第21回高木レクチャー招待講演
平成30年6月23日(土)
11:30--12:30,15:20--16:20
京都大学数理解析研究所大講義室420号室


オイラー類の転入と$\mathrm{GL}_N (\mathbf{Z})$のEisensteinコホモロジー
Nicolas Bergeron
(Université Pierre et Marie Curie)


Abstract

この原稿は2018年6月23日に高木レクチャーで第一著者が講演する際に配布されるものとして執筆された。その内容は、4人の著者による現在進行形の研究に基づくものである。

この現在進行形の研究では、Nori [38]とSczch [42]によって最初に考えられた$\mathrm{GL}_N (\mathbf{Z})$に対するあるEisenstein class の新しい構成を与える。この構成方法の出発点は、$\mathrm{SL}_N (\mathbf{Z})$ベクトル束のオイラー類の消滅に関するSullivanの定理および、BismutとCheegerによるオイラー類の明示的な転入である。実際、彼らの証明は、 $(\mathrm{GL}_1 , \mathrm{GL}_N)$という簡約群のdual pair に対する「正規化されたテータリフトとみなすことが出来るある普遍的な形式を生成しているのである。」これは, そのEisensteinコサイクルの一般化になりうるものに対して、$k$が$1$より大きいときの$(\mathrm{GL}_k , \mathrm{GL}_N)$という簡約群のdual pairを調べることを示唆するものである。この原稿では、もっとも一般の場合は扱わないが、しばしば古典的であるさまざまな例に重点を置く。

われわれの構成方法が数論における、古典的なあるいは、新しい有理性の問題に何らかの光を投げかける、ということを期待している。