グレード付きグラフの路空間の漸近理論とその応用
A.M. ヴェルシク
Abstract:
この概説では,グレード付きグラフ(Bratteli図形)における路空間,
可算群に関する不変測度といった,種々の組み合わせ論的あるいは解析的対象の漸近構造に関連する話題を扱う.
主要なテーマはフィルトレーションの漸近構造や標準性に関わる新しい概念である.
グレード付きグラフあるいはBorelまたは測度空間のフィルトレーションは2つのクラスに分類される.
つまり,無限大で正則な挙動を示す標準的なものとそれ以外である.
この性質に依存して,不変測度のクラスはよいパラメータ付けが可能であるか,そうでないかに分かれる.
この論文の主結果の1つはフィルトレーションに対する一般的な標準性の判定基準を与えることである.
古典的あるいは新しい例をいくつか考え,この観点が有益でありまた幅広い応用を持つことを示す.