Unitary Highest Weight Modules and Multiplicity Free Branching Laws,
(3 lectures), the University of Tokyo, Japan, 26-28 January 1998.

「ユニタリ最高ウェイト表現と重複度自由な分岐則」
東京大学広域演習 集中講義 (数理科学広域演習III),1998年1月26-28日,14:40-16:10

  1. 再生核の理論を用いて G-共変な正則直線束の正則な切断の空間に実現されたユニタリ表現が重複度1で分解するための一般的な十分条件を証明する。 想定している状況は群 G の底空間への作用が推移的とは限らない一般的な 設定である。作用の幾何的な性質をとらえることによって, G-作用に関する 中心化環の可換性を証明する。その基本的なアイディアは Gelfand, Faraut などに遡る。
  2. 半単純リー群のユニタリ最高ウェイト表現について簡単なサーベイをする。 Weil 表現や正則離散系列表現, あるいは コンパクト群の表現などがその例である。 最高ウェイト表現の部分群への制限に関しては, Howe の dual pair の理論, 柏原, Vergne, Jakobsen, Kostant, Schmid, Adams 等の多くの具体的な計算が 知られている。 また有限次元表現の重複度自由な分岐則に関しては, 石川-若山の 公式を用いた岡田氏の分岐則 (古典型) などの組み合わせ論の立場からの具体的な 公式が知られている。 この講義では 対称対に関する制限則 (分岐則) を論じる。 まず一般的な状況で重複度自由な分岐則を持つための幾何的な十分条件を証明し, この手法で証明される重複度自由の分岐則を与える設定のリストを与える (主に無限次元の場合を説明するが, 有限次元表現の場合も新しい例を含む)。 さらに時間が許せば, Kostant-Schmid の公式の一般化 (極大コンパクト 部分群-->非コンパクト部分群) となる分岐則を与えその証明を紹介する。

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© Toshiyuki Kobayashi