数学II,東京大学教養学部(文系,1年生)
水曜1限,9:00-10:30,2010年夏
TA: 粕谷直彦,藤井雄規
※初回は1102教室では立ち見の学生が多かったので、
4月14日からは761教室(定員300名)で行うことになりました。
ただし4月21日のみ525教室で行います。
※5月19日(水)より761教室(定員300名)から1323教室(定員536名)に替わります。
※6月30日に実施した中間試験の答案は
7月7日に講義室で返却いたしましたが、
そのときに受け取れなかった方は
アドミ棟1階レポート返却ボックス(教務係前)で
採点済みの答案を受け取ってください。
7月21日(水)まで受け取れます。
講義のまとめ:
- 4月7日
0. ガイダンス
- 諸外国における同年代を意識せよ。
- 「わからない」ということに正面から向き合い、それを自分の中で大事に育てるということ。
- (経済学等における)数学をブラックボックスとして鵜呑みにせずに、芯から理解する。
- この数学IIでは、公式等の知識ではなく、将来に役に立つための思考力と吸収力を鍛えることを重視する。
- 少ない概念で難しい問題を解く(小中高での数学) ⇒ 新しい概念を理解しで、論証を積み上げ、芯となるものを理解する(大学の数学)
- この講義を通じて数学を好きになってほしい。
1. 行列の定義
[ 演習問題 と
解答 ]
- 4月14日
今日は300人の教室になりましたが、それでも立ち見が多かったので、講義の進行が早くなりすぎないようにしました。
抽象的な概念を理解するためには、記号に慣れておくことが必要です。
記号に慣れることを目的として、やさしめの演習問題とその解答を用意しましたので、次回の講義までに、自分で手を動かして解いてみてください。
講義の内容
行列の積の定義
普遍的なものを行列に“表示”する
(例: A を中心に 30 度回転し、B を中心に 90 度の回転 ⇒ 3x3 の行列の積)[ 解説 ]
行列の積の結合法則
Σ、二重和ΣΣ
4月21日は761教室を使えないので、狭くなりますが、525教室で講義を行います。
[ 演習問題 と
解答 ]
- 4月21日(525教室)
(定員250人の狭い教室でしたので、座席に座れない方は辛かったと思います。
来週から大きな教室の761教室に戻ります。)
鶴亀算、連立方程式、手法と到達目標
連立一次方程式の行列表示
係数行列と拡大係数行列
解を不変にする式変形 → 行に関する基本変形
[ 演習問題 と
解答 ]
- 4月28日
行基本変形に関する標準形
2つの定理と1つの定義
定理1 行基本変形に関する標準形
定義 行列の階数
定理2 連立一次方程式の解と拡大行列の階数
(定理2は次回に、詳しく説明します)
[ 演習問題 と
解答 ]
- 5月12日
定理2 連立一次方程式の解の存在、自由度と拡大行列の階数
定理2の証明
連立一次方程式の解の表し方
連立一次方程式の解が無限個存在する場合に自由パラメータを用いて記述する方法
[ 演習問題 と
解答 ]
[ 配布資料 - 4月14日講義中の問題の解説 ]
- 5月19日(以降は1323教室)
数の掛け算と行列の掛け算の比較:
AX = YA でも X = Y とは限らない
単位行列と逆行列
定理 n 次行列 A に対して
rank A = n ⇔ A に行基本変形を施すと単位行列に変形できる
掃き出し法による連立一次方程式の解法
掃き出し法による逆行列の求め方
[ 演習問題 と
解答 ]
- 5月26日
2次元平面,3次元空間の内積
ピタゴラスの定理、余弦定理の3種類(幾何、ベクトル、座標)の記法とその高次元化
ベクトルの内積
2次元平面の座標で表した平行四辺形の面積の公式
[ 演習問題 と
解答 ]
- 6月2日
(復習)内積と平行四辺形の面積
3次元ベクトル空間の外積の定義
外積の性質
3次元空間のベクトルで表した平行六面体の体積の公式
- 6月9日
平行六面体の体積と行列式
行列式の幾何的な意味
行列の積と行列式の積
正方行列 A の逆行列が存在する ⇔ A の行列式 ≠ 0
3 次正則行列 A の逆行列の公式(外積を用いた表示)
[ 演習問題 と
解答 ]
- 6月16日
一般のサイズの行列式の定義
n 個の置換、配置、ひもの対応関係
ひもの交点数による置換 σ の符号 sgn(σ) の定義
[ 演習問題 と
解答 ]
- 6月23日
特定のひもとそれ以外のひもの交点数
余因子行列
一般のサイズの正方行列のLaplace展開
逆行列の公式
[ 演習問題 と
解答 ]
- 6月30日(水) 中間試験
6月30日に実施した中間試験の答案は
7月7日に講義室で返却いたしましたが、
そのときに受け取れなかった方は
アドミ棟1階レポート返却ボックス(教務係前)で
採点済みの答案を受け取ってください。
7月21日(水)まで受け取れます。
[ 試験問題 と 解答 と 得点分布 ]
- 7月7日
入力と出力
ベクトル空間
線型写像の定義
定理
(1) 線型写像は行列をもちいて表示できる。
(2) 行列によって定まる Rn から Rm への写像は線型写像である。
[ 演習問題 と
解答 ]
[ カナダからのメッセージ ]
- 7月21日(水) 定期試験 9:00-10:30
受講者が多いため、次の5つの教室で同時に行われる予定です
900教室 524教室 531教室 532教室 533教室
[ 試験問題 と
解答 ]
© Toshiyuki Kobayashi