幾何学模型製作の歴史

1870年ころ

クンマー(E. Kummer)が、彼自身の製作によるシュタイナーのローマン曲面のモデルを披露し議論が行われた。 (1873年のベルリン科学アカデミーの月報)

クライン(F. Klein), ブリル(A. Brill)らを中心にMartin Schilling社で模型製作のプロジェクトが展開する。

1932年

Martin Schilling社は、模型製作を中止。

1986年

Vieweg社創立二百周年記念事業の一環として、模型が一部復刻されG. Fischer, Mathematical Modelsが出版される。

数理科学研究科と幾何学模型

1910年頃

理学部数学教室に1904年から1937年まで在職された中川銓吉先生が、第一次大戦中あるいはそれ以前に輸入された。 (東京大学名誉教授の彌永昌吉先生による)

1995年 ?- 1997年

国際交流室の尽力で留学生を中心に、模型の整理、修復の作業が行われる。

1997年10月16日 - 12月14日

東京大学創立120周年記念特別展 学問のアルケオロジー に展示。

2001年

先端研 池内研究室の協力により、レンジセンサーによる模型の計測が行われる。 東京大学総合研究博物館特別展「真贋のはざま」において、模型とCGによる再現が展示される。

2004年

杉本博司氏によって撮影された模型の写真が、パリの Fondation Cartier pour l'art contemporainにおいて展示される。

2005年 -- 2006年

杉本博司氏によって撮影された模型の写真、および 池内研究室、ヤマダ精機との協力によって現在の技術で作成された模型が、 森美術館における展覧会「杉本博司 時間の終わり」で展示される。

2011年 -- 2013年

東京大学総合研究博物館と共同で石膏幾何学模型の レプリカを制作。

2011年9月 -- 10月

Lyonで開催されたTodai Forumにおいて、Musée Gadagneで 石膏幾何模型と写真などを展示。

2012年10月13日 -- 12月2日

東京大学駒場博物館における特別展「東大駒場見本市 - 知の創造・教養の共有 -」 にて、ヤマダ精機制作のClebsch曲面のアルミニウム製の模型、 乙部融朗氏制作の4次元空間の正120面体の模型、 負の定曲率曲面(擬球)の石膏模型のレプリカを展示。

2013年3月

JPタワーの東京大学学術文化総合ミュージアム、 インターメディアテクにて、東京大学総合研究博物館と 共同制作した数理科学研究科所蔵の 石膏幾何学模型のレプリカ約100点などを常設展示。

2013年

IMA Living with Photography 2013 Spring Issue / Vol. 3に 数理科学研究科所蔵の幾何学模型に関する記事が杉本博司氏の写真 とともに掲載される。

2013年6月1日

東京大学数学教室同窓会寄贈、ヤマダ精機制作のアルミニウム製の 負の定曲率曲面(擬球)の模型が完成し、数理科学研究科棟大講義室前 のホワイエに展示を始める。

2013年7月20日

ヤマダ精機によりClebsch曲面上の27本の直線の加工が完成し、 数理科学研究科棟資料室に展示を始める。

2013年8月

ヤマダ精機制作のアルミニウム製の 負の定曲率曲面(擬球)の模型の写真が、理学部オープンキャンパスに 展示され、理学部イメージコンテスト2013において、 参加者、関係者の投票によって、優秀賞を受賞。

2015年4月25日 -- 7月5日

森美術館「シンプルなかたち展」で数理科学研究科所蔵の以下の模型が 展示される。

Pseudosphere 擬球

Kuen Surface  クエン曲面

Cubic Surface 三次曲面

Dupin Cyclide デュパン・サイクライド

Horn Cyclide ホーン・サイクライド

2015年8月

ヤマダ精機制作のアルミニウム製の 3次曲面上の27本の直線の模型の写真が、理学部オープンキャンパスに 展示され、理学部イメージコンテスト2015において、 参加者、関係者の投票によって、優秀賞を受賞。

3次曲面上の27本の直線の模型の高解像度画像




数理科学研究科棟における模型の展示




幾何学模型についての参考資料

2009年3月29日 日本数学会市民講演会 「幾何学模型アーカイブからの眺望」

「数学通信」14巻2号の記録(PDF)

講演資料(PDF)

講演ビデオ