外国人留学生入学の手引き

Updated: May 19,2022. English version


東京大学大学院数理科学研究科は1992年に発足し、数学および応用数学の研究を行っています。
研究可能な分野については数理科学研究科教員一覧表 および各教員の研究分野を参照してください。

この手引きでは東京大学の総則(東京大学大学院便覧参照)を補足し大学院数理科学研究科における規則を説明しています。

1.課程

数理科学研究科には修士課程と博士課程のふたつがおかれています。入学定員は、修士課程53名、博士課程32名です。
このうち、修士課程は6名程度、博士課程では3名程度の外国人留学生を毎年受け入れています。

数理科学研究科では、外国人留学生に対して、外国の大学において既に修士課程を修了した者についても当件研究科の修士課程から入学することを勧めています。

修士課程への入学が許可された者は、研究生(非正規生)として前年の4月または10月の入学を許可されることがあります。
この場合、修士課程に入学するまでの1年ないし半年間は、日本語習得をふくめた正規課程入学への準備期間にあてられます。
数理科学研究科の正規課程の受験を目的とした研究生は受け入れていません。

標準修了年限は修士課程が2年、博士課程が3年ですが、十分な学力があると判断された場合は、修士課程を1年で短縮修了して博士課程に進むことが可能です。
また、とくに優れた研究業績をあげた場合は博士課程を1年で修了することも可能です。
ただし、修士課程を短縮して博士課程に進学した場合の博士課程の最短就業年限は1年ではなく、2年になります。

2.学期

学年度は4月1日に始まり3月31日に終わります。
学年度は2学期に分けられており、第一学期(Sセメスター)は4月1日から8月31日で、 第二学期(Aセメスター)は10月1日から翌年の2月までです。

原則的に学生は4月1日に入学します。
ただし、日本政府奨学金(国費)に採用された者及び外国政府派遣留学生については、例外的に10月の入学を認めています。

3.履修と学位

3.1 セミナーと講義

大学院では、各学生には指導教員1名がついて研究を進めていきます。
学生は指導教員が行うセミナーに参加し、自分が関心のある科目の講義を受講します。

3.2 修了要件

修了するために必要な単位数は、修士課程が30単位、博士課程が20単位です。

学位を取得するためにはさらに学位論文を提出しななければなりません。
学位論文の審査および最終試験に合格した学生に対し、修士(数理科学)あるいは博士(数理科学)の学位が授与されます。
博士課程進学を前提に執筆された修士論文の約半数は国際的な学術雑誌に採用されています。

4.入学試験および手続き

4.1 入学試験

数理科学研究科に入学するためには、日本に居住している者は通常の入学試験を受けなくてはなりません。
入学試験は修士・博士課程それぞれの課程について年1回実施されます。

修士課程の入学試験は、原則として9月1日を含む週の月曜日から実施されます。
1次試験として2日にわたる筆記試験が行われ、1次試験合格者に対して、2次試験として口述試験が課せられます。
筆記試験の科目は数学と英語です。

修士課程の募集要項は6月上旬から数理科学研究科教務チームで配布します。願書の提出期限は7月末です。
希望者に対して数学の筆記試験を英語で行うことを認めていますが、その場合はあらかじめ当研究科に申し出てください。

博士課程の入学試験は例年2月中旬に実施されます。
試験は主に口述試験によって行われ、受験者の修士論文の内容や専攻分野の研究能力が審査されます。

博士課程の募集要項は前年の10月ころから数理科学研究科教務チームで配布します。
願書の提出期限は1月上旬です。出願の際には、修士論文またはこれにかわる自著の論文、およびそれらの論文の要旨の提出が必要です。

今年度の入学試験の詳細は こちら をご覧ください。

入試選抜は筆記・口述試験の結果のみに基づき、厳正な審査によって行われます。

4.2 書類審査

数理科学研究科では、日本国外に在住する者に対しては書類審査による入学試験を行っています。

書類審査では、受験者の出身大学での成績、研究計画、自著の学術論文、インタビュー等によって合否が判定され、合格者には入学許可書を発行します。

書類審査による入学出願書類は次の通りです。

  • 入学願書(次の項目を含む:履歴、 希望する研究分野および研究計画の詳細、 当研究科で指導を希望する教員名)
  • 誓約書
  • 指導教員および志願書の能力をよく知る人物による推薦状2通以上
  • 出身大学の成績証明書
  • 出身大学の卒業証明書もしくは学位証明書
  • 志願者の著書、学術論文の一覧とそれらの写し(あれば)
  • 英語または日本語能力を証明する書類(あれば)
  • その他、志願者の学力や業績を判断できる資料

書類審査用の入学願書は数理科学研究科国際交流室で入手することができます。
入学審査は随時行いますが、審査に3〜4ヶ月要しますので、出願書類は遅くても入学希望時期の5ヶ月前までには提出してください。

書類審査で入学を許可されるのはごく優秀な学生に限られます。また合格者は通常、修士課程 から入学することになります。

5.費用

東京大学では受験および入学に際し、(1)入学検定料(2)入学料(3)授業料の納入が定められています。
入学検定料は入学試験を受ける前にあらかじめ当研究科に払い込んでください。

経済上の理由やその他の特別な事情がある正規課程の学生に対して、審査のうえ入学料および授業料を減免除されることがあります。
授業料減免除の審査は各学期ごとに行われます。

2022年度額
入学検定料
(*書類審査)
入学料授業料
博士課程 30,000円
(*10,000円)
282,000円 520,800円 (年額)
修士課程 30,000円
(*10,000円)
282,000円 535,800円 (年額)

6.奨学金

日本国外から申し込みができる奨学金は、日本政府(文部科学省)奨学金(いわゆる国費)に加え、ごく少数の民間奨学金があります。
これらの奨学金の応募に際して数理科学研究科の推薦を得るためには、入学試験または書類審査に合格していなくてはなりません。

6.1 日本政府(文部科学省)奨学金 (国費) --- 大学推薦

日本の大学院に入学を希望する日本国外在住者が応募する場合と、既に日本の大学院に入学している国内在住者が応募する場合では、募集時期が異なります。

日本国外在住者が日本の大学の推薦を得て応募する場合の時期は12月頃です。国費留学生に採用された場合の入学時期は原則的に10月です。数理科学研究科では、東京大学との学術交流協定等により留学する予定の学生を中心に、書類審査による合格者のなかから国費留学生の候補者を選抜しています。

既に日本の大学に在籍している私費留学生が応募する場合の時期は9月〜10月です。(平成28年度採用から募集停止中)

ただし、毎年どちらも応募者がたいへん多いため、当研究科の推薦を得ても奨学生に採用される確率は必ずしも高くありません。

6.2 日本政府(文部科学省)奨学金(国費) --- 大使館推薦

在外の日本公館(大使館または領事館)で募集します。
日本公館は当該政府の協力を得て候補者の選考を行い、文部科学省に推薦します。
詳細については各々の国の日本公館に問い合わせてください。

数理科学研究科では書類審査(4.2)に合格した者に対して「入学(受入)許可書」を発行します。

大使館への出願あるいは第一次選考の合否が判明する前でも出願を受け付けます。
入学審査には時間を要しますので、数理科学研究科への出願は8月15日までにしてください。

6.3 民間奨学金

さまざまな民間奨学金がありますが、内容は年によって変動します。
各奨学金は全体での採用者数が限られているので、すべての民間奨学金をあわせても採用される確率は国費留学生にくらべて必ずしも高くありません。

7.語学

数理科学研究科では留学生の入学時の日本語能力はあまり問いません。しかしながら、セミナーに参加し研究成果をあげるためには日本語力が必要になるでしょう。また、日本で充実した留学生活を送るうえで日本語能力を身につけることは大切です。

東京大学日本語教育センターでは日本語の予備教育を行っており、東京大学の留学生は受講することができます。
(http://www.ic.u-tokyo.ac.jp/nkc/index_j.html 参照)

一方、論文作成のために英語力は不可欠です。

願書請求および問い合わせ先

〒153-8914
東京都目黒区駒場3-8-1
東京大学大学院数理科学研究科
国際交流室

E-mail : liaison[at]ms.u-tokyo.ac.jp
FAX : (+81) 3-5465-7012