談話会・数理科学講演会

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担当者 足助太郎,寺田至,長谷川立,宮本安人(委員長)
セミナーURL https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/seminar/colloquium/index.html

2017年03月21日(火)

16:00-17:00   数理科学研究科棟(駒場) 大講義室号室
舟木直久 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
確率解析とともに歩んだ40年 --- 統計物理の諸問題に動機づけられて --- (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
学生時代に、統計力学、統計物理学の確率論的な定式化に興味を持ち、同時に確率偏微分方程式の問題に取り組みました。これらはその後の私の研究のテーマとなり、一貫して変わることはありませんでした。研究者人生を振り返って多くの方が異口同音に言われることですが、私の場合にも、いくつかの出会いが決定的な役割を果たしました。中でも、Joszef Fritz 氏(ブダペスト)、Herbert Spohn 氏(ミュンヘン)には大きな影響を受け、ミクロな系からマクロな系の挙動を記述する非線形偏微分方程式を導く、いわゆる流体力学極限の問題、あるいは界面の問題に取り組むきっかけとなりました。また、統計物理学の川崎恭治先生から示唆された問題は、現在に至るまで折に触れ形を変え取り組むこととなりました。その対象は確率偏微分方程式により記述されますが、それに数学的意味がついたのは、Martin Hairer 氏(2014年フィールズ賞受賞者)の理論によってです。しかし、数学的に基礎づけられた解に対して物理的に興味深い理論を展開するのは難しく、数学と物理の間にあるギャップは依然として大きいと感じています。談話会では、これまでの自身の研究を振り返り、やり残したことについてもお話しできればと思っています。
[ 参考URL ]
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~funaki/