講義を終えて

2002年度解析学I演習

 本演習では解析学の入門として、実数の公理・数列・微分法を主に扱った。
演習にあたっては、教科書の問題及び配布したプリントの問題に対する解答を
黒板を用いて発表するという形式を採った。 本年度は、義務として一度の発表のみを
課し、それ以上は自由意志に委ねた。 その意図は何度か説明したつもりで
あったが、結果としてはこれは失敗であったと考えている。 理由の一つは
「意味がまったく通らない文章を『証明』『解答』と称して未だに書いている」
ということである。 数学では論理的に厳密な文章が必要となるが、これは
日常とは異なることもあり、大抵の人にとっては習熟を要する難しいことである。
ノートに自分で解答を作っているから大丈夫だと思う人もいるかもしれないが、
それでは不十分である。 その解答を誰かに読んでもらい、批評されて初めて
文章はうまくなるのである。 今からでも自習(独習とは異なることに注意)に励んで欲しい。
 もう一つの理由は「勉強量が圧倒的に足りない」ことである。 解析だけを
やっているわけにはいかないし、ほかにもいろいろやりたいこともあるということ自体は
理解できるが、それは言い訳にはならない。つけはあなた方自身が払うのだから。
何度も強調したように、講義・演習で扱える事柄は時間的な制約から非常に
限られている。 分からないこと・知りたいことがあれば、自ら進んで本で調べたり、
誰かに尋ねたりすべきである。 大学の教官は生活相談のためではなく、
第一義的には学問的な相談相手として存在していることに注意して欲しい。
 本演習で配布した印刷物のうち、足助の作成したものは当面演習のページ
から入手できる。必要であれば私に直接連絡を取っていただいても構わない。
部屋はC803である。 URLは変更になる場合があるので、その際には
トップページからリンクを辿ること。
                                           (足助 記)
小冊子「講義を終えて」に掲載のものを一部改変の上転載

演習のページへ戻る