n\}_n$は存在しないことを
示せ.

複素数の無限級数$\dsize\sum_{n=1}^\infty a_n$が絶対収束
するための必要十分条件は,$\{c_n a_n\}_n$が有界なことである.




\bye