連絡事項
この授業は2年理科生向けの微分積分学続論の講義です。 文科生も履修できます。 理科生についてはクラス指定により理科II・III類3組〜4組、13組〜16組、18組、21組が対象となります。
シラバスに書かれた授業の目標、概要は次の通りです。
1年生の微分積分学で学んだ内容に続く基礎的な話題を扱う.主題は,多変数関数および写像の微分積分である.関数および写像を線型な対象によって近似する手法がしばしば使われるため,1年次に学んだ線型代数の応用という側面も有する.本科目で取り上げるさまざまな手法は,数学・物理学はもちろんのこと,より広く,理学・工学をはじめとする多くの分野で用いられる重要なものである.将来少しでも微積分を道具として使うのであれば,必須の内容である.
授業のキーワード:多変数関数の極値問題,ヘッセ行列,ヤコビ行列式,陰関数の定理,逆写像の定理,ラグランジュの未定乗数法,重積分の変数変換
この講義は、火曜日の 2限(10:25〜12:10)に教養学部531教室で行います。
この講義は微分積分学続論のシラバスの授業計画 (下に転載) に基づいて行います。
この講義の参考書として次の書籍をあげておきます。
小林昭七「続 微分積分読本 — 多変数 — 」裳華房
この講義の成績は期末試験によって判定します。講義のなかで小テストやレポートなどを課すことがありますが、これは純粋に教育目的で行うものですので、その点数・評価は成績には影響しません。
講義予定(夏学期)
講義の進行によっては、予定を変更する可能性があります。
この授業の補講を実施するかどうかは未定です。
注意事項
遅刻厳禁・私語厳禁です。
授業中の写真撮影は禁止です。
授業中の携帯電話・スマートフォン・パソコン等の使用を禁止します。
授業内容に関わる質問は授業中にお願いします。授業内容で理解できない点があれば、その場で手をあげて大きな声で質問してください。 板書の書き誤りに気が付いたら、その場ですぐに指摘してください。
大人数に対するレポート等の返却を、個人のプライバシーに配慮しつつ、混乱なく速やかに行うために、名前を呼ばれたら、大きく手を挙げて、大きな声で『はい』と返事してアピールしてください。
提出物の名前には必ずふりがなを振ってください。
授業計画
微分積分学続論 のシラバスに書かれた授業計画を転載しますので、参考にしてください。
講義内容はおおむね以下の通りであるが,担当教員によっては順序や内容に一部変更が加えられる場合がある.
ヘッセ行列による極値判定
2変数関数の極値問題は1年生のときに既に学んだが,本科目では多変数関数について同様の極値問題を扱う.対称行列の対角化の一つの応用として,ヘッセ行列と呼ばれる,2階偏微分を成分にもつ行列が定める2次形式を調べることにより,n 変数関数が極大値,極小値を取るための十分条件を与える.
陰関数定理と逆写像定理
f(x1,…,xn, y) = 0 という形の条件式が与えられたとき,この式を満たす y を,局所的に x1, …, xn の関数とみなすことができるための十分条件を与えるのが陰関数定理である.この定理を解説し,このようにして定まる関数の性質を調べる.また,Rn から Rn への写像が与えられたとき,この写像がいかなる条件のもとで可逆であるかを考える.ヤコビ行列式と呼ばれる,偏微分から定まる行列式が 0 でなければこの写像の逆写像が局所的に定まるという定理を解説し,これによって定まる逆写像の性質を調べる.
ラグランジュの未定乗数法 g(x1,…,xn) = 0 のような条件式が与えられたときに,この制約条件のもとで与えられた n 変数関数の取りうる極値を求める問題を扱う.偏微分を用いてこの問題を解く方法を解説する.
重積分の変数変換 1年次では,2変数関数を主な対象とし,重積分のヤコビ行列式を用いた変数変換の公式を学んだ.本科目では,一般の n 変数関数の重積分における変数変換についてより詳しく論じる.
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