京都大学数学教室で集中セミナー「志村多様体の数論幾何」を行います. 皆様の参加をお待ちしています. 日 時 2005年4月11日(月) 16:30 〜 18:00 12日(火), 13日(水), 14日(木) 15:00 〜 16:30 場 所 京都大学理学部3号館(数学教室) 205号室 講演者 伊藤哲史, 吉田輝義 (京大理・学振) 題 目 1. 類体論から志村多様体論へ 2. 局所Langlands対応とその幾何学的実現 3. 最近の話題 (1) 4. 最近の話題 (2) アブストラクト CM体や局所体上のGL(n)のLanglands対応は,ユニタリ型志村多様体の 数論幾何を用いて,多くの場合に幾何学的実現が構成されています. この集中セミナーでは,数論幾何学の基本的な概念の復習から始めて, GL(n)のLanglands対応やユニタリ型志村多様体の数論幾何に関する Harris-Taylorの仕事の概略と,その周辺の最近の話題を解説します. 意欲ある学部生・大学院生の参加も歓迎します. 1. 類体論から志村多様体論へ (吉田) CM体上のGL(n)の保型表現に対応したn次元Galois表現の構成 (大域Langlands対応)は,虚数乗法論(n=1の場合,類体論の実現)の 一般化と考えられる.ユニタリ型志村多様体を用いたGalois表現の構成 (主にKottwitz,Clozelによる) のために必要な数論幾何学を概観する. 2. 局所Langlands対応とその幾何学的実現 (伊藤) Harris-Taylorの仕事は,ユニタリ型志村多様体の悪い還元の様子を 詳細に研究し,大域Langlands対応の局所的な振る舞いを調べることで 局所Langlands対応を証明したものである.これは大域類体論から局所 類体論を導くことの幾何学化・非可換化にあたるもので,非可換Lubin- Tate理論(Carayolのプログラム)と呼ばれる. 3. 最近の話題 (1) (吉田) 分岐がtameの場合の非可換Lubin-Tate理論のDeligne-Lusztig理論を 用いた局所的構成,およびHarris-Taylorの結果をモノドロミー作用素 に関して精密化した,大域・局所Langlands対応の整合性の証明に ついて解説する. 4. 最近の話題 (2) (伊藤) 正標数の体上のユニタリ型志村多様体の幾何学,特に高次元井草多様体 のコンパクト化とその応用について述べる.また,Rapoport-Zinkによる p進一意化理論について解説する.これは,非可換Lubin-Tate理論と ユニタリ型志村多様体の数論幾何との関係を深く一般化したものである. 連絡先 : 加藤和也 (kazuya@math.kyoto-u.ac.jp) 伊藤哲史 (tetsushi@math.kyoto-u.ac.jp) 京都大学大学院理学研究科数学教室 〒606-8502 京都市左京区北白川追分町 TEL : 075-753-3700, FAX : 075-753-3711