平成25年11月16日(土)15:10--16:10 平成25年11月17日(日)11:30--12:30 |
京都大学数理解析研究所 大講義室 |
Abstract
アポロニウスの円による平面充填は古代ギリシャにおいて構成された。 これは、ペルガのアポロニウス(紀元前262年-190年)の定理に基づいて、 円弧からなる3角形の間隙に新たな接する円を埋め込むということを繰り返し、 常に4つの円が互いに接するようして構成することができる。 アポロニウスの円による平面充填は2次元におけるフラクタルの最初の例 にもなっている。
第一回目の講義では、フラクタルの幾何学の言葉を用いて、アポロニウスの 円充填に関する数え上げと分布に関する最近の結果について述べ、 無限体積の双曲多様体における力学系がどのように関わっているかについて 説明する。
1643年に発見されたデカルトの美しい定理を用いると、 最初の4つの円の曲率が整数であれば、その4円から出発した 円充填に現れるすべての円の曲率も整数になることが証明されることが ノーベル化学賞を受賞したソディによって指摘された。 この驚くべき整数性は、アポロニウスの整数性をもつ円充填に関して 「素数の曲率を持つ円がどのくらい現れるか?」といった自然な ディオファントス問題につながる。 第二回目の講義ではこれらの問題に関する最近の進展を述べ、 エクスパンダーグラフやBourgain-Gamburd-Sarnakの篩についても紹介する。