東京無限可積分系セミナー

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開催情報 土曜日 13:30~16:00 数理科学研究科棟(駒場) 117号室
担当者 神保道夫、国場敦夫、山田裕二、武部尚志、高木太一郎、白石潤一
セミナーURL https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~takebe/iat/index-j.html

2014年11月20日(木)

15:00-18:30   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
野本 文彦 氏 (東京工業大学大学院理工学研究科数学専攻) 15:00-16:30
非対称 Macdonald 多項式の$t=\infty$への特殊化の明示公式 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
一般のアフィン・ルート系に付随する非対称 Macdonald 多項式のヘッケ・パラメーター t を t = ∞ と特殊化したものを、アフィン・ルート系とアフィン・ワイル群の言葉で組合せ論的に記述する公式が、Orr-Shimozono により得られている。これを踏まえて我々は、上記の特殊化を、有限ルート系と有限ワイル群に付随する量子ブリュアグラフの言葉で記述する明示的な公式を証明した。つまり、アフィン量子群の (典型的な有限次元表現である) 量子ワイル加群の結晶基底の実現を与える量子 Lakshmibai-Seshadri パスのうちである種の明示的条件を満たすもの達全体を考え、それらの次数付き指標 (ウエイトの母関数) を取ったものが、上記の特殊化に他ならないことを証明した。本講演では、得られた明示的公式を例と共に紹介し、証明の概要を説明する。
安東 雅訓 氏 (稚内北星学園大学) 17:00-18:30
約数関数と相異分割 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
内村型q-恒等式と呼ばれる約数関数と関連したq-恒等式がある.
超幾何級数での式の特殊化として出てくるものだが, これを整数の分割の母関数として見ることで組合せ論での結果に翻訳し, 全単射法による証明を与える.
特に分割の組合せ論とq-恒等式の間の「切り貼りに」よる対応は見どころだと思っているので注目して欲しい.
また証明に用いた写像の性質を調べることで恒等式の側での精密化を行う.