数理人口学・数理生物学セミナー

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2015年12月02日(水)

14:55-16:40   数理科学研究科棟(駒場) 128号室
八島健太 氏 (総合研究大学院大学)
基本増殖率の感受性解析を用いたネットワーク中心性指標
[ 講演概要 ]
ネットワーク上における感染症流行を阻止するために,中心性指標を用いた
危険箇所の同定が行われている.感染症侵入の有無は基本増殖率R0により規定さ
れることから,我々は基本増殖率の感受性解析を用いた新たなネットワーク中心
性指標の提案を行った.これを用いて東京都市圏における感染症流行の解析を行
ったところ,既存の中心性指標では見落とされてきた流行動態を明らかにできた.
利用者数最大の新宿駅は2位の東京駅の1.5倍程度の利用者数規模であるが,隔離
政策を行った際の基本増殖率低減への寄与率が約1,000倍も大きいことが分かった.
また,侵入阻止(基本増殖率低下)のために注力すべき箇所と,侵入が起こった
さいに被害低減(最終規模低下)のために注力すべき箇所が必ずしも一致しない
ことが分かった.本講演では,提案したネットワーク中心性指標の紹介および上
記の結果を紹介したい.

[ 参考URL ]
http://www.soken.ac.jp/