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複素解析学 1+演習(2005年10月開講)

Last updated Feb. 15, 2006

LVA

担当 平地健吾
TA  伊藤健一
   松尾信一郎

このページでは複素解析学 Iの講義情報をのせます。

教科書は L. Ahlfors (左の写真)著 Complex analysis またはその和訳

場所:1222教室
時間:金曜3, 4限 13:00〜16:10(演習は5限16:20〜17:50)

1月17日の講義内容

・ シラバスの内容は終わったのでA. N. Varchenko and P. I. Etingof: Why the Boundary of a Round Drop Becomes a Curve of Order Four の1から3章を解説しました。鏡像の原理だけで流体の形を計算する 方法には関心します。
この本は AMS から無料でダウンロードできます。5章以降は見た目より難しい。
1月13日の講義内容

・調和関数の鏡像の原理
・正則関数の鏡像の原理
・C上の有理形関数の部分分数展開
1月6日の講義内容

・中間試験の解説
・* 作用素と法線微分の関係
・調和関数の平均値の定理,最大値の原理
・Poisson積分による調和関数の表示
12月16日の中間試験

・試験範囲は11月11日の講義内容まで
・本,ノート類は持ち込み不可
・試験時間は13:00〜15:00
12月9日の講義内容

・留数計算その2:主値積分、Logの分枝を用いた計算
・調和関数の基本性質:共役調和関数の積分表示
・Hodgeの*作用素とラプラシアンの関係
12月2日の講義内容

・Laurent展開の存在と留数の定義
・留数定理:1点とhomotopicな閉曲線の場合と境界が連続微分可能な曲線である場合
・偏角の原理とルーシェの定理
・留数計算その1:三角関数の有理式の定積分、有理関数の定積分
11月18日の講義内容

・円板を円板に移す双正則写像は一次変換
・曲線がhomotopicであることの定義、凸領域でのhomotopyの作り方
・Cauchyの積分定理の一般化(1点にhomotopicな閉曲線にそった正則関数の積分は0)
・単連結領域では正則関数の原始関数が存在する
11月11日の講義内容

・リーマン球面上で定義された有理形関数は有理関数(とくにリーマン球面の正則自己同形は一次変換)
・正則関数の零点の個数の積分表示
・定数でない正則写像は局所的にはm対1写像になる(よって、とくに開写像になる)
・最大値の原理
・正則写像の逆写像定理
・Schwarzの補題
11月4日の講義内容

・Taylor展開の剰余項の一様評価
・零点の位数、一致の定理
・連結性と弧状連結性の関係についての注意
・孤立特異点の分類(除去可能特異点、極、真性特異点)
・真性特異点での挙動
・有理形関数とリーマン球面に値をとる正則関数の同値性
10月28日の講義内容

・正則関数は無限回複素微分可能
・モレラの定理、リュービルの定理、代数学の基本定理、ワイエルシュトラスの二重級数定理
・Greenの公式からCauchyの積分表示を導く方法 (特異点を含む積分の計算)
・テイラー展開;剰余項の積分表示は来週
10月21日の講義内容

・線積分の定義
・Greenの公式からCauchyの積分定理を導く方法(ただし連続微分可能性の仮定が必要)
・正則性だけからCauchyの積分定理を導く方法 (三角形の分割を用いる論法)
・凸領域でのCauchyの積分定理(凸領域の正則関数は原始関数を持つ)
・Cauchyの積分表示(積分路が円周の場合)、正則関数の微分の積分表示
10月14日の講義内容

・収束ベキ級数は正則であることの証明
・一次変換とSL(2,C)の関係を射影空間を使って説明
・一次変換の性質(3点の値によって決定される;非調和比を保つ;円を円に移す;対称の原理)
・正則写像の等角性
10月7日の講義内容

・序:複素変数の対数の定義について
・複素微分可能の定義とCauchy-Riemann方程式
・正則関数の例:多項式関数と有理関数の零点と極の位数
・有理関数はRiemann球面の間の連続写像を定義する;その位数をmとすると重複度をこめてm対1対応になる
・べき級数の収束半径;収束べき級数は正則関数であることの証明(途中まで)

講義日程
10月 7,14,21,28
11月 4,11,18
12月 2, 9,16
 1月 ,13,27

付記: 12月16日は中間試験の予定
・ 11月25日は駒場祭、1月20日はセンター試験準備のため休講(要確認)
・補講期間は1月31日と2月1日
・期末試験は2月末

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