第9回高木レクチャー招待講演
平成23年6月4日(土)
10:05--11:05,14:00--15:00
京都大学数理解析研究所 大講義室420号室


リーマン幾何学における発展方程式
Simon Brendle
(Stanford University)


Abstract

リーマン幾何学における基本的な問題として、与えられた 微分可能多様体の標準的な計量を見つけよ、というものがある。 1980年代に、この問題へのアプローチとして、ハミルトンは 放物型の偏微分方程式を用いたアプローチを提唱した。与えられた 計量を初期条件として出発し、発展方程式を用いて標準的な計量へと 変形していく、というのがゴールである。リーマン計量に関しては、 リッチ流や共形山辺流など自然な発展方程式がいろいろとある。 その大域的な挙動を議論する。特に、このような手法で、微分可能 球面定理の証明をどのように証明するかを解説する。


References: S. Brendle, Evolution equations in Riemannian geometry,
Japanese Journal of Mathematics, Volume 6-1, (2011), pages 45--61.
[Article (Springer Link)]