このページには山下真@数学科3年が昔演習の時間に前で解いた問題たちについての補足や訂正や解説をおいています。
演習の時間に前で問題を解くときに、口が滑って準備したのと違うことを言ったり、思い違いをしていたりで間違っていることがたくさんあるので、記号の意味が分からんとか、記号間違いを見つけたとか、僕がいったことがおかしい・たどりにくいと思ったらその場ででも、あとでメールででもいいから教えてください。わかりにくいことは説明します。
昔解いた問題で、ここがわからなかったから教えろ、みたいなリクエストもどうぞ。
記号がちゃんと表示されてなさそうだ、というのも教えてください。
2004年の夏学期の分はこちらです。
(fi)i∈NをS(Rd)内のコーシー列としたとき、あるf ∈ S(Rd)でfi → fとなるものがあることを示せばよい。任意の多重指数αについて|∂αfi - ∂αfj| < |fi - fj||α|だから(∂αfi)は一様収束している。f = lim fiととる。
(1) f ∈ C∞(Rd)であること
R上の可微分な関数の列φiが(広義)一様収束していたら(lim φi)' = lim φi'であることから、|α|についての帰納法によって、任意の多重指数αについて∂αf = lim ∂αfiが従う。
(2) f ∈ S(Rd)であること
hを自然数、αを多重指数とする。(fi)はS(Rd)ないのコーシー列だからある正実数Mで、任意の自然数iについて|fi|h+|α| < Mとなるものがある。このとき任意のy ∈ Rdと任意の自然数iについて(1 + |y|)h|∂αfi(y)| < Mである。一方このyについてlim(1 + |y|)h∂αfi(y) = (1 + |y|)h∂αf(y)である。これはsupx(1 + |x|)h|∂αf(x)| ≤ Mということである。
(3) S(Rd)においてfi → fであること
hを自然数、αを多重指数、ε > 0を正実数としたとき、ある自然数NでN < iだったらsupx(1 + |x|)h|∂αf(x) - ∂αfi(x)| < 2εとなるものが存在することを示せばよい。正実数Mで、任意の自然数iについて|fi|h+|α|+1 < Mとなるものをとる。r < |x|だったら(1 + |x|)h∂αfi < εとなる実数Rをとる(たとえばr = max(M/ε - 1, 0)とする)。上と同様にしてr < |x|だったら(1 + |x|)h∂αf ≤ εとなる。よってr < |x|だったら任意のiについて(1 + |x|)h|∂αf(x) - ∂αfi(x)| < 2ε
いっぽう、(1 + |x|)h∂αfに各点収束している関数列((1 + |x|)h∂αfi)iは、有界領域{x ∈ Rd| |x| ≤ r}上では一様収束している。よってある自然数NがあってN < i, |x| ≤ rだったら(1 + |x|)h|∂αf(x) - ∂αfi(x)| < 2εとなっている。
これでN < iだったら任意のx ∈ Rdについて(1 + |x|)h|∂αf(x) - ∂αfi(x)| < 2εとなることがわかったが、これが示したいことだった。
ε > 0を任意の実数としたとき、ある自然数Nが存在してN < m ≤ nだったら|∑m≤k≤n φk(x)fk(y)| ≤ 3εが任意のyについて成り立っていることを示せばよい。
Mを、任意のk、yについて|φk(x)| < Mなる実数とする。N < m ≤ nだったら任意のyについて|∑m≤k≤n fk(y)| < ε/Mであるような自然数Nをとる。
このときN < m ≤ nについて
∑m≤k≤n φk(x)fk(y) = φm(x)(fm(y) + ... + fn(y)) + (φm+1(x) - φm(x))(fm+1(y) + ... + fn(y)) + ... + (φn(y) - φn-1(y))fn(y)
より
|∑m≤k≤n φk(x)fk(y)| ≤ |φm(x)∑m≤k≤n fk(y)| + ∑m<k≤n(φk(x) - φk-1(x))|∑k≤jfj(y)| ≤ M*ε/M + ∑m<k≤n (φk(x) - φk-1(x))*ε/M ≤ 3ε
がわかったが、これが示したいことだった。
kを自然数とする。
|∑n≤k (f, en)en|2 = (∑n≤k (f, en)en, ∑n≤k (f, en)en) = ∑n≤k |(f, en)|2|
より数列(|∑n≤k (f, en)en|2)k∈Nは単調増加である。一方で
0 ≤ |f - ∑n≤k (f, en)en|2 = (f - ∑n≤k (f, en)en, f - ∑n≤k (f, en)en) = |f|2 - |∑n≤k (f, en)en|2
より(|∑n≤k (f, en)en|2)k∈Nは上から|f|2でおさえられている。よって単調増加列(|∑n≤k (f, en)en|)k∈Nは上から|f|でおさえられている。実数の完備性から(|∑n≤k (f, en)en|)k∈Nはある実数Gに収束する。ここから関数列(∑n≤k (f, en)en)k∈NがX内のコーシー列であることが従う。Xの完備性からこれはあるXの元gに収束する。|∑n≤k (f, en)en| ≤ |f|だったから|g| ≤ |f|である。
今に限りD0 = {0} ⊂ D1、S-1は空集合ということにする。各自然数mについてDmは{(0, x1, .... xm-1)}としてDm+1に埋め込まれていると考える。
nについての帰納法で(0以上の自然数nについての)表式を示す。n = 0のときは(X × D0, X × S-1) =~ (X, ∅)より明らか。
mを1以上の自然数として、自然数nの値がmより小さいときには問題のステートメントが成り立っていたと仮定する。
p1 = (1, 0, ..., 0), p2 = (-1, 0, ..., 0) ∈ Sm-1 ⊂ Dmとおく。i = 1, 2についてYi = Dm - {pi}, Ai = Sm-1 - {pi}とおく。(Y1)◦ ∪ (Y2)◦ = Dmかつ(A1)◦ ∪ (A2)◦ = Sm-1(こちらはSm-1において)だから、((Yi, Ai))i=1,2は対(Dm, Sm-1)の「被覆」になっていて、(X × (Yi, Ai))i=1,2 = ((X × Y1, X × A1), (X × Y2, X × A2))はX × (Dm, Sm-1) = (X × Dm, X × Sm-1)の「被覆」になっている。てこれについてのMayer-Vietoris完全列は
...→ Hq+m(X × (Y1, A1)) ⊕ Hq+m(X × (Y2, A2)) → Hq+m(X × (Dm, Sm-1)) → Hq+m-1(X × (Y1 ∩ Y2, A1 ∩ A2)) → Hq+m-1(X × (Y1, A1)) ⊕ Hq+m-1(X × (Y2, A2)) →...
となる。
(Y1 ∩ Y2, A1 ∩ A2) = (Dm - {p1, p2}, Sm-1 - {p1, p2})は(Dm-1, Sm-2)を変異リトラクトにしている。また(Y1, A1) は({p2}, {p2})を変異リトラクトにし、(Y2, A2)は({p1}, {p1})を変異リトラクトにしている。X × ({pi}, {pi}) =~ (X, X)とH(X, X) = 0より、上の完全列は
0 → Hq+m(X × (Dm, Sm-1)) → Hq+m-1(X × (Dm-1, Sm-2)) → 0
となる。帰納法の仮定からHq+m-1(X × (Dm-1, Sm-2)) =~ HqXだからHq+m(X × (Dm, Sm-1)) =~ HqXがいえた。
(Y2, A2)を({p1}, {p1})に縮めるホモトピー:
(x1, ..., xn, t) → (t + (1 - t) x1, √{(1 - t)(1 + t + x1 - tx1)/(1 + x1)} (x2, x3, ..., xn))
(x1 > -1だから定義可能)
(Y1 ∩ Y2, A1 ∩ A2)を(Dn-1, Sn-2)に縮めるホモトピー:
(x1, ..., xn, t) → (tx1, √{(1 - (tx1)2)/(1 - x12)} (x2, ..., xn))
(x12 < 1だから定義可能なことに注意)
位数nの巡回群をCnと書くことにする。
Gを位数21の非可換群とする。Gの7-Sylow群の数をkとする。P7 = {M | M ⊂ G, |M| = 7}へのGの左からの作用を考える。7-Sylow群がはいっている軌道の濃度は3で(それについての固定部分群は7-Sylow群)、そうでない軌道の濃度は7となる(こちらの固定部分群は位数3)。この作用では7-Sylow群は互いにうつり合わないので|P7| = 3k (mod 7)である。一方で|P7| = 21C7 = 3 (mod 7)だからk = 1でなければならない。従ってGの7-Sylow群はひとつだけで、それは正規部分群になっている。
C7 ◁ Gとみなせ、G/C7 = C3である。C7の生成元をσ、C3の生成元をτとかき、Gにおけるτの逆像をτ'と書くことにする。3はτ'の位数を割り切り、τ'の位数は21を割り切るはずだが、τ'の位数が21ではGはC21と同型になって可換群になってしまうのでτ'の位数は3である。mをτ'σ(τ')-1 = σmなる整数とする。σ = (τ')3σ(τ')-3 = σ(m3)よりm3 = 1 (mod 7)でなければならない。これはm = 1, 2, 4 (mod 7)を導く。m = 1だったらGはC7 × C3となって可換だということになってしまう。
C3からAut C7への準同型φ0をφ0[τ](σ) = σ2で定める。φ0によるC3とC7の半直積群C3×φ0C7は非可換で位数21である。同様にしてφ1[τ](σ) = σ4なるC3からAut C7への準同型φ1を考えると、これはφ0とC3の自己同型の合成なのでφ1によるC3とC7の半直積群C3×φ1C7はφ0によるそれと同型である。上の議論によって位数21の非可換群はこれしかあり得ない。これで位数21の非可換群が同型をのぞきひとつに定まることがいえた。
上の記号の下で、Gにおけるτ'の共役類は濃度7である(固定部分群はτ'によって生成され、位数3)。共役類は{e}, S1 = {σ, σ2, σ4}, S2 = {σ3, σ6, σ5}, A, Bとかける。ここでAとBは濃度7で、B = A-1である(これらはGのC7による剰余類になっている)。
ωを1の3乗根で1と異なる複素数とする。G/C7 = C3を経由するGの3つの既約指標は次の表で与えられる(アスタリスクは複素共役)。
| {e} | S1 | S2 | A | B | |
|---|---|---|---|---|---|
| χ0 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
| χ1 | 1 | 1 | 1 | ω | ω* |
| χ2 | 1 | 1 | 1 | ω* | ω |
Gの共役類が5つなのでGの既約指標はあと二つある(χ3、χ4とおく)。既約表現の位数の自乗和は群の位数になることから残りの表現の位数は両方とも3でなければならない。従ってχ3({e}) = 3である。χ3(S1) = α、χ3(A) = βとおく。S2 = S1-1とB = A-1よりχ3(S2) = α*、χ3(A) = β*である。χ0とχ3の直交性から3 + 3α + 3α* + 7β + 7β* = 0である。一方χ1とχ3の直交性から3 + 3α + 3α* + 7ωβ + 7(ωβ)* = 0が従う。これはRe β = Re ωβということであり、β = 0でなければならない。ここからRe α = -1/2も従う。既約指標の正規直交性をχ3に適用すると32 + 3αα* + 3α*α = 21が従う。これは|α|4 = 4ということである。これでα = (-1 ± i√15)/2でなければならないことがわかった。αの値としてどちらかを採用すればもう一方はχ4を与えることになる。
| {e} | S1 | S2 | A | B | |
|---|---|---|---|---|---|
| χ3 | 3 | (-1 + i√15)/2 | (-1 - i√15)/2 | 0 | 0 |
| χ4 | 3 | (-1 - i√15)/2 | (-1 + i√15)/2 | 0 | 0 |
Iで閉区間[0, 1]を表すことにする。Gにおける群の演算をτと書くことにする。τはG2からGへの連続関数である。
I2内の曲線m0とm1を
m0(t) = (0, 2t) (t ≤ 1/2のとき)、(2t - 1, 1) (1/2 < tのとき)
m1(t) = (2t, 0) (t ≤ 1/2のとき)、(1, 2t - 1) (1/2 < tのとき)
によって定める。
l0とl1をG内の、eを始点・終点とするような任意の閉曲線とする。I2からG2への連続関数LをL(x0, x1) = (l0(x0), l1(x1))によって定める。
t ≤ 1/2だったらτLm0(t) = τ(l0(0), l1(2t)) = el1(2t) = l1(2t)であり、1/2 < tだったらτLm0(t) = τ(l0(2t - 1), l1(1)) = l0(2t - 1)e = l0(2t - 1)であるからτLm0 = l0.l1である。同様にしてτLm1 = l1.l0である。
あとはm0とm1がI2でホモトープになっていることを示せばπ1(G, e)で[l0].[l1] = [l1].[l0]となって題意が従うことになる。I2からI2への連続関数ΦをΦ(s, t) = 2t(s, 1 - s) (t ≤ 1/2のとき)、(s, 1 - s) + (2t - 1)(1 - s, s) (1/2 < tのとき)によって定める。Φ(0, t) = m0(t)とΦ(1, t) = m1(t)は明らか。
次の6つの関手を考える:
1. S-1R加群の圏からR加群の圏への係数制限関手Res
2. R加群の圏からS-1R加群の圏への局所化関手S-1
3. R加群の圏からR加群の圏への「Nからの準同型たち」関手Hom(N, •)
4. R加群の圏からR加群の圏への「Nとテンソル」関手•⊗RN
5. S-1R加群の圏からS-1R加群の圏へのHom(S-1N, •)
6. S-1R加群の圏からS-1R加群の圏への•⊗S-1RS-1N
S-1はResの、•⊗NはHom(N, •)の、•⊗S-1NはHom(S-1N, •)の左随伴関手になっている。よってS-1(•⊗N) = S-1 ◦ •⊗NはHom(N, •) ◦ Res = Hom(N, Res•)の、(S-1•)⊗S-1N = ⊗S-1N ◦ S-1はRes ◦ Hom(S-1N, •) = Res Hom(S-1, •)の左随伴関手である。S-1R加群の圏からR加群の圏への二つの関手Hom(N, Res•)とRes Hom(S-1N, •)が自然同値になっていることを示せばS-1(•⊗N)と(S-1•)⊗S-1Nが自然同値であることになり、これらによるMの像S-1(M⊗N)とS-1M⊗S-1Nは同型だということになる。
(41)で、任意のS-1R加群EについてHom(S-1N, E)とHom(N, Res E)の間に全単射が存在することをみたが、その全単射はHom(S-1N, E)とRes Hom(N, Res E)の間のR加群の同型になっている。Eについての自然性も明らか。これはHom(N, Res•)とRes Hom(S-1N, •)が自然同値になっているということである。
(特に整域とは限らない)局所環O上の有限生成射影加群は自由加群
生成元の数についての帰納法を使う。有限生成射影0加群Mがn個の元で生成されたとする。
Rn -p→ M → 0
nが0のときは自明。n - 1個の元で生成されるような射影的O加群は自由だとわかっていたする。RnにおけるMの補加群をNとする。
0 → N -i→ Rn -p→ M → 0 (split exact)
pの切断をsとする。
Im i ⊂ m.Rnのとき:Rn = i(N) + s(M)より中山の補題が適用できてs(M) = Rnとなる。つまりMとRnは同型。
Im i - m.Rn ≠ ∅のとき:x ∈ Nで、ix = ∑i aieiと表したときにaj ∉ mであるようなjをとれるものが存在する。このとき0 = pix = ∑ aipeiとなる。また、Oの局所性からO - m = O×であり、pej = -aj-1∑i≠j aipei ∈ ∑i≠j Rpeiとなる。これはMが実際にはn - 1個の元(pei)i≠jで生成されてしまうということであり、帰納法の仮定からMは自由。
Mが有限表示かつ平坦であることから、N = R、L = Mとおいて(54)が適用でき、Hom(M, R) ⊗ MからHom(M, M)への同型写像φがあることになる。これの下でのidMの逆像を∑1≤i≤n ai ⊗ bi(ai ∈ M*, bi ∈ M)とおく。
∑i e*ibi: Rn → M (1 ≤ i ≤ nについてeiをbiにうつす)をπとおけば、M = Im idM ⊂ ∑i Rbi = Im πよりπは全射。s = (ai)i: M → Rn (xを(a1x, ..., anx)にうつす)とおけば、ps: x → ∑i ai(x)bi = idMxよりsはpの切断であり、MからRnの直和因子の上への同型写像ということになる。
Mが有限生成射影的R加群 ⇔ Mが有限表示かつ任意の極大イデアルmについてMmが射影的
⇒: Rm加群の圏でMm → N0とN1 → N0 → 0(完全)が与えられたとする。Mmの普遍性からM → ResRN0が誘導される。一方で係数の制限は完全性を保つのでResRN1 → ResRN0 → 0は完全。Mの射影性から下図中央の図式が可換になるようなM → ResRN1が対応する。局所化の普遍性から定まるMm → N1が下図右の図式を可換にする。
いつでもこのような準同形があるわけだから、Mmは射影的である。
⇐: R加群の圏で完全列N1 → N0 → 0が与えられたとする。CをHom(M, N1) → Hom(M, N0)の余核とする。
Hom(M, N1) → Hom(M, N0) → C → 0
Mが有限表示でRの任意の極大イデアルmについてMmが射影的という仮定の下でCが零加群であることを示せばよい。mをRの極大イデアルとする。上の完全列を積閉集合S = R - mについて局所化すると完全列
S-1Hom(M, N1) → S-1Hom(M, N0) → S-1C → 0
が得られる。Mが有限表示なので(48)が適用できて、
Hom(S-1M, S-1N1) → Hom(S-1M, S-1N0) → S-1C → 0
という完全列が得られた。
S-1M = Mmが射影的であることと、S-1N1 → S-1N0 → 0の完全性からHom(S-1M, S-1N1) → Hom(S-1M, S-1N0)は全射であり、Cm = S-1Cは零加群である。任意の極大イデアルmについてこれが成り立つわけだからCは零加群である。
(上に書いた)拡張された(61)によって、任意の極大イデアルmについてRm加群Mmが有限生成射影的 ⇔ Mmが有限生成自由である。
*で一点空間を表すことにする。任意の位相空間Zに対して、Zから*へ一意的な(連続)写像が定まるので、それをτZと書くことにする。位相空間Aが可換というのは連続写像ι: * → AでidAとι◦τAがホモトープになるものが存在する、ということである。
(a) ⇒ (b)
Xを位相空間とする。XからAへの任意の連続写像fがι◦τXとホモトープなことを示せばよい。τA◦fはτXに写像として一致する。よってι◦τXはι◦τA◦fは等しいがが、ι◦τAがAの恒等写像にホモトープであることからι◦τXはfにホモトープであることが従う。
(a) ⇒ (c)
Yを弧状連結な位相空間とすると、[* Y]はただ一つの元(その代表元をgと書くことにする)しかもたない。AからYへの任意の連続写像hがg◦τAとホモトープなことを示す。h◦ιは*からYへの連続写像だからgとホモトープ。従ってh◦ι◦τAはg◦τAとホモトープであるが、ι◦τAはidAとホモトープだからこれはhとg◦τAがホモトープだということである。
(b)または(c) ⇒ (a)
(b)のX、あるいは(c)のYをAにとりかえると[A A]はただ一つの元からなるということが従う。Aは弧状連結なので空でないから、x ∈ Aが存在する。* → {x} → Aという合成写像をιとおけば、ι◦τAはAからAへの連続写像であり、[A A]はただ一つの元からなるのでこれはAの恒等写像にホモトープである。
自然数kに対してRkの標準基底を(e1, ..., ek)と表すことにする。
議論の前半部分はMが有限生成のときと有限表示のときで平行したものになるので、[...]でMが有限表示のときに付け加わる式をあらわすことにする。
Mについての仮定から自然数m0[、m1]があって
(#) [Rm1 → ] Rm0 -π→ M → 0
という完全列が存在する。これにHomR(•, N)をかければ
0 → Hom(M, N) → Hom(Rm0, N) [ → Hom(Rm1, N)]
Hom(M, N) ∋ f → fπ ∈ Hom(Rm0, N)
という完全列が得られる。自然数kについてg ∈ Hom(Rk, N)に(ge1, ..., gek) ∈ Nkを対応させる写像はHom(Rk, N)からNkへの同型写像になるので、
0 → Hom(M, N) → Nm0 [ → Nm1]
Hom(M, N) ∋ f → (fπe1, ..., fπem0)
という完全列が得られる。さらにLの平坦性によって、この列の各項をLとテンソルして得られる
0 → Hom(M, N) ⊗ L → Nm0 ⊗ L [ → Nm1 ⊗ L]
Hom(M, N) ⊗ L ∋ f ⊗ y → (fπe1, ..., fπem0) ⊗ y
は完全になる。いっぽうで、完全列(#)に今度はHomR(•, N ⊗ L)をかけると
0 → Hom(M, N ⊗ L) → (N ⊗ L)m0 [ → (N ⊗ L)m1]
Hom(M, N ⊗ L) ∋ f' → (f'πe1, ..., f'πem0)
という完全列が得られる。自然数kに対し、(N ⊗ L)kからNk ⊗ Lへの、μ: (a1 ⊗ b1, ..., ak ⊗ bk) → (a1, 0, ..., 0) ⊗ b1 + ... + (0, ..., 0, ak) ⊗ bkという同型写像があるのでそれを用いて
0 → Hom(M, N ⊗ L) → Nm0 ⊗ L [ → Nm1 ⊗ L]
という完全列が得られた。ここで、合成写像Hom(M, N) ⊗ L -φ→ Hom(M, N ⊗ L) → Nm0 ⊗ Lは
Hom(M, N) ⊗ L ∋ f ⊗ y → (φ(f ⊗ y): x → fx ⊗ y) → μ(fπe1 ⊗ y, ..., fπem0 ⊗ y) = (fπe1, ..., fπem0) ⊗ y
となるので次の図式は可換になる:
(1: Mが有限生成のとき) Hom(M, N) ⊗ L → Nm0 ⊗ Lは単射なのでφもそうでなければならない。
(2: Mが有限表示のとき) 1行目の完全列よりHom(M, N) ⊗ L -ι0→ Ker(Nm0 ⊗ L → Nm1 ⊗ L)という同型写像が得られ、2行目の完全列よりHom(M, N ⊗ L) -ι1→ Ker(Nm0 ⊗ L → Nm1 ⊗ L)という同型写像が得られる。φ = ι1-1ι0なのでφは同型写像。
ιでRからS-1Rへの自然な準同形を表すことにする。
MをR加群、rとsをS-1Rの元、xをMの元としたとき、
r.(x ⊗ s) = x ⊗ rs
によってM ⊗R S-1RをS-1R加群と考えられ、一方でRの元aとSの元t、uについて
(a/t).(x/u) = (ax)/(tu)
と定めることでS-1MをS-1R加群だと考えることができる。
NをS-1R加群とする。任意のy ∈ Nとa ∈ Rについてa.y = ι(a)yとおくと、この演算はR加群の公理を満たす。このやり方でNをR加群と思ったものをResRS-1RNとかくことにする。集合としてはNとResRS-1RNは同じものである。
S-1R加群N0からS-1R加群N1へのS-1R準同形写像fがあったとすると、ResRS-1RN0からResRS-1RN1への写像fはR準同形になる。R準同形と考えたfを特にResRS-1Rfと書くことにすると、S-1R加群の圏からR加群の圏へ、N → ResRS-1RN、f → ResRS-1Rfという関手ResRS-1Rが考えられることになる。
R加群M0からR加群M1へのR準同形写像fがあったとする。R準同形f ⊗ id: M0 ⊗R S-1R → M1 ⊗R S-1RはS-1R準同形にもなっているので、R加群の圏からS-1R加群の圏へM → M ⊗R S-1R、f → f ⊗ idという関手•⊗RS-1Rが考えられる。
R加群M0からR加群M1へのR準同形写像fがあったとする。S-1M0からS-1M1への、
x/s → f(x)/s (x ∈ M0, s ∈ S)
という対応を考えると、これはある写像を定める関係になっている:x/s = x'/s'だったらあるt ∈ Sがあってt(s'x - sx') = 0ということだが、このtについてf(t(s'x - sx')) = 0 ⇒ t(s'f(x) - sf(x')) ⇒ f(x)/s = f(x')/s'だから。この写像をS-1fとかく。S-1fがS-1M0からS-1M1へのS-1R準同形写像になっていることは簡単に確認できる。この方法でR加群の圏からS-1R加群の圏へM → S-1M、f → S-1fという関手S-1が考えられる。
φ ∈ HomR(M, ResRS-1RN)に対し、M × S-1RからNへの、
(x, r) → rφ(x) (r ∈ S-1R, x ∈ M)
という写像はR双線形なのでM ⊗ S-1RからResRS-1RNへのR線形写像φをさだめる。さらにこれはS-1R線形にもなっている。このようにして定まるHomR(M, ResRS-1RN)からHomS-1R(M ⊗ S-1R, N)への写像をμM,Nと書くことにする。
ψ ∈ HomS-1R(M ⊗ S-1R, N)に対し、MからResRS-1RNへのx → ψ(x ⊗ 1)という写像ψ'はR線形である。このようにして定まるHomS-1R(M ⊗ S-1R, N)からHomR(M, ResRS-1RN)への写像はμM,Nと互いに逆写像になっている。
MとNについての自然性はあきらか。
φ ∈ HomR(M, ResRS-1RN)に対し、S-1MからNへの、
x/s → sφ(x) (s ∈ S, x ∈ M)
という対応はS-1MからNへのS-1R線形写像φをさだめる。このようにして定まるHomR(M, ResRS-1RN)からHomS-1R(S-1M, N)への写像をνM,Nと書くことにする。
ψ ∈ HomS-1R(S-1M, N)に対し、MからResRS-1RNへのx → ψ(x/1)という写像ψ'はR線形である。このようにして定まるHomS-1R(M ⊗ S-1R, N)からHomR(M, ResRS-1RN)への写像はνM,Nと互いに逆写像になっている。
MとNについての自然性はあきらか。
これでR加群の圏からS-1R加群の圏への二つの関手•⊗RS-1RとS-1がともにResRS-1Rの左随伴関手になっていることがわかった。
2 ≤ nの場合を考えることにする。また以下「ホモトピー」という場合は点付き空間の間のホモトピー、つまり基点→基点という対応は保つようなホモトピーを考えることにする。
1. 余積Sn -μ→ SnL ∨ SnRの構成
Sn = {(x0, x1, ..., xn) | ∑ xi2 = 1} ⊂ Rn、基点は(1, 0, 0, ..., 0)と考え、Snの閉被覆(A, B)をA = {0 ≤ x1}、B = {x1 ≤ 0}によって定める。AとBの共通分は{x1 = 0}である。
AからSnへの写像φを、
(x0, x1, ...) → (1 - 2x1, 2x1/2 / (1 + x1)1/2 (x0, x2, x3,...))
でさだめる。
つぎに、対角直交行列diag(1, -1, -1, 1, 1, ...)が定めるSnからそれ自身への連続写像をCと書くことにする。C(B) = AとC2 = idは明らか。
Snの二つのコピーSnLとSnRを考える。AとBの上の連続写像fA、fBを
fA: A -φ→ SnL → SnL ∨ SnR
fB: B -C→ A -φ→ SnR → SnL ∨ SnR
ここで、-φ→はそれぞれの球面への、「φの式が定める」連続写像であり、SnL → SnL ∨ SnRなどは自然な埋め込みを表している。
AとBの共通分はfAの下でもfBの下でも基点1点からなるSnL ∨ SnRの部分集合にうつる(φはA ∩ Bを基点を基点に移すように構成されたから)。貼り合わせの補題からfAとfBはSnからSnL ∨ SnRへの連続写像μを定め、これは基点を基点に移す。
2. 構成したμが余積の公理を満たすこと
2-1. 図式
(-id→は「恒等写像の式が定める」連続写像)がホモトピー同値の意味で可換になること
(id ∨ *)μはA上でφと、B上で*と一致している。各t ∈ [0, 1]についてΦt: Sn → SnLを
x1 < (x0 - 1)tan tπ/2のとき(x0, x1,...) → (1 + sin tπ/2) (1 + (2x0 - 1)sin tπ/2 + 2x1cos tπ/2, 2((1 - x0)sin tπ/2 + x1cos tπ/2)1/2 / (1 - x0sin tπ/2 + x1cos tπ/2)1/2 (x0cos tπ/2 + x1sin tπ/2, x2, x3,...))
そうでないとき(x0, x1,...) → (1, 0, ...)
と定めると、Φ0 = (id ∨ *)μ、Φ1 = id、Φt(1, 0, ...) = (1, 0, ...)となる。
(-id→は「恒等写像の式が定める」連続写像)がホモトピー同値の意味で可換になること
(* ∨ id)μはA上で*と、B上でφCと一致している。一方((SnL -id→SnR) ∨ *)μCを考えると
A上ではA -C→ B -μ→ SnL ∨ SnR -(id ∨ *)→ SnR = A -C→ B -φ ◦ C → SnR -(*)→ SnRとなっていて、B上ではB -C→ A -μ→ SnL ∨ SnR -(id ∨ *)→ SnR = B -C→ A -φ→ SnRとなっているので((SnL -id→SnR) ∨ *)μC = (* ∨ idSnR)μである。また、Cとidの間にはホモトピー
があるので((SnL -id→SnR) ∨ *)μC = ((SnL -id→SnR) ∨ *)μ(ホモトピー同値)である。2-1によって((SnL -id→SnR) ∨ *)μ = (Sn -id→ SnR)(ホモトピー同値)である。
余可換性の定義:SnL -id→ SnR → SnL ∨ SnRとSnR -id→ SnL → SnL ∨ SnRによって定まるSnL ∨ SnRからそれ自身への連続写像をνと書くことにする。
ホモトピー同値の意味でνμ = μがなりたっているとき、余積Sn -μ→ SnL ∨ SnRは余可換である、ということにする。
この演算が可換だというのはa.b = b.aがすべてのa、bについて成り立っているということである。X × XからX × Xへの、対(a, b)の元の順番を取りかえる射ν: (a, b) → (b, a)を使えば
μの可換性はμν = μと定式化できる。この考え方に沿って、ただし矢印の向きはすべて逆にして考えたものが余積の余可換性である。
Rの素イデアルpについて、(M ⊗R N)p ≠ 0 (⇔ p ∈ Supp M ⊗ N)であることと、「Mp ≠ 0かつNp ≠ 0 (⇔ p ∈ Supp M ∩ Supp N)」であることが同値であることを示せばよい。
(47)によって(M ⊗R N)pとMp ⊗Rp Npは同形なので、Mp ⊗Rp Np ≠ 0と「Mp ≠ 0かつNp ≠ 0」の同値性を示せば十分である。
⇒: Mp = 0かNp = 0だったらMp ⊗Rp Np = 0となる。これで(M ⊗R N)p ≠ 0 ⇒ Mp ≠ 0かつNp ≠ 0がわかった。
⇐: MとNが有限生成で、Mp ≠ 0かつNp ≠ 0という仮定のもとで、Mp ⊗Rp Npから零加群でない加群に全射が存在することを示せばよい。
1. MpとNpは有限生成である。
Mが有限生成だとした仮定からある自然数mについて完全列Rm → M → 0が存在する。(50)からRm ⊗R Rp → M ⊗R Rp → 0が完全となる。mが自然数だからRm ⊗R Rp = Rpmであり、(41)からM ⊗R RpとMpは同形。したがってRpm → Mp → 0という完全列があることになり、これはMpが有限生成だということである。Npについても同様。
2. Rpは局所環である。
3. mをRpの(ただ一つの)極大イデアルとして、k = Rp / mとおくとk ⊗Rp kは零加群でない。
k × kからkへの写像で(a, b) → abなるものを考えると、これは明らかにRp双線形であり、k ⊗ kからkへの線形写像を誘導する。kにおいて1と0は異なり、1.1 = 1はこの写像の像に含まれるからk ⊗ k → kは零写像でないことになる。よってk ⊗Rp kは零加群でない。
4. Mp ⊗Rp Npからk ⊗Rp kへの全射がある。
Mpは有限生成だから極大部分加群M'を持つ(理由はこちら)。Mp / M'は単純加群だから係数環Rpの極大イデアルm'があってMp / M' = Rp /m'となっている。Rpは局所環だからm' = mであり、標準全射Mp → Mp / M'はMpからkへの全射aを誘導する。同様にしてNpからkへの全射bが存在する。
aとbからa ⊗ b: Mp ⊗Rp Np → k ⊗Rp kが定まり、テンソル積を取る操作は全射性を保つからこれは全射。
Mが有限表示だという仮定から、自然数m0とm1と
(E1) Rm1 -f0→ Rm0 → M → 0
という完全列があることになる。
反変関手HomR(•, N)をかけて
0 → HomR(M, N) → HomR(Rm0, N) -f1→ HomR(Rm1, N)
f1: g → g ◦ f0
という完全列が得られる。
任意の自然数kについてHom(Rk, N) = Nkとみなせるので、
0 → HomR(M, N) → Nm0 -f2→ Nm1
(ei)1≤i≤m1をRm1の標準基底、(e'j)1≤j≤m0をRm0の標準基底として、
f2: (y1, ..., ym0) → (f1[e'j → yj](ei))i) = (∑j f0(ei)の第j成分.yj)i
とかける。(50)と(41)から、
0 → S-1HomR(M, N) → S-1Nm0 -f3→ S-1Nm1
f3: (y1, ..., ym0) → ((∑j f0(ei)の第j成分)/1.yj)i
という完全列が得られる。
一方、(E1)と(50)、(41)から
(E2) S-1Rm1 -f4→ S-1Rm0 → S-1M → 0
f4: ei/1 → f(ei)/1
という完全列が得られ、これにHomS-1(•, S-1N)をかけて
0 → HomS-1R(S-1M, S-1N) → HomS-1R(S-1Rm0, S-1N) -f5→ HomS-1R(S-1Rm1, S-1N)
f5: g → g ◦ f4
という完全列が得られる。Hom(S-1Rk, S-1N) = S-1Nkとみなせるので
0 → HomS-1R(S-1M, S-1N) → S-1Nm0 -f6→ S-1Nm1
f6: (y1, ..., ym0) → (f5[e'j/1 → yj](ei))i) = (∑j f4(ei/1)の第j成分.yj)i = ((∑j f0(ei)の第j成分)/1.yj)i
という完全列が得られた。
S-1HomR(M, N) = Ker f2、HomS-1R(S-1M, S-1N) = Ker f6とf2 = f6よりこの二つの加群は同形である。
有限生成加群を生成する元の数についての帰納法によって示す。
Rを1を持つ可換環、Mを有限生成R加群とする。IをRのイデアルとし、IM = Mが成り立つとすれば、R = I + Ann(M)となることを示せ。Mが有限生成でないときはどうか。
1. R加群Mが1つの元によって生成される場合
あるMの元xがあってM = Rxとなっている。M = IMはM = Ixということである。とくに x ∈ Ixだから、あるi ∈ Iがあってx = ixとなっている。1 - i ∈ Ann(x) = Ann(M)であり、これは1 ∈ I + Ann(M) ⇒ R = I + Ann(M)ということである。
2.一般の場合
nを2以上の自然数とする。n - 1個の元で生成されるようなR加群については問題の主張が成り立っていたと仮定する。Mをn個の元x1、x2、...、xnで生成されるようなR加群でM = IMなるものとする。
Nをn - 1個の元x2、...、xnで生成されるMの部分加群とする。M = Rx1 + ... + RxnとM = IMより、M = Rx1 + INである。M' = M/INとおけば、これはx1の同値類[x1]INによって生成され、IM' = IM/IN = M/IN = M'であるから帰納法の仮定が適用できて、R = I + Ann(M')が従う。特に1 ∈ I + Ann(M')だからあるi' ∈ Iがあって1 - i' ∈ Ann(M') ⇒ (1 - i')M ⊂ INとなっている。
NはMの部分加群なので(1 - i')N ⊂ INとなるが、これはN ⊂ i'N + IN = IN ⇒ N = INを導く。したがってNについて帰納法の仮定が適用できて1 ∈ I + Ann(N)となり、あるj ∈ Iがあって1 - j ∈ Ann(N)となっていることが従う。(1 - j)(1 - i')M ⊂ (1 - j)IN = 0だから、1 - (i' + j - i'j) ∈ Ann(M)である。結局1 ∈ I + Ann(M)がわかったが、これが示したいことであった。
Mが有限生成でないとき:R = Z, M = Q, I = 2ZとおけばIM = Mであるが、Ann Q = {0}よりI + Ann Q = (2)はZに等しくない。
位相空間Xの被約ホモロジー群H̃q(X)をH'q(X)とかくことにする。
(1) [0 1[と[0 ∞[が同相であること
f: [0 1[ → [0 ∞[, x ↦ x / (1 - x)
g: [0 ∞[ → [0 1[, y ↦ y / (1 + y)
によって二つの空間の間の連続写像fとgを定めればこれらは互いに逆写像になっている。
(2) Hq(X2)の決定
各自然数kに対してMk = {(x, y, ...) | x < k}、M'k = {(x, y, ...) | k < x}(どちらもRnの部分集合)とおくことにする。X2の開被覆{U, V}をU = X2 ∩ M2、V = X2 ∩ M'1によって定める。(1)によってU = M2 - {p1}はRn - {0}と同相であり、V = M'1 - {p2}もそうである。再び(1)によってU ∩ V = {(x, y, ...) | 1 < x < 2}はRnと同相である。
授業でRn - {0}とSn-1がホモトピー同値なことはすでにやった。従ってH'n-1(U) = Z、H'q(U) = 0(q ≠ n - 1のとき)である。また、H'q(U ∩ V) = H'q(Rn) = 0となる。Mayer-Vietorisの完全列(交わりが空でない被覆と被約ホモロジー群についての(II'))
H'q(U ∩ V) → H'q(U) ⊕ H'q(V) → H'q(X2) → H'q-1(U ∩ V)(0 ≤ q、H'-1(U ∩ V) = 0とする)
は、
0 → Z ⊕ Z → H'n-1(X2) → 0(完全)
0 → H'q(X2) → 0(完全、q ≠ n - 1)
となる。これはH'n-1(X2) = Z2、H'q(X2) = 0(q ≠ n - 1のとき)ということである。
H'0(X2) = 0 ⇔ H0(X2) = Zであり、0 < qだったらH'q(X2) = Hq(X2)だから、H0(X2) = Z、Hn-1(X2) = Z2、Hq(X2) = 0(それ以外)がわかった。
(3) 一般のm ≥ 2についてHq(Xm)の決定
mについての帰納法によって
H0(Xm) = Z、Hn-1(Xm) = Zm、Hq(Xm) = 0(それ以外)
であることを示す。m = 2のときは(2)より確かにこうである。k < mのときにはHq(Xk)がこうなっていたと仮定する。
Xmの開被覆{U, V}を、U = Xm ∩ Mm、V = Xm ∩ M'm-1によって定める。(1)よりU = Xm-1 ∩ MmはXm-1に同相であり、V = M'm-1 - {pm}はRn - {0}に同窓である。また、U ∩ V = {(x, y, ...) | m - 1< x < m}はRnに同相。Mayer-Vietorisの完全列は
H'q(Rn) → H'q(Xm-1) ⊕ H'q(Sn-1) → H'q(Xm) → H'q-1(Rn)(0 ≤ q、H'-1(Rn) = 0とおく)
となり、帰納法の仮定から
0 → Zm-1 ⊕ Z → H'n-1(Xm) → 0(完全)
0 → H'q(Xm) → 0 (完全、q ≠ n - 1)
がわかる。これはH'n-1(Xm) = Zm、H'q(Xm) = 0(q ≠ n - 1のとき)ということであり、H'0(Xm) = 0 ⇔ H0(Xm) = Z、0 < qだったらH'q(Xm) = Hq(Xm)だから
H0(Xm) = Z、Hn-1(Xm) = Zm、Hq(Xm) = 0(それ以外)
がわかった。これが示したいことだった。
1. Rが零環でないとき、次の可換図式は各列と(I)、(III)が完全なのに(II)はそうでない:
R → Rとなっているところは全て恒等写像であり、a(x) = (x, x)、b(x, y) = x、c(x, y) = x - y、d(x) = (x, 0)である。
2. 補題:以下の可換図式において、(I)と(III)が完全で(II)は複体になっている(つまりIm(A' → B') ⊂ Ker(B' → C')ということ)という仮定のもとで、(II)は完全になる。
これを認めれば、与えられた可換図式の右3列、中央3列、左3列それぞれに対してこれが適用できて (II)の完全性が従うことになる。
補題の証明: K = Ker(B' → C')、I = Im(A' → B')とおくことにする。これらが等しいことを示す。
2-1. K ∩ Im(B → B') ⊂ Iであること
K ∩ Im(B → B') = Im(Ker(B → B' → C') → B')
= Im(Ker(B → C → C') → B') (可換性より)
= Im(Ker(B → C) → B') (0 → C → C'の完全性より)
= Im(Im(A → B) → B') (A → B → Cの完全性より)
= Im(A → B → B') ⊂ Im(B → B')
2-2. K ∩ Ker(B' → B'') + I = Kであること
pで自然射影K → K/(K ∩ Ker(B' → B''))を表し、K → B''が誘導する単射K/(K ∩ Ker(B' → B'')) → B''をfと書くことにする。Im f ⊂ Ker(B'' → C'')である。
(B'' → C'') ◦ f ◦ p = (C' - C'') ◦ (K → C') = 0
K/(K ∩ Ker(B' → B'')) = f-1(Ker(B'' → C''))
= f-1(Im(A'' → B'')) (A'' → B'' → C''の完全性より)
= f-1(Im(A' → A'' → B'')) (A' → A'' → 0)の完全性より)
= f-1(Im(A' → K → K/K ∩ Ker(B' → B'') → B'')) (I ⊂ Kをここで使った)
= f-1(Im(p(I) → B'')) = p(I)
2-1と中央の列の完全性よりK ∩ Ker(B' → B'') ⊂ Iがわかり、これと2-2からI = Kがわかる。
位相空間の圏をTop、Z加群の圏をZ-Modと書くことにする。
Z•をX ↦ ZXなる集合の圏からZ-Modへの共変関手とする。
Hom(•, Z)をM ↦ Hom(M, Z)なるZ-ModからZ-Modへの反変関手とする。
(1)TopからZ-Modへの反変関手Z•の構成
各位相空間XについてZXは問題文の通りのZ加群とする。
位相空間の間の連続写像f: X → Yが与えられたとする。
ZYからZXへの写像を
Zf: a ↦ a ◦ f
によって定める。任意のa, b ∈ ZYについて
(a + b) ◦ f = a ◦ f + b ◦ f
だからZ(a + b) = Z(a) + (b)であり、Zfは可換群の(つまりZ加群の)準同型である。
恒等写像が恒等写像にうつることと、写像の合成についてZ•が反変的に作用するのは明らか。
(2)TopからZ-Modへの反変関手Gの構成
位相空間Xの連結成分全体の集合π̆0(X)をπ0'(X)と書くことにする。位相空間の間の連続写像f: X → Yが与えられたとする。Xの任意の連結成分Aについてf(A)は(連結集合の像なので)連結である。よってこれを含むY連結成分BAが存在する。しかもこれは一意的に定まる。このA ↦ BAという写像をπ0'(f)と書くことにする。この対応によってTopから集合の圏への共変関手π0'が得られる。
GをHom(•, Z) ◦ Z• ◦ π0'という合成関手とする。これは反変関手である。また、任意の位相空間XについてG(X) = Hom(Zπ0'(X), Z)は定義から明らか。
(3)Z加群の準同型φX: ZX → G(X)の構成
Xを位相空間、aをZXの元とする。C ⊂ Zが連結であることと、Card C = 1であることは同値で、任意のD ∈ π0'についてa(D)は連結だからただ一つの元nDにより構成されている。D ↦ nDがπ0'(X)からZへの写像になるので、それはZπ0'(X)からZへの準同型、つまりG(X)の元を一意的に定める。この元をφX(a)と書くことにする。
a, b ∈ ZX、D ∈ π0'Xとする。a(D) = {mD}, b(D) = {m'D}とおけば、(a + b)(D) = {mD + m'D}だからφX(a + b)(D) = φ(a)(D) + φX(b)(D)。 Dは任意だったからφX(a + b) = φ(a) + φX(b)がわかった。これでφXはZ加群の準同型であることがわかった。
(4)φ•がZ•とGの間の自然変換になること
f: X → Yを位相空間の間の連続写像としたとき、φX ◦ Zf = G(f) ◦ φYであることを示せばよい。aをZYの元とする。a' = φX ◦ Zf(a)とa'' = G(f) ◦ φY(a)がπ0'(X)上一致することを示す。DをXの連結成分とする。
a'(D) = Zf(a)(x) (x ∈ D)
= a ◦ f(x) (x ∈ D)
a''(D) = φY(a)(E) (Eはf(D)を含む連結成分)
= a(y) (y ∈ E、Eはf(D)を含む連結成分)
= a(f(x)) (x ∈ D)
だからa'(D) = a''(D)がわかった。これが示したいことであった。
(5)Xが局所連結な位相空間のときφXが全単射になること
φXの単射性は一般的に成り立つ。(Ker φX = {0}だから)
全射性を示す。
aをG(X)の元とする。各x ∈ Xに対してfa(x) = a(xの連結成分)とおけばこれはXからZへの写像を定義する。このfaが連続写像であることを示せばよい。そのためには各n ∈ Zに対してfa-1({n})がXの開集合であることを示せばよい。任意のx ∈ fa-1({n})に対してxの近傍Vで、fa-1({n})に含まれるものが存在することを示す。Vを連結なxの近傍ととる。fa(V)はZの連結部分集合なのでただ一つの元からなるが、n ∈ fa(V)はわかっているからfa(V) = {n}であり、V ⊂ fa-1({n})である。これで証明おわり。
・(M + N)/NとM/(M ∩ N)が同型であること
M → M + N → (M + N)/N(一本目は自然な埋め込み、二本目は標準全射)
の合成M → (M + N)/Nの核はM ∩ Nである。準同型定理から
M/M ∩ N → (M + N)/N
という単射が得られるが、任意のx ∈ Mとy ∈ Nについて[x]M ∩ N ↦ [x]N = [x + y]Nだからこれは全射でもある。よって(M + N)/NとM/(M ∩ N)が同型であることがわかった。
・(5)のステートメントの証明
M + Nが有限生成であるという仮定から(M + N)/Nもそうである。よってM/M ∩ Nは有限生成である。M ∩ Nが有限生成であるという仮定から、Mの部分加群M ∩ Nとそれによる剰余加群に(4)を適用できて、Mが有限生成であることがわかる。Nについても同様。
mを0でないMの元、x ∈ Rをその代表元とする。m ≠ 0よりx ∉ P1 ∩ P2である。
1. x ∈ P1 - P2のとき
標準全射R → R/P2の下でのxの像を[x]と書くことにする。剰余加群のuniversalityによって定まるM → R/P2の下で、mは[x]に写される。また、x ∉ P2という仮定から[x] ≠ 0である。
aをAnn(m)の元とする。0 = a.mはM → R/P2の下でa[x]に写されるからa ∈ Ann([x])である。(4)によって、a ∈ P2だから、Ann(m) ⊂ P2がわかった。a ∈ P2だったらa.m = [a.x]で、a.x ∈ P1P2 ⊂ P1 ∩ P2だからa ∈ Ann(m)である。したがってAnn(m) = P2がわかった。
2. x ∈ P2 - P1のとき
1.と同様にしてAnn(m) = P1。
3. x ∉ P1 ∪ P2のとき
a ∈ Ann(m)だったらa.x ∈ P1 ∩ P2 ⊂ P1とx ∉ P1よりa ∈ P1である。同様にしてa ∈ P2も従うので、Ann(m) ⊂ P1 ∩ P2がわかった。
a ∈ P1 ∩ P2だったらa.x ∈ P1 ∩ P2 ⇒ a.m = 0よりa ∈ Ann(m)である。したがってAnn(m) = P1 ∩ P2がわかった。
P1とP2の間に包含関係がないということはP1 - P2もP2 - P1も空でないということであり、場合1と2は両方とも起こる。また1R ∉ P1 ∪ P2なので場合3も起こる。従って{Ann(m) | 0 ≠ m ∈ M} = {P1, P2, P1 ∩ P2}であることがわかった。
XとYを位相空間、(Aλ)λ∈Λを局所有限なYの閉被覆、(fλ : Aλ → X)λ∈Λを連続関数の族でfλ|Aλ ∩ Aμ = fμ|Aλ ∩ Aμなるものとする。Λの各元λについてAλの上でfλと一致するようなYからXへの写像fは一意的に定まる。このfが連続であることを示せばよいが、そのためにはXの任意の閉集合Fについてf-1(F)がYの閉集合であることを示せばよい。
f-1(F) = ∪λ∈Λ fλ-1(F)の閉包がf-1(F)に等しいことを示す。yをf-1(F)の集積点とする。(Aλ)λ∈Λの局所有限性により、yの近傍Vで、M = {μ ∈ Λ | V ∩ Aμ ≠ ∅}が有限集合であるようなものが存在する。Wをyの任意の近傍とする。W ∩ Vはyの近傍なので∪λ∈Λ fλ-1(F)と交わるが、一方でW ∩ VはVの部分集合なのでλ ∉ M ⇒ W ∩ V ∩ fλ-1(F) = ∅である。よってW ∩ Vは∪μ∈M fμ-1(F)と交わることがわかった。よってyの任意の近傍Wは∪μ∈M fμ-1(F)と交わる、つまりyは∪μ∈M fμ-1(F)の集積点であることがわかった。
各μ ∈ Mについて(閉集合の閉集合である)fμ-1(F)はYの閉集合であり、したがってそれらの有限合併である∪μ∈M fμ-1(F)もそうである。よってyは∪μ∈M fμ-1(F)の元であり、結局y ∈ ∪λ∈Λ fλ-1(F)がわかった。これが示したかったことである。