第22回高木レクチャー招待講演
平成30年11月17日(土)
13:35--14:35,16:45--17:45
東京大学大学院数理科学研究科大講義室


混標数における特異点:パーフェクトイド空間による方法
Yves André
(Université Pierre et Marie Curie)


Abstract

ホモロジカル予想は、60年代末のPeskine, SzpiroとHochsterに遡り、可換代数におけるシジジや交点理論の問題について基本的なものである。基礎体が存在する場合には以前から知られており、標数$p$の特異点を調べる強力な手段である、タイト・クロージャーの理論につながった。

最近、$p$進ホッジ理論から導入されたパーフェクトイドの方法の理論により、基礎体がない場合も扱えるようになった。ホモロジカル予想の一般の場合を解決した、直和因子予想と大きなCohen-Macaulay環の弱関手性の存在の証明を解説する。これは混標数における特異点の研究の扉を開くものであり、またそれがどのように標数$p$と標数$0$の特異点理論を結びつけるかを示すMaとSchwedeによる現在進行中の研究も紹介する。