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2009/01/14

16:00-17:30   Room #002 (Graduate School of Math. Sci. Bldg.)
片山 統裕 (東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻)
中枢ニューロン樹状突起における酵素活性化ウェーブとその数理モデル
[ Abstract ]
ニューロンの興奮性の調節やシナプス可塑性において重要な役割を担っているC型タンパク質リン酸化酵素(PKC)は,その酵素活性と関連して細胞内局在が変化する性質を有する(トランスロケーション).GFP-γPKC融合タンパクを発現させたマウス小脳プルキンエ細胞において,平行線維シナプスの高頻度刺激に伴い,刺激部位近傍から樹状突起に沿ってトランスロケーションが伝播する現象が報告されている.最近,坪川は,同じ刺激条件で樹状突起内をほぼ同速度で伝播する細胞内Ca2+波が生じることを見出し,これがγPKCトランスロケーション波をリードしている可能性を指摘した.本研究では,生理学的・解剖学的知見に基づいたプルキンエ細胞の数理モデルを構築し,Ca2+波の再現を試みた.その結果に基づき,トランスロケーション伝播のメカニズムと機能的意義について考察する.