GCOEレクチャーズ

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2009年07月28日(火)

13:30-17:15   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
東京大学グローバルCOE事業の一環として,サマースクール『非可積分系におけるソリトンの振舞いと安定性』を開催します. チュートリアル形式の講義ですので,非専門家や若手を含む,多くの�
Frank Merle 氏 (Cergy Pontoise 大学/IHES) 13:30-14:30
Dynamics of solitons in non-integrable systemsⅠ
[ 講演概要 ]
完全可積分系であるKdV方程式においては,多重ソリトン解の構造はすでに詳しく解明されており,ソリトンどうしが衝突した後,各ソリトンの形状がすぐに元通りに復元するなどの性質もよく知られている.しかし方程式中の指数を変えて得られる一般化KdV方程式の場合は,非可積分系であるため,多重ソリトン解の便利な表示式は存在せず,ソリトンどうしの衝突後に何が起こるのか,理論的には未解明であった.Merle氏は,最近Yvon Martel氏と共同でこの問題を解決し,衝突後にわずかな欠損が生じるもののソリトンの形状が見事に復元することを証明するとともに,大きなソリトンが微小なソリトンと衝突した際に生じる位相(phase)のズレに関して, KdV方程式の場合と全く違う現象が起こることも明らかにした.
Frank Merle 氏 (Cergy Pontoise 大学/IHES) 14:45-15:45
Dynamics of solitons in non-integrable systemsⅡ
中西 賢次 氏 (京都大学) 16:15-17:15
シュレディンガー写像及び熱流における調和写像の漸近安定性と振動現象についてⅠ
[ 講演概要 ]
平面から球面への調和写像をシュレディンガーや熱流で時間発展させたときの漸近安定性を回転対称下で調べる.この問題は,調和写像の写像度が低いほど摂動部との空間遠方相互作用が大きくなる所が難しく,実際写像度2の熱流では初期摂動に応じて非自明な時間漸近挙動が現れる.この講演では,非線形シュディンガー方程式の場合をモデルとして比較しながら、漸近安定性を示す一般的な手続きとそこからの変更点,必要となる線形評価などについて解説する.
[ 参考URL ]
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/gcoe/index_001.html