数値解析セミナー

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開催情報 火曜日 16:30~18:00 数理科学研究科棟(駒場) 002号室
担当者 齊藤宣一、柏原崇人
セミナーURL https://sites.google.com/g.ecc.u-tokyo.ac.jp/utnas-bulletin-board/

2017年11月14日(火)

16:50-18:20   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
石川歩惟 氏 (神戸大学大学院システム情報学研究科)
変分原理に基づくエネルギー保存数値解法と無制約最適化問題への応用 (Japanese)
[ 講演概要 ]
構造保存型数値解法は, 方程式のもつ力学的構造に着目し, その力学的性質を保つようにしてスキームを設計する数値計算法である. 特に, エネルギー保存則を厳密に保つような数値解法はエネルギー保存数値解法と呼ばれ, 離散勾配法などが知られている. 離散勾配法とは, 勾配の性質を引き継ぐよう定義された離散勾配と呼ばれるものをスキームに用いる方法で, この方法によるスキームは安定性に優れたものとなることが多い. その一方, 多くの場合に陰的になり, また, 解析力学における基本原理である変分原理との対応も明らかではない. また, 離散勾配自体の導出も, 容易でない場合もある.
 そこで, 我々は, 離散勾配法の枠組みに変分原理を取り入れたエネルギー保存数値解法を提案してきた. 本講演では, この手法について紹介したのち, 変分原理を活かしたエネルギー散逸系に対する方法への拡張方法について述べる. また, これと離散勾配を自動的に導出する自動離散微分という方法を組み合わせ, 無制約最適化問題の近似解法を設計する. 最後に, 最近の話題として, Lie群上でのスキーム設計手法についても述べる.