談話会・数理科学講演会

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担当者 阿部紀行、岩木耕平、河澄響矢(委員長)、小池祐太
セミナーURL https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/seminar/colloquium/index.html

2017年03月21日(火)

14:40-15:40   数理科学研究科棟(駒場) 大講義室号室
片岡清臣 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
超局所解析と代数解析を巡って (JAPANESE)
[ 講演概要 ]
1959年に佐藤幹夫により佐藤超関数が創始され1973年にはマイクロ関数を使う擬微分方程式系の解析,いわゆる超局所解析についての決定版である佐藤幹夫・河合隆裕・柏原正樹によるレクチャーノートが出版された.講演者が修士課程に進学したのはちょうどこの直後であり,超局所解析はこの後は群の表現論への応用やファインマン積分の超局所解析など応用が中心となると言われていた.しかしその後,実領域の偏微分方程式系の超局所解析に限っても青木貴史による無限階擬微分作用素の指数解析の理論,柏原正樹・Pierre Schapiraによる層の超局所台の理論という本質的な手法の進展があるだけではなくそれらを応用した新しい超局所解析の手法の進展がある.講演者と関係したものとしてその1つは従来手法では扱えなかった熱方程式やシュレディンガー方程式の超局所解析にも適用できるマイクロ関数解のエネルギー積分不等式法であり,もう1つは初期値・境界値混合問題の超局所解析に導来圏と層のマイクロ台理論を適用する解析法である.本講演ではこれらを概観し,さらに円の連続族を含む曲面の5階偏微分方程式系による解析など代数解析的手法による非線形問題への最近の取り組みも紹介したい.
[ 参考URL ]
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~kiyoomi/index.html