東京確率論セミナー

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開催情報 月曜日 16:00~17:30 数理科学研究科棟(駒場) 126号室
担当者 佐々田 槙子, 久保田 直樹 (日本大学), 阿部 圭宏 (学習院大学)

2018年06月04日(月)

16:00-17:30   数理科学研究科棟(駒場) 126号室
三竹 大寿 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
退化粘性ハミルトン・ヤコビ方程式の一意性集合 (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
Hamilton-Jacobi (HJ)方程式の初期値問題の解の長時間挙動を考えた時に現れる定常問題を,加法的固有値問題と呼ぶ.この加法的固有値問題の粘性解は,一意性が成り立たないことがよく知られている.力学系におけるAubry-Mather理論と粘性解理論との関係を整理することで発展した弱Kolmogorov-Arnold-Moser (KAM) 理論において,Mather集合またはAubry集合上で一致する粘性解は一意的であることが証明された.つまり,これらの集合は,加法的固有値問題の粘性解の一意性集合の役割を果たす.
最適確率制御問題を考えると自然に現れる退化粘性HJ方程式は,粘性解理論においてより自然な枠組みとして考えることができるが,従来の弱KAM理論では,決定論的な力学系しか扱えないため,取り扱いが困難であった.この点に注目をして,講演者は偏微分方程式論の立場から取り組むことで,弱KAM理論を発展させてきた.本講演では,特に退化粘性HJ方程式の加法的固有値問題の一意性集合について,最近得られた結果について紹介する.
解析のポイントは,対応する一般化されたMather測度を非線形随伴法で構成する点にある.この点での解析手段は,偏微分方程式論において閉じている話題ではあるが,背景に最適確率制御の問題を抱えているため,確率論において一つの新しい題材を提供できればと思っている.なお,本研究はH. V. Tran氏(U. Wisconsin-Madison)との共同研究である.