数値解析セミナー

過去の記録 ~04/19次回の予定今後の予定 04/20~

開催情報 火曜日 16:30~18:00 数理科学研究科棟(駒場) 002号室
担当者 齊藤宣一、柏原崇人
セミナーURL https://sites.google.com/g.ecc.u-tokyo.ac.jp/utnas-bulletin-board/

2011年07月05日(火)

16:30-18:00   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
本セミナーは、グローバルCOE事業「数学新展開の研究教育拠点」(東京大学)の援助を受け、GCOEセミナーして行われています。
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/gcoe/index.html

大浦拓哉 氏 (京都大学数理解析研究所)
Goursat-Hardy積分の超高精度計算---非有界無限区間積分の計算例--- (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
解析概論(高木著)の練習問題(p.141)に出てくる積分I = \\int_{0}^{\\infty} \\frac{x}{1+x^6 \\sin^2 x} dx は非有界な無限区間積分だが積分値は収束する例であり,GoursatやHardyによって20世紀初頭に示されたものである.この積分に関して,1984年京大数理研の研究集会で戸田英雄は,収束性の議論だけではなく数値計算することは可能か?という問題を提起した.翌年,二宮市三は積分算法と級数加速法を駆使して約21桁の計算を行い,2009年,秦野やす世,二宮市三,杉浦洋,長谷川武光らはより改良した方法で約73桁の結果を得た. 本講演ではまず,Goursat-Hardy積分に対してある変形を行うことで,二重指数関数型数値積分公式(DE公式)で容易に計算可能になることを示す.さらにこの変形と誤差補正の組み合わせで,関数計算回数Nに対して誤差がO(\\exp(-CN)), C>0となる超収束のDE公式が得られることを示す.次に,いくつかの多倍長計算ライブラリと独自の関数計算の高速化技法を用いて100万桁以上の計算を行い,桁数と計算量の関係について考察する.
[ 参考URL ]
http://www.infsup.jp/utnas/