東京無限可積分系セミナー

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開催情報 土曜日 13:30~16:00 数理科学研究科棟(駒場) 117号室
担当者 神保道夫、国場敦夫、山田裕二、武部尚志、高木太一郎、白石潤一
セミナーURL https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~takebe/iat/index-j.html

2018年02月06日(火)

15:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
桂 法称 氏 (東大理物) 15:00-16:00
1次元量子臨界系のサイン二乗変形 (ENGLISH)
[ 講演概要 ]
サイン二乗変形(SSD)とは、量子系のハミルトニアンの局所的エネルギースケールを、サイン二乗関数にしたがって空間的方向に変調させる変形操作である。SSDにより、一様周期境界条件を課した系のハミルトニアンは、開放境界条件を課した空間的に非一様なハミルトニアンへと変形される。しかしながら、空間次元1次元で系が臨界的な場合には、この変形後のハミルトニアンの基底状態は、変形前の一様周期的な基底状態からほとんど変化しないということが、現在までに明らかにされている。特に講演者は、臨界的なXYスピン鎖や横磁場Ising模型においては、両者の基底状態が厳密に一致することを示している
[1,2,3]。また、ディラック・フェルミオン系や一般の(1+1)次元の共形場理論についても、適切にSSDを定義すれば、やはり一様周期系とSSD系の基底状態が一致するという結果を紹介する。時間が許せば、その他の最近の結果
[4,5] や、SSD系の励起状態についての結果についても紹介する。

[1] H. Katsura, J. Phys. A: Math. Theor. 44, 252001 (2011).
[2] H. Katsura, J. Phys. A: Math. Theor. 45, 115003 (2012).
[3] I. Maruyama, H. Katsura, T. Hikihara, Phys. Rev. B 84, 165132 (2011).
[4] K. Okunishi and H. Katsura, J. Phys. A: Math. Theor. 48, 445208 (2015).
[5] S. Tamura and H. Katsura, Prog. Theor. Exp. Phys 2017, 113A01 (2017).
佐藤 僚 氏 (東大数理) 16:30-17:30
モジュラー不変性をもつ $N=2$ 頂点作用素超代数の表現に
ついて (ENGLISH)
[ 講演概要 ]
よいクラスの頂点作用素超代数の表現の指標はモジュラー不変性という顕著な性質を示す.この性質の応用として,中心電荷が$c_{p,1}=3(1-2/p)$である$N=2$頂点作用素超代数のフュージョン則は,モジュラー$S$行列から Verlinde公式によって計算されることが知られている(脇本実氏とD. Adamovic氏の結果による).本セミナーでは,互いに素な$2$以上の整数組$(p,p')$を用いて中心電荷が$c_{p,p'}:=3(1-2p'/p)$と表わされる場合に,然るべき意味でモジュラー不変性を示す新たな$N=2$頂点作用素超代数の表現族を紹介する.また,Creutzig--Ridoutによって提案されたVerlinde公式の一般化を踏まえて,フュージョン則の計算への応用を議論する.