数理科学研究科のカリキュラム

セミナー

修士課程  数理科学基礎セミナー I, II 各8単位
指導教員の指導のもとにセミナーなどを通して学習、研究をすすめ、その成果を修士論文としてまとめる。

博士課程  数理科学講究 I, II, III 各6単位
指導教員の指導のもとにセミナーなどを通して学習、研究をすすめ、その成果を博士論文としてまとめる。

講義

500番台(各2単位)

専門的基礎知識に関する講義。理学部数学科4年生および数理科学研究科修士課程1年、修士課程2年に実施。

代数学XA(数学科4年)・代数構造論(大学院):
代数学IIで学んだ可換環と加群の理論をふまえ、可換環論の基礎事項についてより深く学習する。可換環の理論は整数論・代数幾何学・表現論等においては必要不可欠なものである。

代数学XB(数学科4年)・数理代数学概論(大学院):
代数学I, II, IIIで学んだ代数学の基礎をふまえ、より進んだ数論・数論幾何学の基礎となる代数的整数論の基礎事項について学習する。

代数学XC(数学科4年)・代数構造論(大学院):
整数論・代数幾何学・幾何学等において基本的な対象であるとともに, より進んだ代数幾何学・複素幾何学のプロトタイプでもあるリーマン面・代数曲線の基礎事項について学習する.

代数学XD(数学科4年)・数理代数学概論(大学院):
代数学I, II, IIIで学んだ代数学の基礎をふまえ、ホモロジー代数の基礎事項について学習する. ホモロジー代数の手法は, 整数論・代数幾何学・表現論・幾何学はもとより、近年では数理物理においても使われ、その重要性が増している。

幾何学 XA(数学科4年)・位相幾何学(大学院):
基本群とファイバー束。ホモトピー、被覆変換と基本群、普遍被覆空間、高次ホモトピー群、ファイバー束(構造群、主束、切断)などの位相幾何学に関する基礎講義。

幾何学 XB(数学科4年)・微分幾何学(大学院):
リー群論。リー群とリー環の対応、指数写像、随伴表現, 閉部分群と等質空間、古典群の諸例と構造、リー群の有限次元表現などのリー群論における基礎概念を学ぶ。

幾何学 XC(数学科4年)・位相幾何学(大学院):
特性類。ファイバー束、主束や構造群、分類空間、ベクトル束の特性類(Euler類、Chern類、Pontrjagin類など)、平坦束の分類などの項目から、いくつか選択して講義する.

幾何学XD(数学科4年)・微分幾何学(大学院):
リーマン幾何。多様体上のリーマン計量、接続、曲率テンソル、測地線と距離、ヤコビ場など、リーマン幾何における基礎的な概念を学ぶ。

解析学Ⅷ(数学科4年)・線形微分方程式論(大学院):
線形微分方程式、具体的には楕円型方程式、熱方程式、波動方程式、複素領域の常微分方程式など方程式について、例えば解の存在、一意性、アプリオリ評価などの適切な話題を、担当教員が選んで講義する。関数解析、フーリエ解析の基礎的知識が必要。

解析学Ⅶ(数学科4年)・関数解析学(大学院):
関数解析学の基礎、特にバナッハ空間、ヒルベルト空間、開写像定理、双対空間、線形作用素などの話題について講義を行う。予備知識としては、ルベーグ積分論、測度論が必要。

解析学XB(数学科4年)・基礎解析学概論(大学院):
実解析学に関する入門的な講義を行う。内容としては、L^p空間、ソボレフの埋め込み定理、レリッヒの定理、補間定理、などを中心に解説する。測度論、フーリエ解析の基礎的な知識が必要。

確率統計学II(数学科4年)・数理統計学(大学院):
統計推測の漸近理論について講義する。推定量の一致性、漸近正規性、尤度比検定、多項分布の検定、モデル選択のための情報量規準を解説する。

確率統計学Ⅲ(数学科4年)・確率過程論(大学院):
確率過程、特にその重要なクラスであるマルチンゲールについて講義する。主に離散時間の場合を論ずるが連続時間マルチンゲールにも簡単に触れ、ブラウン運動などについても解説する。

確率統計学XA(数学科4年)・確率解析学(大学院):
「確率過程論」に引き続き、確率積分、確率微分方程式、伊藤の公式などについての講義を行う。

計算数理II(数学科4年)・数値解析学(大学院):
本講義では、様々な物理現象の記述に現れる偏微分方程式を対象にして、数値的方法に基づく近似解法とその数学理論の概要を解説する。なお、具体的な近似方法としては、おもに差分法と有限要素法を取り上げる。

現象数理II (数学科4年)・非線形数理(大学院):
数名の教員がオムニバス形式で、様々な自然現象や社会現象を記述する数理モデルの構成法、解析手法、応用例などを解説する。特にセルオートマトン、非線形方程式,統計力学(格子モデル)、数理生物学等のトピックを扱う。

現象数理III (数学科4年)・数理解析学概論(大学院):
本講義では、量子力学および統計力学についての基礎的な講義を行う。公理的な体系としてよりも、具体例を中心としてその考え方を説明する。自然現象のモデルとしての側面や経路積分の考え方なども触れる。

700番台講義など

700番台講義は高度な専門的トピックスに関する講義。集中講義、数物先端科学、社会数理先端科学、旧アクチュアリー・統計プログラム科目などについては、当該年度の授業内容を参照のこと。

研究倫理 I, II (各0.5単位)