剣持 信幸 氏(千葉大学教育学部数学科)

内容:
相転移現象には、2相の間を行き来するもの(氷と水の間の相転移)や一方から他方に一方向のみに変化するもの(干天等の凝固現象、破壊のプロセス)等様々である。特に、後者を不可逆相転移現象という。
本講演では、物質の凝固現象を念頭に置いた不可逆相転移現象の数学モデルを提案し、その数学的な解析を試みる。ここで扱う数学モデルは、2重非線形構造を持ち、テスト関数が未知関数に依存する制限を満たすクラスで与えられる変分不等式である。