桂 利行 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
『 正標数の世界に40年 』

内容:
正標数における代数幾何学には、標数0の場合とは異なる特有の現象がある。1950年代には、これらは病理的現象として捉えられ、研究している人の数も少なかった。現在では、特有の現象を扱うための手段がかなり整備され、正標数の様々な対象に対して興味ある現象が解析されている。代数多様体の単有理性、野性的ファイバーの問題、正標数特有のサイクルの構造等、これまで正標数の世界で行ってきた研究を中心に思い出を交えてお話ししたい。