東京大学大学院数理科学研究科

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数理談話会

日時: 2010年10月8日(金) 16:30〜17:30
会場: 東京大学 大学院数理科学研究科 123号室

講演者

佐々木 隆 氏 (京都大学基礎物理学研究所)


講演題目

$3+\ell$ ($\ell=1,2,\ldots$) 個の確定特異点を持つ Schroedinger (Sturm-Liouville)方程式の解としての例外Jacobi多項式



講演概要

3個(超幾何),4個(Heun)より多くの確定特異点を持つFuchs型微分方程式の大域解は,今までほとんど知られていない.この話では,$3+ \ell$ ($\ell=1,2,\ldots$)個の確定特異点を持つSchroedinger (Sturm-Liouville)方程式の解の完全系の具体形を与える.この方程式は,次のようなHamiltonian (Schroedinger作用素)を持つ Darboux-P\"oschl-Tellerポテンシャル\[ \mathcal{H}=-\frac{d^2}{dx^2}+\frac{g(g-1)}{\sin^2x}+\frac{h(h-1)} {\cos^2x} \]の変形である.固有関数は例外 Jacobi多項式$\{P_{\ell,n}(\eta)\}$, $n=0,1,2,\ldots$, からなり,その次数はdeg($P_{\ell,n}$)$=n+\ell$である.従ってBochnerの定理による制約を受けない.合流型の極限から 2種類の例外Laguerre多項式,$\ell=1,2,\ldots$が得られる. 同様の変形方法によって,例外WilsonおよびAskey-Wilson多項式,$\ell=1,2,\ldots$が得られる.