このページには山下真@数学科3年が昔演習の時間に前で解いた問題たちについての補足や訂正や解説をおいています。
演習の時間に前で問題を解くときに、口が滑ってメモと違うことを言ったり、思い違いをしていたりで間違っていることがたくさんあるので、記号の意味が分からんとか、記号間違いを見つけたとか、僕がいったことがおかしい・たどりにくいと思ったらその場ででも、あとでメールででもいいから教えてください。わかりにくいことは説明します。
昔解いた問題で、ここがわからなかったから教えろ、みたいなリクエストもどうぞ。
記号がちゃんと表示されてなさそうだ、というのも教えてください。
6章§2で構成した被覆写像λ: H → C - {0, 1} = Dと、C1 = 虚軸、C2 = 1/2中心の半径1/2の円、C3 = 実部1という直線、C2' = C1によるC2の鏡像、C3' = C1によるC3の鏡像について、
(1) C1に関する鏡像とC2'に関する鏡像の合成は
T1: z ↦ z / (-2z + 1)
(2) C1に関する鏡像とC3'に関する鏡像の合成は
T2: z ↦ z - 2
(3) T1, T2 ∈ Aut(H)を表すSL(2; R)の元A1, A2を求めよ。
(4)
とおく。Γ(2)は±A1, ±A2で生成される。Γ(2)は正規部分群(SL(2; Z)†の)である。
(5) z, z' ∈ Hに対し、g ∈ Γ(2)があってg(z) = z'(Tg(z) = z'のこと)となるときz ~ z'とかくと、これは同値関係になり、この意味でD = H/Γ(2)
†: 原文ではSL(2; R)となっているがそうではないことを解答中に示す。
(4) {A1, A2, -I} ⊂ Γ(2)は明らか。Gで、{A1, A2, -I}が生成するΓ(2)の部分群を表すことにする。まずΓ(2) ⊂ Gを示す。
注意:1) Γ(2) ⊂ SL(2; Z)である。また、整数a, b, c, dについて
だったらaとcは互いに素(最大公約数が1)である。
2) 任意の整数kについて
である。
補題1:任意のA ∈ Γ(2)に対し、あるg ∈ Gが存在して|[g.A]11|も|[g.A]12|も1以下になっている。
証明:背理法による。e = ming∈G max{|[g.A]11|, |[g.A]12|}とおき、hをeに対応するGの元とする。eが1より大きかったと仮定する。|det h.A| = 1より、このとき[g.A]11と[g.A]12はともに0でないはずである。また上の注意によって|[g.A]11|と|[g.A]12|は互いに素だから、等しくない。
まず、f = |[g.A]11| < |[g.A]12| = eとなっていた場合を考える。
mを0 < e - 2m.fが成立するような最大の自然数とする。e - 2m.f ≤ fでなかったら、(この式を移項して)2(m + 2)f - e < fである。これは、nを±m, ±(m + 1)の中から適当に選んだとき、
というGの元h'について、h'.h.Aの第一列目の成分たち(fとe + 2n.f)の絶対値が両方ともf以下、従ってeより小さくなるようにできるということである。これはeの定義に矛盾する。
f = |[g.A]12| < |[g.A]11| = eとなっていた場合も同様である。
補題1によって、任意のA ∈ Γ(2)に対し、あるg ∈ Gとk ∈ Zがあって
,
,
となっている。g ∈ G ⊂ Γ(2)だからg.AはΓ(2)の元のはずなので、あとの2種類はあり得ないし、kは偶数であることになる。つまり、ある整数nがあって
であることがわかった。これはΓ(2) ⊂ G(⇒Γ(2)は±A1、±A2で生成される)ということである。
次に、Γ(2)がSL(2; Z)の正規部分群であることを示す。{A1, A2, -I}がΓ(2)を生成することはわかっているから、これらの元のSL(2; Z)-共役元たちがすべてΓ(2)に含まれることを示せばよい。
を行列式が1の行列とすると、直接的な計算によって
がわかるが、これは{a, b, c, d} ⊂ Zだったらh.A1.h-1, h.A2.h-1 ∈ Γ(2)ということである。-Iについては明らか。
注意:3) Γ(2)はSL(2; R)の正規部分群ではないことが、
よりわかる。
(5) λ(z) = λ(z')とz ~Γ(2) z'が同値であることを示せばよい。補題2:gを直線または円に関する鏡映変換、Cを直線または円、hをCに関する鏡映変換とする。g(C)に関する鏡映変換は g◦h◦g-1に等しい。
Γ(2)はλを定義するのに使った鏡映変換(の一部)で生成されているからz ~Γ(2) z'だったらλ(z) = λ(z')であるのは明らか。あとはλ(z) = λ(z')だったらz ~Γ(2) z'となっていることを示せばよい。さらにzはλの基本領域
に含まれているとしてよい(理由はこちら)。kを、λ(z')の値が2k回の鏡映変換によってていぎされているような自然数とする。kについての帰納法で題意を示す。k = 0のときはz = z'なので題意は自明な言明になる。
nを自然数とする。k = nのときまでは題意が成り立っているとする。λ(z')が2(n + 1)回の鏡映変換で定義されていたとする。z''を、λ(z'')が2n回の鏡映変換で定義されていて、2回の鏡映変換でz'に移るような複素数とする。帰納法の仮定によってあるg ∈ Γ(2)があってz'' = g(z)となっている。z''をz'に移す操作に応じて場合分けをする。
(i) 「z''のg(C1)についての鏡像」の、「C2の像」についての鏡像がz'になっているとき
(ii) 「z''のg(C1)についての鏡像」の、「C3の像」についての鏡像がz'になっているとき
(iii) 「z''のg(C2)についての鏡像」の、「C1の像」についての鏡像がz'になっているとき
(iv) 「z''のg(C2)についての鏡像」の、「C3の像」についての鏡像がz'になっているとき
(v) 「z''のg(C3)についての鏡像」の、「C1の像」についての鏡像がz'になっているとき
(vi) 「z''のg(C3)についての鏡像」の、「C2の像」についての鏡像がz'になっているとき
(i)のとき:補題2によって、
z' = ((g◦C1◦g-1)◦(g◦C2◦g-1)◦(g◦C1◦g-1)-1)◦(g◦C1◦g-1)(z'') = g◦C1◦C2◦C1◦C1◦g-1(z'') = g◦C2'◦C1(z) = g◦T1(z)
となるからz ~ z'がわかった。
(ii)のとき:上と同様にして
z' = ((g◦C1◦g-1)◦(g◦C3◦g-1)◦(g◦C1◦g-1)-1)◦(g◦C1◦g-1)(z'') = g◦C1◦C3◦C1◦C1◦g-1(z'') = g◦C3'◦C1(z) = g◦T2(z)
(iii)のとき:
z' = ((g◦C2◦g-1)◦(g◦C1◦g-1)◦(g◦C2◦g-1)-1)◦(g◦C2◦g-1)(z'') = g◦C1◦C1◦C2◦C1◦g-1(z'') = g◦C1◦C2'(z) = g◦T1-1(z)
(iv)のとき:
z' = ((g◦C2◦g-1)◦(g◦C3◦g-1)◦(g◦C2◦g-1)-1)◦(g◦C2◦g-1)(z'') = (g◦C2◦C3◦g-1(z'') = g◦C1◦C1◦C2◦C1◦C1◦C3◦C1◦C1(z) = g◦C1◦C2'◦C3'◦C1(z) = g◦T1-1◦T2(z)
(v)のとき:
z' = ((g◦C3◦g-1)◦(g◦C1◦g-1)◦(g◦C3◦g-1)-1)◦(g◦C3◦g-1)(z'') = (g◦C3◦C1◦g-1(z'') = g◦C1◦C1◦C3◦C1(z) = g◦C1◦C3'(z) = g◦T2-1(z)
(vi)のとき:
z' = ((g◦C3◦g-1)◦(g◦C2◦g-1)◦(g◦C3◦g-1)-1)◦(g◦C3◦g-1)(z'') = (g◦C3◦C2◦g-1(z'') = g◦C1◦C1◦C3◦C1◦C1◦C2◦C1◦C1(z) = g◦C1◦C3'◦C2'◦C1(z) = g◦T2-1◦T1(z)
となって、すべての場合でz ~Γ(2) z'が成り立っていることがわかった。
Gをリー群(多様体であり、群の演算がC∞級であるもの)とする。
(1) G上のベクトル場で任意のg ∈ Gに対し、(Lg)*ξ = ξを満たすものを、左不変ベクトル場という。G上の左不変ベクトル場全体gはdim G次元のベクトル空間になることを示せ。(gをGのリー環と呼ぶ。)
(2) ξ, ηを左不変ベクトル場とするとき、[ξ, η]も左不変ベクトル場であることを示せ。
(3) 1をGの単位元とする。左不変ベクトル場ξが生成する1パラメーター変換群をφtと書くとき、任意のg ∈ Gに対し、φt(g) = gφt(1)を示せ。(φt(1) = exp(tξ)と書く。)
(4) ξに対し、exp(ξ)を対応させる写像は、gの0の近傍からGの1の近傍への微分同相写像であることを示せ。(逆関数定理を使う。)
(1) Lh(ξ) = ξはξ(f(h.•))(h-1.x) = ξ(f)(x)ということである。T1Gは次元がdim G(= nとおく)に等しいベクトル空間だから、左不変なベクトル場全体の空間gからT1Gへの線形写像
α: ξ → ξ1
が同型写像であることを示せばよい。βでT1Gの元ζに対しβ(ζ)(f)(h) = ζ(f(h.•))なるTGの元を対応させる写像を表すことにする。
β(ζ)(f(h.•))(h-1.x) = ζ(f(h.h-1.x.•)) = ζ(f(x.•)) = β(ζ)(f)(x)
だからIm β ⊂ gである。α◦β = idT1Gは明らか。
ξ(f)(h) = ξ(f(h.•))(h-1.h) = ξ(f(h.•))(1) = β(α(ξ))(f)(h)だからβ◦α = idgである。これでαとβは互いに逆写像になっていることがわかった。
(2) (Lh)*[ξ, η] = [(Lh)*ξ, (Lh)*η]を示す。
((Lh)*[ξ, η]) (f) = ([ξ, η](f◦Lh))◦Lh-1
= (ξ◦η(f◦Lh) - η◦ξ(f◦Lh))◦Lh-1
= ((ξ◦η)(f◦Lh))◦Lh-1 - ((η◦ξ)(f◦Lh))◦Lh-1
= (ξ(η(f◦Lh)◦Lh-1◦Lh))◦Lh-1 - (η(ξ(f◦Lh)◦Lh-1◦Lh))◦Lh-1
= ((Lh)*ξ)(η(f◦Lh)◦Lh-1) - ((Lh)*η)(ξ(f◦Lh)◦Lh-1)
= ((Lh)*ξ)((Lh)*η(f)) - ((Lh)*η)((Lh)*ξ(f))
= [(Lh)*ξ, (Lh)*η](f)
だから確かにそうである。
(3) 一般のベクトル場ξと対応するフローφt(x)について、(Lh)*ξに対応するフローはh.φt(h-1.x)であることを示せば、x = hとおいたときに題意が従うことになる。
h.φt0+t1(h-1.x) = h.φt0(φt1(h-1.x)) = h.φt0(h-1.h.φt1(h-1.x))だからこれは確かにフローにであり、limt→0 (f(h.φt(h-1.x)) - f(x)) / t = ξ(f(h.•))(h-1.x) = (Lh)*ξ(f)(x)だからこのフローは(Lh)*ξに対応している。
(4) exp: g → G, 0 → 1Gが誘導するexp*: T0g → T1Gが階数nであることを示す。
1Gの近傍が1G = (0, 0, ..., 0)となるように(x1, x2, ..., xn)で座標付けされているとする。gとT1Gを同一視し((1)のやり方で)、するとT0g ≅ T0(T1G) となる。T1Gに∑ ai∂i → (a1,..., an)で座標を入れ、この座標を(ei)i座標と呼ぶことにする。T0(T1G)を、∑ ai∂ei → (a1, a2, ..., an)によってRnと同一視する。
一方で、(exp*の値域と思った)T1Gを(ei)i座標∑ ai∂i → (a1, a2, ..., an)によってRnと同一視すれば、結局exp*: Rn ≅ T0(T1G) ≅ T0g → T1G ≅ Rnと見なせることになる。これがRnについての恒等写像(従って階数n)になることを、つまり(ei)i座標でかいたら(y1,..., yn)になるT0gの元ξ = β(∑ yi∂ei)がexp*の下で、(xi)i座標でかいたら(y1,..., yn)になるT1Gの元ζ = ∑ yi∂iに対応することを示す。
ξに対応するフローは0 ∈ gにおいてt → (t.y1,..., t.yn) = t.∑ yi∂i = t.ζという写像になる。また、ζに対応するフローをφt(u)とおく。実数rについて、r.ζに対応するフローは(t, u) → φr.t(u)になる。
s G上の実関数fについて、exp*(ξ)(f)|1G = ξ(f◦exp)(0) = limr→0 (f◦exp(r.y1.∂1 + ...+ r.yn.∂n) - f◦exp(0)) / r = limr→0 (f(φr(1G)) - f(1G)) / r = ζ(F)|1Gとなる。
記法:全体集合について混乱のないとき、その部分集合Mの補集合を Mc で表すことにする。
Rを可換環とし、X = Spec R = {Rの素イデアル}とおく。
(i) RのイデアルIにたいしV(I) = {p ∈ Spec R | I ⊂ p}とおく。{V(I) | IはRのイデアル}を閉集合全体と定めることによりXは位相空間となることを示せ。
(ii) f ∈ RにたいしD(f) = {p ∈ X | f ∉ p}はXの開集合であることを示せ。
(iii) X = Spec Rが連結であるためにはRの元eでe2 = eを満たすものはe = 0, 1だけであることが必要十分であることを示せ。
(iv) f: R → R'を可換環の準同型とする。写像f*: Spec R' → Spec Rをf*(p) = f-1(p)で定めるとこれは連続であることを示せ。
(v) IをRのイデアルとし、π: R → R/Iを標準全射とする。π*: Spec R/I → Spec Rは位相同型Spec R/I ≅ V(I)をひきおこすことを示せ。
(vi) f ∈ Rにたいし、i: R → R[1/f] = Sf-1Rを標準車像とする。ただしSf = {fn | n ∈ N}とする。i*: Spec R[1/f] → Spec Rは位相同型Spec R[1/f] ≅ D(f)をひきおこすことを示せ。
(i) F ⊂ 2Xが閉集合系の公理
(F1) AがFの部分集合だったら∩A ∈ F
(F2) AがFの有限部分集合だったら∪A ∈ F
を満たすことと、Fが(F1)に加えて
(F'2-0) ∅ ∈ F
(F'2-1) aとbがFの元だったらa ∪ b = ∪{a, b} ∈ F
を満たすことは同値である。FR = {V(I) | IはRのイデアル}が(F1)と(F'2-0)と(F'2-1)を満たすことを示す。
(1) (F1)を満たすこと
(Ij)j∈JをRのイデアルの族とするとき、∩j∈JV(Ij) = V(∑j∈JIj)であることを示せば∩j∈JV(Ij) ∈ FRが従うことになるが、
p ∈ ∩j∈JV(Ij) ⇔ ∀j∈J p ∈ V(Ij) ⇔ pはRの素イデアルで∀j∈J Ij ⊂ p ⇔ pはRの素イデアルで∑j∈JIj ⊂ p ⇔ p ∈ V(∑j∈JIj)
だから確かにそうである。
(2) (F'2-0)を満たすこと
V(R) = {p | pはRの素イデアルでR ⊂ p} = ∅だから。
(3) (F'2-1)を満たすこと
IとJをRのイデアルとするとき、V(I) ∪ V(J) = V(I ∩ J)であることを示せばよい。
p ∈ V(I) ∪ V(J) ⇒ I ⊂ pかJ ⊂ p ⇒ I ∩ J ⊂ p ⇒ p ∈ V(I ∩ J)
だからV(I) ∪ V(J) ⊂ V(I ∩ J)である。あとは(V(I) ∪ V(J))c ⊂ V(I ∩ J)cを示せばV(I ∩ J) ⊂ V(I) ∪ V(J)が従う。p ∈ (V(I) ∪ V(J))c = V(I)c ∩ V(J)cだったらI ⊄ pかつJ ⊄ pである。i ∈ I - pとj ∈ J - pをとれば、pが素であることからI ∩ Jの元i.jはpに含まれない。よってI ∩ J ⊄ pでp ∈ V(I ∩ J)cとなって(V(I) ∪ V(J))c ⊂ V(I ∩ J)cがわかった。
(ii) D(f)の補集合がSpec Rの閉集合(あるイデアルIについてのV(I))であることを示せばよい。ところでD(f)c = {p | pはRの素イデアルでf ∈ p} = {p | (f) ⊂ p} = V((f))だから確かにそうである。
(iii)
rad R
でRの冪零元全体の集合{u | ∃n ∈ N un = 0}を表すことにする。
補題1:V(I) = Spec R ⇒ I ⊂ rad Rである。
証明:I ⊄ rad R ⇒ Spec R ⊄ V(I)を示す。
uをI - rad Rの元とする。SuでRの積閉部分集合{un | n ∈ N}を表すことにする。uの取り方から0 ∉ Suである。よって1/u ≠ 0/uとなってSu-1Rは零元以外の元を含む。よってSu-1Rには極大イデアルmがある。mは素イデアルであることに注意。
i: R → Su-1R, a → a/1
なる準同型によるmの逆像をm'とかけばこれは素イデアルの(環の準同型の下での)逆像だから素イデアルである。i(u)はSu-1Rの可逆元だからi(u) ∉ mで、したがってu ∉ m' ⇒ I ⊄ m' ⇒ m' ∉ V(I)がわかった。
Rがe ∉ {0, 1}だったらe2 ≠ eであるような環だったとする。Spec Rが連結であることを示す。
V(I) ∪ V(J) = Spec Rだったら補題1によってI ∩ J ⊂ rad Rで、さらにV(I) ∩ V(J) = ∅だったらI + J = Rということである。そのときe1 ∈ Iとe2 ∈ Jがあってe1 + e2 = 1となっている。e1.e2 ∈ I ∩ J ⊂ rad Rなので、ある自然数nが存在して(e1.e2)n = 0となっている。1 - e2nは1 - e2 = e1で割り切れ、e'1 = (1 - e2n)nとおけばこれはe1nの倍数だからIの元である。e'2 = 1 - e'1 = -((1 - e2n)n - 1)とおけばこちらはe2nの倍数だからJの元である。e'1 - e'12 = e'1(1 - e'1) = e'1.e'2は(e1.e2)n = 0の倍数だから0である。Rについての仮定によってe'1は1か0のどちらかである。これはI = RかJ = Rということで、結局V(I) ∪ V(J) = Spec RかつV(I) ∩ V(J) = ∅だったらV(I) = ∅かV(J) = ∅だということがわかった。よってSpec Rは連結である。
e ∉ {0, 1}でe2 = eなるeがあったとする。Spec Rが連結でないことを示す。
まず1 - e ∉ {0, 1}と(1 - e)2 = 1 - eも成り立つことに注意。I = R.e、J = R.(1 - e)とおいたらe1 = e、e2 = 1 - eによって演習3-(9)の条件(3)が(e1.e2 = e1 - e12 = 0だから)満たされるのでI + J = RかつI ∩ J = {0}がわかる。
よってV(I) ∩ V(J) = V(R) = ∅、V(I) ∪ V(J) = V({0}) = Spec Rが従う。ここで、任意のa ∈ Rについてr.e1 ≠ 1(r.e1 = 1だったらe = r.e12 = r.e1 = 1となって矛盾する)だからI ≠ Rである。同様にしてJ ≠ Rである。よってV(I)もV(J)も空でない(V(I)にはIを含むようなある極大イデアルが入っているから)。よってSpec Rは互いに交わらない二つの閉(開でもある)集合の合併で、つまり連結でないことがわかった。
(iv) f*の下での閉集合の逆像が閉集合になることを示す。JをRの任意のイデアルとする。
f*-1(V(J)) = {q ∈ Spec R' | f*(q) ∈ V(J)} = {q | J ⊂ f-1(q)}
だが、一番右の集合がV(R'.f(J))に(R'.f(J)はf(J)が生成するR'のイデアル)等しいことを示す。
J ⊂ f-1(q)だったらf(J) ⊂ f(f-1(q)) ⊂ qで、qはイデアルだからR'.f(J) ⊂ q。一方R'.f(J) ⊂ qだったらf(J) ⊂ qだからJ ⊂ f-1(f(J)) ⊂ f-1(q)である。
(v) qをR/Iの素イデアルとする。π*(q) = π-1(q)は素イデアルの逆像だから素イデアルで、 0 ∈ qだからI ⊂ π*(q) ⇒ π*(q) ∈ V(I)である。まずπ*がSpec R/IからV(I)の上への全単射であることを示す。
pをV(I)の元とする。πp: R → R/pの核はIを含む(I ⊂ pだから)ので、図式
が可換になるような準同型π'pが一意的に存在する。R/pは整域(pが素だから)なのでπ'pの核はR/Iの素イデアルである。よってp → Ker π'pはV(I)からSpec R/Iへの写像になる。この写像をφと書くことにする。φとπ*が互いに逆写像になっていることを示す。
上の図式が可換だからπ-1(Ker π'p)はπpの核、つまりpに等しい。これはπ*◦φがV(I)の恒等写像だということである。
qをSpec R/Iの元とする。可換図式
において上の行の準同型の核はπ-1(q)でπが全射だから下の行の準同型の核はπ(π-1(q)) = qである。これはφ◦π*がSpec R/Iの恒等写像だということである。
ここまででπ*はSpec R/IからV(I)の上への連続全単射写像であることがわかったので、あとはπ*が閉写像であることを示せばSpec R/Iの閉集合たちはV(I)の閉集合たちに移ることになって題意が示される。
左の可換図式はSpecをとると右の可換図式になるが、上の行の連続写像の像はV(π-1(J))で、下の行の連続写像の像はV(J)である。これはV(π-1(J)) = π(V(J))ということである。
(vi) Rの積閉部分集合SについてD(S) = {p ∈ Spec R | p ∩ S = ∅}とおく。D(Sf) = D(f)((ii)の記号の意味で)である。Rの任意の積閉部分集合Sについてi: R → S-1Rが位相同型Spec S-1R → D(S)を引き起こすことを示す。
まず、qをS-1Rの素イデアルとする。Sの元の像はS-1Rの可逆元だからqに含まれないので、Sの元はi-1(q) = i*(q)に含まれない。つまりi*(q) ∈ D(S)がわかった。i*がSpec S-1RからD(S)の上への全単射であることを示す。
pをD(S)の元とする。R/pは整域でR → R/pの下でのSの元の像は0でない(p ∩ S = ∅だから)。F(R/p)でR/pの商体を表すことにすればSの元のR → R/p → F(R/p)の下での像は可逆元である。よって
が可換になるような準同型i'pが一意的に存在する。F(R/p)は体(特に整域)なのでi'pの核はS-1Rの素イデアルである。よってp → Ker i'pはD(S)からSpec S-1Rへの写像になる。この写像をψと書くことにする。ψとi*が互いに逆写像になっていることを示す。
i*◦ψがD(S)の恒等写像であるのは先ほどと全く同じ論法による。
qをSpec S-1Rの元とする。
πq◦iの核はi*(q)だからR/i*(q)について準同型定理を適用して上の図式が中央の列について可換になる単射がある。よってR/i*(q)の商体からS-1R/qの商体へ上の図式が可換になるような準同型jがある。
Sの元たちのF(S-1R/q)の中での像は可逆だからS-1RのuniversalityによってS-1R → F(S-1R/q)があることになるが、これはj◦i'i*(q)で、一方では下の行の準同型に等しい。よってj◦i'i*(q)の核は下の行の核qに等しいことがわかった。jは単射だからこれはi'i*(q)の核がqであるということで、それはψ◦i*がSpec S-1Rの恒等写像だということである。
ここまででi*はSpec S-1RからD(S)の上への連続全単射写像であることがわかったので、あとはi*がD(S)の上に誘導された位相について閉写像であることを示せばSpec S-1Rの閉集合たちはD(S)の閉集合たちに移ることになって題意が示される。
JをS-1Rのイデアルとする。i*(V(J)) = Im i* ∩ V(i-1(J)) = D(S) ∩ V(i-1(J))を示す。可換図式
において中央の列は単射だから右の列も単射。
これは右の可換図式でπ(S)-1(R/i-1(J)) → (S-1R)/Jが全単射だということである。Specをとると左の可換図式が得られる。これはi*(V(J)) = π*(D(π(S))) = D(S) ∩ V(i-1(J))ということである(p ∈ D(S) ∩ V(i-1(J))かつあるs ∈ Sの像がπ*-1(p)に入っていたとするとあるj ∈ Jがあってs - j ∈ p ⇒ s ∈ pとなってしまい矛盾する)。
(v) π*の像がV(I)であること
qをR/Iの素イデアルとする。π*(q) = π-1(q)は素イデアルの逆像だから素イデアルで、 0 ∈ qだからI ⊂ π*(q) ⇒ π*(q) ∈ V(I)である。
pをV(I)の元とする。πが全射だからπ(p)はR/Iのイデアルである。またπ-1(π(p)) = p + I = p(I ⊂ pだから)である。つぎにがπ(p)素であることを示す。aとbをπ(p)cの元、αとβをπ(α) = a、π(β) = bなるRの元とする。αもβもpの元ではないからα.β ∉ pで、π-1(π(p)) = pよりa.b = π(α.β) ∉ π(p)がわかった。よってπ(p) ∈ Spec R/Iでπ*(π(p)) = pである。
ここまででπ*はSpec R/IからV(I)の上への連続全単射写像であることがわかったので、あとはπ*が閉写像であることを示せばSpec R/Iの閉集合たちはV(I)の閉集合たちに移ることになって題意が示される。
JをR/Iのイデアルとする。π*(V(J)) = V(π-1(J))を示す。
p ∈ π*(V(J)) ⇔ ∃q ∈ V(J): p = π*(q) ⇔ ∃q ⊃ J: p = π-1(q) ⇒ π-1(J) ⊂ p ⇔ p ∈ V(π-1(J))
だからπ*(V(J)) ⊂ V(π-1(J))である。一方π-1(J) ⊂ pだったらπの全射性によってJ ⊂ π(p)で、I ⊂ π-1(J)よりI ⊂ pだから上の議論によってπ(p) ∈ Spec R/Iでπ*(π(p)) = pとなるのでV(π-1(J)) ⊂ π*(V(J))がわかった。
(vi) i*の像がD(f)であること
qをSf-1Rの素イデアルとする。f/1はSf-1Rの可逆元だからf/1 ∉ qで、従ってf ∉ i-1(q) = i*(q)、つまりi*(q) ∈ D(f)がわかった。
pをD(f)の元とする。i(p)がSf-1Rにおいて生成するイデアルをJpとおけば
Jp = {a/fn | a ∈ pかつn ∈ N}
である。 Rの任意の元bについてi(b) = b/1 ∈ Jpだったら∃a ∈ p, m ∈ N: b/1 = a/fm ⇔ ∃n ∈ N: b.fm+n = a.fnということで、このときb.fm+n ∈ pからb ∈ pとなるのでi-1(Jp) = p(⊃は明らか)がわかった。
Jpは素イデアルであることを示す。i-1(Jp) = pよりJpはproperだから、Jpcが乗法で閉じていること、つまりaとbをpcの元、n0とn1を自然数としたとき、(a/fn0).(b/fn1) ∉ pを示せばよい。a.b ∉ pとi-1(Jp) = pよりa.b/1 ∉ Jpだが、a.b/1 = (fn0+n1/1).(a/fn0).(b/fn1)だから(a/fn0).(b/fn1) ∉ Jpでなければならない。
これでJp ∈ Spec Sf-1Rが、 したがってp = i-1(Jp) = i*(Jp) ∈ i*(Spec Sf-1R)がわかった。
ここまででi*はSpec Sf-1RからD(f)の上への連続全単射写像であることがわかったので、あとはi*が開写像であることを示せばSpec Sf-1Rの開集合たちはD(f)の開集合たちに移ることになって題意が示される。
IをSf-1の任意のイデアルとする。i*(V(I)c) = V(i-1(I))cを示す。
pをi*(V(I)c)の元とする。
p ∈ i*(V(I)c) ⇔ ∃q ∈ V(I)c: p = i*(q) ⇔ ∃q ⊅ I: p = i-1(q) ⇔ ∃q, I: j ∈ I - qかつp = i-1(q)
だから、このjの表現をa/fn(aはRの元、nは自然数)とすればa/1 = (fn/1).j ∈ I - q(qが素だから)となってa ∉ pがわかった。よってp ∈ V(i-1(I))cが、したがってi*(V(I)c) ⊂ V(i-1(I))cがわかった。
pをV(i-1(I))cの元とする。i-1(Jp) = pよりi-1(I) - pの元aについてi(a) = a/1 ∉ Jpである。よってi(i-1(I)) ⊄ Jpがわかったが、i(i-1(I)) ⊂ IだからI ⊄ Jpで、Jp ∈ V(I)cである。よってp = i*(Jp) ∈ i*(V(I)c)。
補足:(iii)で使った補題1はステートメントをみればわかるようにe2 = eなeたちとは関係ない一般的な命題で、反対向きのI ⊂ rad R ⇒ V(I) = Spec Rも成り立ちます。つまりrad R = ∩ {p | pはRの素イデアル}ということで、こちらをrad Rの定義とする流儀もあります。
環AとAからR/I1への準同型q1とAからR/I2への準同型q2の組(A, q1, q2):
について、「任意の環BとBからR/I1への準同型f1およびBからR/I2への準同型f2
に対して、
が可換となるような準同型f: B → Aが一意的に存在する」という条件を考える。(A, q1, q2)と(A', q'1, q'2)の2つの組が上の条件を満たすとしたら、上の条件によって定まるAからA'への写像は同型写像になる。
p1で第一成分への射影R/I1 × R/I2 → R/I1を、p2で第一成分への射影R/I1 × R/I2 → R/I2を表すことにすると、(R/I1 × R/I2, p1, p2)は上の条件を満たす。
そこで、π1で射影R → R/I1を、π2で射影R → R/I2を表すことにしたとき、(R, π1, π2)も上の条件を満たすことを示せば、
が可換な同型写像φ: R → R/I1 × R/I2が得られることになる。
環BとBからR/I1への準同型f1およびBからR/I2への準同型f2
が与えられたとする。 Bの各元bに対して、c1 ∈ Rをf1(b)の代表元(の一つ)、c2をf2(b)の代表元(の一つ)として、
b → c1.e2 + c2.e1
という対応を考える。
上の対応がf1(b)やf2(b)の代表元の取り方によらないこと:c1 = c'1 (mod I1)かつc2 = c'2 (mod I2)だったとする。Ii = R.ei (i = 1, 2)より、ci = c'i (mod Ii)はあるdi ∈ Rがあってci - c'i = di.eiということと同値。二つの表現c1.e2 + c2.e1とc'1.e2 + c'2.e1の差は
(c1 - c'1).e2 + (c2 - c'2).e1 = d1.e1.e2 + d2.e2.e1 = d1.0 + d2.0 = 0
である。 よって、上の対応は代表元の取り方によらないのでBからRへの写像gを定めている。
写像gが環の準同型であること:e1 + e2 = 1とe1.e2 = 0からe12 = e1、e22 = e2やe2.e1 = 0がただちに従うことに注意して、
(i) 0B → 0R:fi(0) = 0R/Iiだからfi(0)の代表元として0Rがとれる。これは0B → 0R.e2 + 0R.e1 = 0Rということである。
(ii) 1B → 1R:fi(1) = 1R/Iiだからfi(1)の代表元として1Rがとれる。これは1B → 1R.e2 + 1R.e1 = 1Rということである。
(iii) 加法についての構造の保存:明らか。
(iv) 乗法についての構造の保存:Rの任意の任意の2元xとyについて、
x.y - x.e2.y = x.(e1 + e2).y - x.e2.y = x.e1.y ∈ I1
よりx.e2.y = x.y (mod I1)で、また同様にしてx.e1.y = x.y (mod I2)。これは
b → c1.e2 + c2.e1かつb' → c'1.e2 + c'2.e1
とおくと、
b.b' → c1.c'1.e2 + c2.c'2.e1 = c1.e2.c'1.e2 + c2.e1.c'2.e1 = (c1.e2 + c2.e1).(c'1.e2 + c'2.e1)
ということである。(あるd ∈ Rがあってc2.e1.c'1.e2 = d.e1.e2 = 0となることなどを用いた。)
図式
が可換なこと:bをBの任意の元、c1 ∈ Rをf1(b)の代表元、c2をf2(b)の代表元とする。gの定義によってg(b) = c1.e2 + c2.e1であるから、
π1◦g(b) = π1(c1.e2 + c2.e1) = π1(c1.e2) = π1(c1.e2 + c1.e1) = π1(c1) = f1(b)
となって上の図式の左半分の可換性が示せた。右半分についても同様である。
図式
が可換だったらh = gであること:bをBの任意の元とすると、c1 ∈ Rをf1(b)の代表元、c2をf2(b)の代表元として、
h(b) - g(b) = h(b) - (c1.e2 + c2.e1) = h(b) - c1 + (c1 - c2).e1
と、
π1(h(b) - g(b)) = f1(b) - f1(b) = 0
よりh(b) = c1 (mod I1)。つまりあるd ∈ Rがあってh(b) - c1 = d.e1となっている。右からe2をかけてh(b).e2 = c1.e2がわかった。同様にして、h(b).e1 = c2.e1も導かれるから二つを合わせて
h(b).1R = h(b).(e1 + e2) = c2.e1 + c1.e2
が従うが、これはh(b) = g(b)ということである。
これで(R, π1, π2)が最初に掲げた条件を満たすことが示せたので、
が可換な同型写像φ: R → R/I1 × R/I2が存在することがわかった。ところでこの図式が可換になるような写像φとは、各x ∈ Rについて(π1(x), π2(x))を対応させる写像であるのは明らか。これで(1)が成立することが示せた。
R加群についての対応する条件
「Mを左R加群、N1とN2をMの部分加群とするとき、
(1) M → M/N1 × M/N2, x → (π1(x), π2(x))は同型写像である
(2) N1 + N2 = MかつN1 ∩ N2 = {0M}である」
について、(1) ⇒ (2)が成り立つことをsplitting exact sequenceを使って示してみました。(2) ⇒ (1)の方は僕が授業中にやった証明がそのまま持ち込めます。
i = 1, 2についてπiで自然射影M → M/Niを表すことにする。
φをM → M/N1 × M/N2, x → (π1(x), π2(x))なる準同型とする。これが同型写像になっている、というのが仮定。
可換図式
(i1は恒等写像による埋め込み、j2は第二成分への埋め込みx → (0, x), p1は第一成分への射影(x, y) → x)
において上の行と下の行は両方とも完全。しかも下の行は分裂する。M/N1からM/N1 × M/N2へのsectionはもちろん第一成分への埋め込みj1: x → (x, 0)。
φ-1◦j1が上の行についての(M/N1からMへの)sectionになる:π1◦φ-1◦j1 = p1◦φ◦φ-1◦j1 = idだから。よってMはN1とφ-1◦j1(M/N1)の(内部)直和である。φ(N2) = j1(M/N1)だからN2 = φ-1◦j1(M/N1)で、従ってMはN1とN2の直和である。
注:M/N1 × M/N2はM/N1 × {0}と{0} × M/N2の直和で、M/N1 × {0}の、M → M/N1 × M/N2の下での逆像はN2(M → M/N2で0にいくような元たちだから)、{0} × M/N2の逆像はN1だからMはN1とN2の直和になる。と考えても同じです。
記法:Aを環とする。Nで0を含めた自然数の集合、Qで有理数体、Rで実数体を表すことにする。
A係数の形式的冪級数環A[[X]]の定義
自然数の集合NからAへの写像全体の集合AN = {(a0, a1,..., am,...) | ai ∈ A}に、
加法:((a0, a1,..., am,...), (b0, b1,..., bm,...)) → (a0 + b0, a1 + b1,..., am + bm,...)
乗法:((a0, a1,..., am,...), (b0, b1,..., bm,...)) → (∑i≤maibm-i)m∈N
を入れたものです。もちろん、(a0, a1,..., am,...)のakは、「級数」∑aiXiでのk次の項の係数を表していると考えるわけです。
注意:多項式のときと違って、形式的冪級数の集合A[[X]]とAからAへの関数の集合AAとの間にアプリオリな関係はありません。例えば下の例(1)の級数expに0以外の有理数qを「代入」したとき得られる
1 + q + q2 / 2 + q3 / 3! + ...
は有理数には(それどころかどんな代数的数にも)収束していません(この級数はRの中でeqに収束していて、これは超越数だからです)。
Q[[X]]の元の例
(1) exp = ((m!)-1)m∈N
(2) log(1 + X) = (am)m: a0 = 0, 0 < mのときam = -1m+1m-1
(3) (1 + X)-1 = (-1m)m
(4) X = (0, 1, 0, 0,...)
(5) 1A[[X]] = (1, 0, 0,...)
(a0, a1,..., am,...) = a ∈ A[[X]]を任意の形式的冪級数、(0, b1,..., bm,...) = bを(X)の任意の元とする。任意の自然数kについてbk = (bkm)m∈Nはi < kのときbki = 0(つまりbkはXkの倍数になっている)ことに注意。よって
∑i∈Nai.bi(この級数のk次の項の係数は∑i≤kaibikという有限和)
は確かにA[[X]]の元を表している。これをaにbを代入して得られるA[[X]]の元と呼び、a(q)と書くことにする。
注:本当はイデアル(X) = {(am)m∈N | a0 = 0}に入っていない級数を代入する操作も(ある条件が満たされたときには)考えることができますが、それは面倒くさいしここでは必要ないので導入しません。教えてほしい人は言ってください。
補題1:tを上の例(3)の冪級数とする。定数項が0なる任意の冪級数a ∈ (X)について
(1 + a).t(a) = 1
がA[[X]]でなりたつ。
証明:1 + a = (1, a1,...)かつt(a) = (1, -a1,...)であるから(つまりどちらも定数項が1)与式左辺の0次の項(定数項)は1に等しい。
kを1以上の任意の自然数とする。tの定義とaがXの倍数であることより、与式左辺のk次の項は
(1 + a).(1 - a + a2 - ... + (-a)k)
という級数のk次の項に等しい。この式を展開すると、
1 + a - a - a2 + a2 + ... + -1k-1ak + (-a)k + -1kak+1 = 1 + -1kak+1
となって、aがXの倍数だからこれのk次の項の係数は0に等しい。
補足:これが「(1+X)-1」という記法を正当化しています。
つぎに、d: A[[X]] → A[[X]]を
(dam)m∈N = (bm)m∈N: bm = (m + 1)am+1
で定義します。もちろんこれは微分を形式的に持ち込んだもので、任意の形式的冪級数aとbについて
d(a.b) = d(a).b + a.d(b)
b ∈ (X)のときd(a(b)) = (da)(b).db
がなりたつことは定義を使って展開してみれば確かめられます。環Aの標数(Aの中でn = 0となるような最小の0でない自然数n、そんなnがないときは0とする)が0のとき(例えばA = Q)
da = 0 ⇔ aは定数(0 < iだったらai = 0)
がなりたつのも明らかです。
例:(6) d(exp) = exp
(7) d(log(1 + x)) = (1 + X)-1
どちらも定義から直ちに従います。
A[X]においてXnが生成するイデアルをIとかき、A[[X]]においてXnが生成するイデアルをJとかくと、(各校の係数を取り出す)埋め込みA[X] → A[[X]]は、同型写像A[X]/I → A[[X]]/Jを引き起こします。なので、Q[[X]] → Q[[X]]/(Xn)Q[[X]] ≅ Q[X]/(Xn)Q[X]とQ[X] → Q[X]/(Xn)は両方とも記号πで表すことにします。
板書でやったように G = {1 + a1X + ... + an-1Xn-1 | a_i ∈ Q} ⊂ Q[X]/(X^n)(πを省略しています。)という(Q[X]/(X^n))*の部分群を考えます。
次に、XQ[X]/(Xn)で群Q[X]/(Xn)(加法について)の部分群{定数項が0な多項式(のπによる像)}を表すことにします。Qn-1からXQ[X]/(Xn)への同型写像
(q1,..., qn-1) → q1X + ... + qn-1Xn-1
(冪級数環の立場から見たら(q1,..., qn-1) → π((0, q1,..., qn-1, 0, 0,...))ということ)
があることに注意してください。。
写像φ: XQ[X]/(Xn) → Gを
π(∑1≤i<naiXi) → π(exp((bm)m∈N)): bi = ai (1≤i<nのとき), b_i = 0 (それ以外)
で定義する。expの定数項は1だから左辺は確かにGの元を表している。
写像ψ: G → XQ[X]/(Xn)を
π(a) → π(log(1 + (a - 1)))
で定義する。π(a) ∈ Gとなるようなa ∈ Q[[X]]の定数項は1だからa - 1 ∈ (X)となるのでこの代入は可能で、log(1 + X)の定義から定数項は0になるからXQ[X]/(Xn)の元を表している。
補題2:φは群の準同型である。
2項係数の表式から
exp(a + b) = exp(a).exp(b)
だから。
補題3:ψ◦φはXQ[X]/(Xn)の恒等写像に等しい。
証明:補題1によって、
(1 + (exp(a) - 1))-1.(1 + (exp(a) - 1)) = 1
だから
d(log(1 + (exp(a) - 1))) = (1 + (exp(a) - 1))-1.exp(a).da = da
がなりたつ。XQ[X]/(Xn)の元は必ず定数項が0に等しいので
log(1 + (exp(a) - 1)) = a
がわかった。商群にうつってψ◦φ = idXQ[X]/(Xn)が得られる。
補題4:ψは単射である。
証明:(am)m∈Nと(bm)m∈N(a0とb0はともに0)をlog(1 + X)に代入したときにlog(1 + a)とlog(1 + b)の差がXnの倍数になったと仮定する。つまり
(0, a1, a2 - a12 / 2, a3 - (a1a2 + a2a1) / 2 + a1a1a1 / 3, ..., an-1 + ∑1<i<n(-1)i+1i-1∑m1+...+mi=n-1am1am2...ami) = (0, b1, b2 - b12 / 2, b3 - (b1b2 + b2b1) / 2 + b1b1b1 / 3, ..., bn-1 + ∑1<i<n(-1)i+1i-1∑m1+...+mi=n-1bm1bm2...bmi)
0 < k < nなる任意の自然数kについて、この式の式の左辺のk次の項の係数(つまりk + 1番目の要素)はakについて一次の(am)m≤kによる多項式になっていることと、右辺についても同様になっていることから、
1次の項が等しいことに注目してa1 = b1、
2次の項が等しいことと、既にa1 = b1を得ていることからa2 = b2、
順に続けて最後は
n - 1次の項が等しいことと、既にa1 = b1,..., an-2 = bn-2を得ていることからan-1 = bn-1
をえる。つまりaとbの差はXnの倍数であることがわかった。これは
ψ(π(a)) = ψ(π(b)) ⇒ π(a) = π(b)
が示せたということである。
補題5:φは群の同型を与えている。
補題3からφの単射性がいえて、補題3と補題4をあわせると全射性もいえる。補題2とあわせてφは全単射準同型写像であることがいえる。
(S, F, μ) = (]0, 1[, B1 ∩ ]0, 1[, λ1)ととったときにL∞(μ)が可分でないこと:
自然数全体の集合をNとかく。Nの部分集合全体の集合をP(N)とかく。
各n ∈ Nに対してAn = ]2-n+1, 2-n[とおき、fn = χAn(Anの特性関数)とおく。(An)n∈Nたちは互いに交わらないので、P(N)の任意の元Bに対してfB = ∑n∈Bfnは確かにL∞(μ)の元を表している。
Nの二つの部分集合BとB'がB ⊄ B'であるとする。m ∈ B - B'をとれば、どんな零集合FについてもAm - Fは空集合でなく(測度が2-n+1だから)、|fB - fB'|はその上で1をとるから||fB - fB'||∞ = 1である。
任意のg ∈ L∞(μ)について、
1 = ||fB - fB'||∞ = ||fB - g + g - fB'||∞ ≤ ||fB - g||∞ + ||g - fB'||∞
より||fB - g||∞ < 2-1となるようなB ∈ P(N)は高々1つしかない。よってL∞(μ)の任意の部分集合Dについて、
g → B: Bは||fB - g||∞ < 2-1を満たす。このようなBがなかったらBは空集合とする。
というDからP(N)への対応は写像になることがわかった。
DがL∞(μ)の稠密な部分集合だったら、各B ∈ P(N)に対してあるg ∈ Dがあって||fB - g||∞ < 2-1となっているので、上の写像は全射であることがわかった。よって、Dはすくなくとも連続濃度である(Dから連続濃度集合P(N)への全射があるから)。よってL∞(μ)の中で稠密な集合は加算ではない。
記法: πで自然射影Z → Z/n.Zを表すことにする。
ZとZ/n.Zにおける群の演算は記号+で、Z/n.Zにおけるかけ算
(a.(n.Z), b.(n.Z)) → ab.(n.Z)
は記号τで表すことにする。τは(Z/n.Z)*の群としての演算である。
補題1: GとG'を群、SはGを生成する集合、φとψをGからG'への準同型写像とする。Sの上でφとψが一致したらφ = ψである。
補題2: GとG'を群、SはGを生成する集合、φをGからG'への準同型写像とする。以下は同値:
(i) φは全射である
(ii) φ(S)はG'を生成する
GとG'が位数の同じ有限群だったら(特にG = G'のとき)φの全射性は単射性を導くことに注意。
補題3: x ∈ Z/n.ZがZ/n.Zを生成する ⇔ x ∈ (Z/n.Z)*
証明: x ∈ Z/n.ZがZ/n.Zを生成すると仮定する。mをπ(m) = xなる整数とする。π(m.Z)はxを含むZ/n.Zの部分群だからZ/n.Zに等しい。つまり、ある整数m'があって、π(m.m') = π(1)となっている。これは、m.m' ≡ 1 (mod. n)ということだから(Z/n.Z)*の定義よりπ(m) ∈ (Z/n.Z)*である。
x ∈ (Z/n.Z)*と仮定する。mをπ(m) = xなる整数とすれば、(Z/n.Z)*の定義よりm.m' ≡ 1 (mod. n) なる整数m'があるからπ(m.Z)はπ(1)を含むZ/n.Zの部分群である。よってそれはZ/n.Zに等しい。よってx ∈ Z/n.ZはZ/n.Zを生成する。
補題4: 各x ∈ Z/n.Zに対して、y → x τ yという写像はZ/n.Zの自己準同型で、これが自己同型になるための必要十分条件はx ∈ (Z/n.Z)*である。
証明:xをZ/n.Zの任意の元、mをπ(m) = xなる整数とする。各整数kに対してm.kを対応させるZからZへの準同型写像をψとかくことにする。このときπ◦ψ: Z → Z/n.Zの核はn.Zをふくむので、準同型定理(レポートver.)からα◦π = π◦ψなる群の準同型α: Z/n.Z → Z/n.Zがある。α◦π(k) = π◦ψ(k) = π(m.k) = π(m) τ π(k)である。
αが同型になることとα(π(1)) = π(m)がZ/n.Zを生成することは補題2によって同値で、補題3によってこれはπ(m) ∈ (Z/n.Z)*と同値である。
Aut(Z/n.Z) ≅ (Z/n.Z)*の証明
φ → φ(π(1))という対応はEnd(Z/n.Z)からZ/n.Zへの写像になる。この写像をΦと書くことにする。
Φが単射であることは補題1より従う。補題4によってΦは全射で、再び補題4によってAut(Z/n.Z) = Φ-1((Z/n.Z)*)で、α(π(m)) = Φ(α) τ π(m)である。Φ(φ◦ψ) = φ(ψ(1)) = Φ(φ) τ ψ(1) = Φ(φ) τ Φ(ψ)だからΦは群の準同型である。
S0 = {a | {f ≤ a}は連続濃度}、S1 = {a | {a < f}は連続濃度}とおく。b ∈ S0かつ b < cだったら{f < b} ⊂ {f < c}だからc ∈ S0で、つまりS0は右半直線である。同様にしてS1は(空でなかったら)左半直線である(∞ ∈ S0だからS0の方は空でない)。もしあるa0 ∈ S0 ∩ S1があったとすると、{f ≤ a0}と{a0 < f}はともに連続濃度の集合だが、一方の補集合はもう一方なのでこれらの集合はそれぞれ加算でない補集合を持つことになる。つまり{f ≤ a0}が(もちろん{a0 < f}も)可測集合でないことになるのでfが可測だとした仮定に反する。よってS0とS1は交わらない。任意の[-∞, ∞]の元aについてR = {f ≤ a} ∪ {a < f}だからa∈{f ≤ a} ∪ {a < f}である。つまり[-∞, ∞] = S0 ∪ S1である。よってS0とS1は実数直線の切断を与えているのでS0の下限かつS1の上限なる実数xを一意に定める。(正確に言うと、S0 = {∞}になるとき -- {f < ∞} = ∪n∈N{f ≤ n}は加算 -- とS1が空集合になるとき -- {-∞ < f}は加算 -- の二つの自明な場合をのぞいて)。{f ≠ x} = {f < x} ∪ {x < f}であるが、これが加算集合であることを示す。
xに下から近づく加算点列(bn)n∈Nをとれば各bnはS0の点でない(xがS0の下限だから)ので{f ≤ bn}は加算濃度である。{f < x} = ∪nはN{f ≤ bn}は加算個の加算集合の合併だから加算。同様にして、xに下から近づく加算点列(cn)_n∈Nを考えれば{x < f} = ∪n∈N{cn < f}も加算であることが従う。よって、二つの加算集合の合併である{f ≠ x}も加算。
S ⊂ Rkがコンパクト、各n ∈ Nに対して(S, S ∩ Bk, μ), (S, S ∩ Bk, μn)が測度空間であり、μ(S) < +∞, μn(S) < +∞、そして各f ∈ C0(S)に対して
∫ f dμn → ∫ f dμ, n → ∞
ならば、測度μnがn → ∞のとき測度μへ弱収束する、または測度の意味で収束するという。
S = B2(0), μn(A) = nkλk(A ∩ B1/n(0))
のとき、μnはn → ∞のとき、ある測度μへ弱収束するか。
VkをRkの単位球のルベーグ測度、δ0を可測空間(S, S ∩ Bk)の、原点についてのディラック測度とする。
まず、μnはVk.δ0に弱収束することを示す。
任意の自然数nと任意の可積分な関数fに対して∫ f dμn = nk∫ f.χBn-1(0) dλであることがμnの定義から従う。
fをC0(S)の任意の元、つまりS上の連続関数とする。εを任意の正数とする。fの連続性によって、ある自然数mが存在して、m < nかつx ∈ Bn-1(0)ならば|f(x) - f(0)| < εとなっているので、そのとき
∫ f dμn - ∫ f(0) dμn = ∫ (f - f(0)) dμn = nk ∫ (f - f(0)).χBn-1(0) dλ < nk∫Bn-1(0) ε dλ = Vk.ε
である。また、∫S f(0) dμn = nk∫ f(0).χBn-1(0) dλ = f(0) Vkである。εは任意の正数だったから数列(∫ f dμn)n∈Nはf(0) Vkに収束することが示された。f(0) = ∫ f dδ0は明らか。
次に、μnがSの測度μに弱収束するとしたらμ = Vk.δ0であることを示す。χSはS上の連続関数だから
∫ χS dμn → ∫ χS dμ
のはずだが、任意のnに対して、∫ χS dμn = Vkは明らか。つまりμ(S) = Vkということである。
最後にμ(S - {0}) = 0を示す。各自然数n > 0に対して、S上の連続関数fnを
fn(x) = n.|x| (x ∈ Bn-1(0)のとき)
fn(x) = 1 (それ以外)
で定めれば、任意のnに対してfnは連続関数だから、∫ fn dμと∫ fn d(Vk.δ0)は同じ値をとるはずである(両方ともmについての数列(∫ fn dμm)m∈Nの収束先だから)。よって任意のnに対して∫ fn dμ = 0であることがわかった。fn ↑ χS-{0}だからμ(S - {0}) = ∫ χS-{0} dμ = 0である。
Gを生成するB = {[x, y] | x, y∈G}が任意のa ∈ Gに対してa.B.a-1 = Bであることはわかっているものとする。
aをGの任意の元とする。a.B.a-1 = Bだから、HがBを含むGの部分群だったらa.H.a-1もそう。これで{a.H.a-1 | B ⊂ H: 部分群} ⊂ {H | B ⊂ H: 部分群}がいえた。逆向きは、HがBを含むGの部分群だったらa-1.H.aもそうだからBを含むある部分群H'( = a-1.H.a)でH = a.H'.a-1なるものがあることになるlので、{H | B ⊂ H: 部分群} ⊂ {a.H.a-1 | B ⊂ H: 部分群}がいえた。つまり{H | B ⊂ H: 部分群} = {a.H.a-1 | B ⊂ H: 部分群}ということである。これを使うと、
a.[G, G].a-1 = a.(∩{H | B ⊂ H: 部分群}).a-1 = ∩{a.H.a-1 | B ⊂ H: 部分群} = ∩{H | B ⊂ H: 部分群} = [G, G]
aは任意だったから[G, G]がGの正規部分群であることが示された。
Iで閉区間[0, 1]を表すことにします。また、特に断らない限り、位相空間X内の曲線とは連続写像I → Xのことを指すことにして、「一点x」という曲線のことをI → {x}と書くことにします。
二つの曲線αとβの間にホモトピーがある、という関係をα =h βで表すことにします。この関係「=h」は同値関係
α =h α
α =h β ⇒ β =h α
α =h βかつβ =h γ ⇒ α =h γ
なので、曲線たちを「=h」で分類して同値類を考えることができます。その同値類のことをホモトピー類と呼んで、曲線αのホモトピー類のことをh(α)とかくことにします。
曲線αの終点と曲線βの始点が同じだったら、二つの曲線をつなげた曲線を考えることができるので、それをα + βとかくことにします。この演算と「=h」のあいだには次の関係があります。
((I → {α(0)}) + α) =h α, (α + (I → {α(1)})) =h α
(α + γ) =h (β + γ) ⇔ α =h β
(γ + α) =h (γ + β) ⇔ α =h β
凸集合の中では二つの曲線の「平均」を考えることができるので任意の二曲線がホモトープになります。それから、XとYが位相空間で、X内の曲線αとβの間にホモトピーΦがあって、連続写像f: ImΦ → Yが与えられているときにはY内の曲線f◦αとf◦βの間にホモトピーf◦Φがあることになります。
記法:D内の2点xとyについて、始点がxで終点がyの線分をSeg(x, y)とかくことにする。πで第一成分への射影S → Dを表すことにする。Sの元(z, a)とDの元wに対してSeg(z, w) ⊂ Dだったら、a(w)でh(α + Seg(z, w))(ここでαはa = h(α)なる曲線)を表すことにする。また、∆(z, r) ⊂ Dなる実数rに対して、Ur(z, a) = {(w, a(w)) | w ∈ ∆(z, r)}とおく。
注:Ur(z, a)の形の集合たちはSの位相の近傍系の基になる。このことから、πは連続であることが従う。
(1) (z, a)と(z', a')がSの相異なる2点だったら、(z, a)の近傍Uと(z', a')の近傍の近傍Vで互いに交わらないものがあることを示す。第一成分が等しいかどうかで場合分けをする。
(i) z ≠ z'のとき:Dはハウスドルフだからπ(z, a) = zの近傍Aとπ(z', a') = z'の近傍Bで互いに交わらないものがある。U = π-1(A)、V = π-1(B)とおけば、πは連続だからUは(z, a)の、Vは(z', a')の近傍で、この二つが互いに交わらないのも明らか。
(ii) z = z'のとき:a ≠ a'である。αをaの代表元、α'をa'の代表元とする。rを∆(z, r) ⊂ Dなる実数とする。U = Ur(z, a)、V = Ur(z, a')とおけばよい。これらが交わらないことを背理法で示す。ある(w, h(b))があってそれがU ∩ Vの元だったとする。(w, h(b)) ∈ Uよりα + Seg(z, w) =h bが、(w, h(b)) ∈ Vよりα' + Seg(z, w) =h bが導かれるから、結局α + Seg(z, w) =h α' + Seg(z, w)ということになるが、これはα =h α'を導くのでa ≠ a'に矛盾する。
(2) (z, a)をSの任意の点、αをaの代表元とする。(z0, h(I → {z0}))と(z, a)を結ぶ曲線を構成する。各s ∈ Iに対してD内の曲線αsをt → α(s.t)なるものとする。写像Α: I → Sをs → (α(s), h(αs))で定めればこれは連続。なぜなら、Iの任意の元sと∆(α(s), ε) ⊂ Dなる任意の正実数εに対し、αは連続だからある正数δがあってsのδ近傍Bδ(s)のαの下での像は∆(α(s), ε)に含まれる(理由はこちら)が、これはBδ(s)のΑの下での像がUε(α(s), h(αs))に含まれることを導くからである。{Uε(α(s), h(αs)) | ∆(α(s), ε) ⊂ D}は(α(s), h(αs))の近傍の基本系になるからΑは(α(s), h(αs))で連続である。Αの端点が(z0, h(I → {z0}))と(z, a)なのはその構成から明らか。
よって、Sの任意の二点は((z0, h(I → {z0}))を経由して)曲線で結べることが示された。
(3) Sが連結なハウスドルフ空間であることはいえているから、Sの開被覆(Vj)j∈Jと各UjからCのある領域への同相写像φjで、重なりの部分は双正則写像でうつり合うようなものを構成すればよい。
J = S、各s ∈ Sに対してVs = Ur(s)(s) (r(s)は∆(π(s), r(s)) ⊂ Dとなるある実数)、φsはπのVsへの制限、ととればよい。Sの任意の元s = (z, a)について、φsがVsから∆(z, r(s))の上への同相写像であることを示す。{Ur(s)(s) ∩ Uε(w, a(w)) | w ∈ ∆(z, r(s)), ∆(w,ε) ⊂ D}はVsの開集合の基になっている(理由はこちら)が、この集合のπの下での像は{∆(z, r(s)) ∩ ∆(w,ε) | w ∈ ∆(z, r(s)), ∆(w,ε) ⊂ D}で、これは∆(z, r(s))の開集合の基である。φsの全単射性は明らか。
被覆の重なりの部分(の像たち)はDの恒等写像(明らかに双正則)でうつり合うから、重なり部分についての条件も満たされている。また、πは局所的には座標写像φsとD上の恒等写像z → zの合成と見なせるので正則写像である。
(4) S内の任意の閉曲線γは一点にホモトープであることを示せばよい。各s ∈ Iに対してγsでγ(s)の第二成分の代表元を表すことにする。(γ(s) = (γs(1), h(γs))となっているということ)
補題:D内の閉曲線σ: s → π◦γ(s)は一点にホモトープで、任意のs ∈ Iについてγsとγ0 + σ|[0, s]はホモトープである。
補題の証明:各s ∈ Iに対して、εsを∆(σ(s), εs)なる正の実数とする。γは連続だから、それぞれのsに対してある実数δsが存在してsのδs近傍B(s, δs)のγの下での像はUεs(γ(s))に含まれる。(B(s, δs))s∈IはIの開被覆で、Iはコンパクトだからこの被覆の有限の取り直しがある。つまり、Iの有限個の点たちs0, s1, ..., snが存在して(B(si, δsi))i≤nがIを覆っている。Iの連結性によって、(必要ならばsiの順序を入れ替えて)各i < nに対してB(si, δsi) ∩ B(si+1, δsi+1)は空でない、つまり∃s'i ∈ B(si, δsi) ∩ B(si+1, δsi+1)としてよい。また、s0 = 0, sn = 1と仮定してよいのも明らか。このとき、
σ|[si, s'i] =h Seg(γsi(1), γs'i(1)) (σ(B(si, δsi)) ⊂ π(Uεsi(γ(si)) = ∆(σ(si), εsi)より、)
γsi + Seg(γsi(1), γs'i(1)) =h γs'i (γ(B(si, δsi)) ⊂ Uεsi(γ(si))より)
これらをあわせてγsi + σ|[si, s'i] =h γs'iが各i < nに対してなりたつ。同様にしてγs'i + σ|[s'i, si+1] =h γsi+1もi < nについてみちびかれる。この式をすべてのi < nについてつなぎ合わせれば、
γ0 + σ|[s0, s'0] + σ|[s'0, s1] + ... + σ|[s'n-1, sn] =h γsn =h γ1 =h γ0
が得られる。よってσ|[s0, s'0] + σ|[s'0, s1] + ... + σ|[s'n-1, sn] = σは一点にホモトープ。
また、任意のs ∈ Iについてs ∈ B(si, δsi)なるiをとればγsとγ0 + σ|[0, s]はホモトープなこともわかる。これで補題の証明終わり。
上の補題によって曲線σと一点σ(0)の間のホモトピーΨ: I × I → D、つまり連続で
Ψ(0, t) = σ(t), Ψ(1, t) = σ(0)
Ψ(s, 0) = σ(0), Ψ(s, 1) = σ(1) = σ(0)
を満たす写像があることになる。写像Φ: I × I → SをΦ(s, t) = (Ψ(t, s), h(γs + Ψ( • , s)|[0, t]))で定義する。この連続写像Φがγとγ(0)の間のホモトピーであることを示す。
Φ(0, t) = (σ(0), h(γ0)) = γ(0), Φ(1, t) = γ(1)
Φ(s, 0) = (σ(s), h(γs)) = γ(s)
はΦの定義より直ちに従う。Φ(s, 1) = γ(0)をみるには、
γ0 + Ψ(0, • )|[0, s] = γ0 + σ|[0, s] =h γs
γs + Ψ( • , s) =h Φ(s, 1)の第二成分の代表元
より、I × [0, s]の境界を(0, 0)から時計回りにまわる曲線をζとおけば
γ0 + Ψ◦ζ =h Φ(s, 1)の第二成分の代表元
だが、Ψ◦ζはI × Iのなかで一点にホモトープな曲線ζの、連続写像Ψによる像なので一点にホモトープ。つまりγ(0) = (γ0(1), h(γ0 + Ψ◦ζ)) = Φ(s, 1)。
これでS内の任意の閉曲線γは一点にホモトープなことが示せた。
解説:(4) でS内の閉曲線はS内の閉曲線上の各点(それ自体再び曲線)の「端点」たちを集めた曲線が1点に縮められることを調べている以外は形式的に定義を追っているだけです。
S内の曲線とは、D内の曲線をちょっとずつ端点をずらしていったもの(のホモトピー類をとったもの)と考えることができます。「端点たちの曲線」が有限個の線分で近似できることをIのコンパクト性から、その有限個の線分たちがDの中で1つのループになっていることをIの連結性から導いています(そのふたつからS内の任意の曲線の両はじ(Dの曲線)はホモトープであることがみちびけます)。S内の曲線が閉曲線になっている(つまり最初の曲線に戻ってくる)としたらその間に、Dに開いている穴を飛び越え(ホモトープでなくなる)たりはしない、ということを調べました。
補足1:α (Bδ(s)) ⊂ ∆(α(s), ε)の理由
t ∈ Bδ(s)だったら αt = αs - δ + α|[s - δ, t] であることに注意。一方でα|[s - δ, t]とα|[s - δ, s] + Seg(α(s), α(t))は両方とも始点がα(s - δ)で終点がα(t)の、∆(α(s), ε)内の曲線だから、この二つはホモトープ。これらをあわせ αt =h αs - δ + α|[s - δ, s] + Seg(α(s), α(t)) =h αs + Seg(α(s), α(t)) つまり(α(t), h(αt)) ∈ Uε(α(s), h(αs))ということである。
補足2:{Ur(s)(s) ∩ Uε(w, a(w)) | w ∈ ∆(z, r(s)), ∆(w,ε) ⊂ D}はVsの開集合の基である理由
EがUr(s)(s)の開集合だったら、各e ∈ Eに対してある正実数ε(e)があってUε(e)(e) ∩ Ur(s)(s) ⊂ Eである。(Ur(e)の形の集合がSでのeの近傍の基本系になって、従ってこの形の集合とUr(s)(s)との共通部分はUr(s)(s)におけるeの近傍の基本形になるから)つまり∪{Uε(e)(e) ∩ Ur(s)(s) | e ∈ E} ⊂ E。逆向きの包含関係は明らか。これでUr(s)(s)の任意の開集合はUr(s)(s) ∩ Uε(w, a(w))の形をした集合たちの合併で表されることがわかった。Ur(s)(s) ∩ Uε(w, a(w))は二つの開集合の共通部分だから開集合である。
Sが非可測な部分集合Aを持つときには、可測でない関数f: S → [-∞, ∞]のうちで、|f|は可測なるものがある。
f = 2χA - 1 = χA - χS - Aとおけばよい。そのとき{f > 0} = Aは可測集合でないからfは可測でないが、|f|は定数関数1に等しい。
例1:S = {0, 1}, F = {S, ∅}のときA = {0}は非可測。
例2:[0, 1)は(従ってRは)ボレル可測でない部分集合を持つ。これは下の補題1でB = [0, 1), G = {M ∈ B | M ⊂ [0, 1)}とおき補題2を適用して得られる。
補題1 (B, G, μ)を0 < μ(B) < ∞なる測度空間とする。以下の条件を満たす全単射φ: B → Bが存在するならばBは可測でない部分集合Aを持つ。
(1) φとφ-1は可測
(2) φによるimage measure μ·φはμに等しい
(3) Bの任意の元xと任意の0でない整数nについて、φn(x) ≠ x。
証明 まずAを構成する。Bの任意の元xに対して<φ>.x = {φk(x) | k ∈ Z}とおき、M = {<φ>.x | x ∈ B}とおく。Oの元はどれも空でないから、選択公理によって写像f: M → ∪M = {x | ∃e x ∈ e ∈ O}で、Mの任意の元eについてf(e) ∈ eなるものがある(つまり、Mのそれぞれの元から1つずつ代表元を選ぶことができる)。 A = {f(e) | e ∈ M}とおけばよい。
Aが非可測であることを示す。Bの任意の元xに対してf(<φ>.x) ∈ <φ>.xだからある自然数kがあってf(<φ>.x) = φk(x)、つまりφ-k(f(<φ>.x)) = xである。よってB = ∪nφn(A)である。相異なるMの元は互いに交わらないことと、条件(3)によってm ≠ nのときφm(A)とφn(A)は共通部分を持たない。Aが可測だったらある実数Λが存在してμ(A) = Λとなるはずだが、そのとき条件(2)によって任意の整数nに対しμ(φn(A)) = Λ。そのとき測度の完全加法性よりμ(B) = limk→∞k.Λとなるはずだが、Λ = 0では0 < μ(B)に矛盾し、Λ > 0ではμ(B) < ∞に矛盾する。よってAが可測だとした仮定が間違い。
解説:Bに自由に作用する測度空間の自己同型写像の群があったら、それによる軌道分解を考えてそれぞれの軌道から代表元を集めてくると、その集合は測度がつけられないものになってしまうということです。
補題2 任意の実数xに対し、[x]でxより大きくないような最大の整数を表す。qを任意の無理数とする。[0, 1) 上に関数x → x + q - [x + q]を定義すれば、これは補題1の3条件を満たす全単射ψ: [0, 1) → [0, 1)になる。
証明 ψが[0, 1) → [0, 1)の全単射であること。
任意の実数yに対して、y - [y]は0以上1未満だからψの像は[0, 1)に含まれる。ψ(x) = ψ(y)だったらx + qとy + qの差は整数[y + q] - [x + q]に等しいことになる。[0, 1)の2つの元のの距離は1未満だからx = yが、従ってψの単射性がわかった。xを[0, 1)の任意の元とする。y = x - q - [x - q]とおけば、これは[0, 1)の元で、y + qとxの差は整数。よってψ(y) = xが、従ってψが全射であることがわかった。
ψとψ-1が可測であること(条件(1))。
x → x + qとx → [x]は可測写像。二つの可測な写像の差は(定義できたら)可測写像(授業の補題4.4参照)。よってこれらを組み合わせて作るψは可測写像。ψ-1は上の考察でx → x - q - [x - q]であることがわかっているので同様にして可測写像であることがわかる。
ψによるimage measure μ·ψはμに等しいこと(条件(2))。
[a, b)を[0, 1)に含まれる任意の右半開区間とする。[a + q, b + q)が整数を含まないときはm = [a + q]とおけば、ψ([a, b)) = [a + q - m, b + q - m)だから、μ·ψ([a, b)) = b - a = μ([a, b))となる。
[a + q, b + q)が整数を含むときは、n = [b + q]とおいて、ψ([a, b)) = [0, b + q - n) ∪ [a + q - n + 1, 1)となって、やはりμ·ψ([a, b)) = b - a = μ([a, b))となる。μ·ψとμは任意の右半開区間に対して同じ値を与えるので、同じ測度である。
[0, 1)の任意の元xと任意の0でない整数nについて、ψn(x) ≠ xであること(条件(3))。
nが負だったらφ-nを両辺に左からかければいいからnは自然数であると仮定してよい。kの上の帰納法で
ψ(x + k.q - [x + k.q]) = x + (k + 1)q - [x + k.q] - ある整数 ⇒ ψk + 1(x) = x + (k + 1)q - [x + (k + 1)q]
がわかるから、ψn(x) = xだったらx + n.qとxの差は整数だということになる。qが無理数だとした仮定からこれは起こりえない。
解説:ψは「qをたしてから少数部分をとる」という操作だと考えることができます。
(i) Zn = Z / n.Zとおく。任意のx ∈ Zに対し、Znにおけるxの同値類(つまりx+(n.Z))をp(x)と書くことにする。まず、Znの上で「(p(x), p(y))という対にp(xy)を対応させる」という対応が二項演算になっている(写像になっている)ことを示す。つまり(p(x), p(y))と(p(x'), p(y'))が同じものを表現していたら、p(xy)とp(x'y')も同じものを表現していることを示す。
p(x) = p(x')かつp(y) = p(y')、つまり「整数i, jが存在してx' = x + i.n、y' = y + j.n」だったとする。そのとき
x'.y' = (x + i.n)(y + j.n) = x.y + (x.j + i.y + i.n.j)n ⇒ p(xy) = p(x'y')。
これで、問題文にある方法でZnの上に二項演算(かけ算と呼ぶことにする)を定義できることがわかった。これが交換則と結合則を満たすのは、元のZでのかけ算が可換で結合的であることからただちに従う。ここで任意のx ∈ Zに対しp(x)p(1) = p(x)が成り立っていることに注意。
次に、Zn*がかけ算で閉じていることを示す。(実は、もっと強くZn*がかけ算で群になっていることを示す。)x ∈ Zn*は「xとnが互いに素」と同値で、これは「整数i, jが存在してx.i + n.j = 1」と同値。最後の命題は「整数iが存在してp(x).p(i) = p(1)」と同値。よって、Zn* = {Znの元のうちで、あるZnの元をかけたらp(1)になるようなもの}であることがわかった。gとhをZn*の元とする。Zn*の元で、g.g' = p(1), h.h' = p(1)となるものがある。g.h.h'.g' = p(1)だから、g.hにh'.g'をかけたらp(1)になるので、g.h ∈ Zn*がわかった。また、p(1)はZn*での単位元、各g ∈ Zn*に対してg.g' = p(1)なるg'がgの逆元になっている(のでZn*は群の公理を満たしている)。
(ii) 明らかにϕ(n) = |Zn*|である。aをnと素な整数とする。Zn*の定義からp(a) ∈ Zn*である。<p(a)>はZn*の部分群だから |<p(a)>|は |Zn*|を割り切る。一方でp(a) |<p(a)>|は単位元、つまりp(1)にひとしい。よってp(a) |Zn*| = p(a) |<p(a)>|の整数乗 = p(1)がわかった。よってp(a ϕ(n)) = p(1)で、これはa ϕ(n) ≡ 1 (mod n)ということである。nがある素数pに等しいとき、0 < a < pなる整数aはpと互いに素で、従ってϕ(p) = p - 1、ap - 1 ≡ 1 (mod p)となる。
注:このときはZp = Zp* ∪ {p(0)}で、先学期「代数と幾何」で出てきた有限体Fp(とその乗法群)を考えることになります。
まず、fの不連続点集合はCとなることを示す。実際、Cが閉集合であることから、開集合R - Cの任意の点xはCと交わらない近傍を持ち、そこでfの値は常に0である。一方でCは内点を持たないことから、Cの任意の点yの任意の近傍はR - Cと交わってしまうので、yでfは連続にならない。
次に、どんな零集合Nについても、fのR - Nへの制限は連続にならないことを背理法で示す。ある零集合Nが存在して、R - Nへのfの制限が連続になっていたと仮定する。λ(C - N) > 0よりC - Nは空でない。zをC - Nの勝手な点とすると、zでfは連続なわけだから、zのある開近傍Vが存在してV - Nの上でfは1に等しい⇔V - N ⊂ C - N ⇔ V - C ⊂ Nとなる。Cは内点を持たないのでV - Cは空でない開集合だから、V - Cの勝手な元yに対しある実数ε > 0があってyのε近傍はNに含まれる。そのときλ(N) > εとなって、Nは零集合であるとした仮定に反する。
Fεに対する要請は「Fεはλ(R - Fε) < εなる閉集合で、そこへのfの制限は連続」なることである。
Un = ∪0≤i≤2n{Jniの両端点のε.2-2 - 2n近傍たち}、U = ∪n∈NUnとおく。それぞれのnについてJni達は2n個(端点は高々その2倍)あるからλ(Un) ≤ ε.2-1 - nで、λ(U) ≤ ε.∑n2-1 - n = ε / 2となる。
自然数nに対して∪i Jniの特性関数をfnとおく。Π(1 - ai) → λ(C)だから、あるmが存在して、∏i≤m(1-ai) - λ(C) < ε / 2となる。つまりAm = {fm ≠ f}とおくとλ(Am) < ε / 2ということである(Am = ∪i Jmi - Cだから)。
よって、V = ((∪i Jmi) ∪ U) - (C - U) = Am ∪ Uとおくと、Vは測度がεより小さい開集合であることがわかった。Fε = R-Vとおけば、Am ⊂ R - Fε = VよりFεの上ではf = fmである。fmはR - Uの上で(そこに制限した関数が)連続だから、その部分集合のFεの上でも(そこへの制限が)連続。
これで、Fεはλ(R - Fε) < εなる閉集合で、そこへのfの制限は連続になることがわかった。
ε → 0のときU → Jniの両端点たち、λ(Am) → 0
∪ε ∈ (0, 1)Fεの補集合∩ε ∈ (0, 1)(R - Fε)は∩n∈N(R - Fn-1) (零集合)に含まれているから、∪ε ∈ (0, 1)Fεの上ではfは連続にならない。
解説 :Fεの構成のポイントは十分大きなmについてFεの上でCがJmiの合併(iについて)と一致して、かつそのJmiの合併集合の特性関数fmはFεの上で連続になるようにしたことです。