数値解析セミナー

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開催情報 火曜日 16:30~18:00 数理科学研究科棟(駒場) 056号室
担当者 齊藤宣一
セミナーURL http://www.infsup.jp/utnas/

2017年04月25日(火)

16:50-18:20   数理科学研究科棟(駒場) 002号室
榊原航也 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
基本解近似解法の理論と応用 (日本語)
[ 講演概要 ]
基本解近似解法 (Method of Fundamental Solutions, MFS) は,線型同次偏微分方程式に対するメッシュフリー数値解法である.MFSのアイディアは非常に単純であり,特異点が考えている領域の外部にある,偏微分作用素の基本解の線型結合により近似解を与え,線型結合の係数は選点法(collocation method)により決定する.つまり,差分法や有限要素法とは異なって,領域のメッシュ分割が不要であり(点を配置するだけである),プログラミングも容易である.さらに,特筆すべき性質として,ある条件下では,近似誤差が点の数に関して指数的に減衰することが知られている(通常の差分法や有限要素法では,近似誤差は多項式オーダーで減衰する).一方で,"どのような点配置の下で誤差は指数減衰するか",という問いに対する決定的な回答は未だに与えられておらず,MFSの理論研究における最も大きな未解決問題であると言ってよい.このように,MFSに対する数学的理論整備はまだまだ発展途上であるが,数値計算の観点からの研究は非常に豊富に行われており,様々な方程式に対して有効と思われる数値計算アルゴリズムが提案されてきた.
本講演では,MFSに関連して,以下のトピックを取り上げる.

(1)MFSの数学理論:今までに築き上げられきた,MFSの数学解析の結果を簡単にサーベイし,本講演者により発展した理論の解説を行う.特に,2次元のポテンシャル問題に対して,複素解析を用いた議論が非常に有効であることを示し,そこから重調和問題に理論を展開する.また,物理的観点から重要である,解の不変性について,ある統一的な手法により,非常に多くの問題に対して,MFSの不変スキームを構築できることを示す.

(2)MFSの応用:ポテンシャル問題を解くことに帰着される様々な問題に対して,高精度な数値計算アルゴリズムを構築する.特に,Hele-Shaw問題(2次元移動境界問題の1つ)に対する構造保存型数値解法の設計について解説する.さらに,最近取り組んでいる問題についても簡単に触れる予定である.