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東京大学大学院数理科学研究科 GRADUATE SCHOOL OF MATHEMATICAL SCIENCES

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拠点リーダーから


 21世紀COEプログラムに数理科学研究科の提出した拠点形成の案「科学技術への数学新展開拠点」が採択されました.このプログラムは平成15年度より最長5年間平成19年度まで続きます.

 私たちの拠点の目的は,数学及び数学応用の国際的な研究教育拠点を形成し,現在行われている国際的な研究活動をさらに発展させることです.広い視野を持つ数学・数理科学の研究者を長期的観点にたって育成することも重要な目標となっています.これは数理科学研究科の発足以来の理念に沿ったものです.

                                           

 

 数学は,科学を支える基礎科学・インフラであり,科学から提起された問題を解決する手段として,科学を通じて間接的に現実社会への貢献を行ってきました.しかし,コンピュータの発達により,数学の理論に基づく新しい手法が直接,実際の技術に応用されるようになりました.また,モデルを記述する道具として高度な数学が用いられるようになりました.数学的な内容を基本とした特許が認められるまでに至り,社会における応用に密着した数学応用の研究の必要性が高まっています.

 しかし,数学の理論が創られてから応用されるまでに50年,100年といった長い時間がかかることも少なくありません.応用に役立った数学の理論も,応用を念頭におかず,純粋に概念の思考的追求を行った結果であったこともよくあります.数学の研究においては,分野にとらわれず,すぐに役に立つか否かということを意識せずに,自由な雰囲気の下で研究が行われることが必要です.

 一方,応用に全く目を向けなければ,数学に対する社会からの期待に応えることはできません.数学の教育研究については伝統に基づく蓄積が既にあります.このため,拠点は数学応用によりウェイトを置いた組織構成となっています.

 本拠点は数学それ自体の研究と数学応用の研究を結ぶ数学応用インターフェイスの場となることを目指しています.拠点の中心にはリーダーを議長とする戦略会議を置き,COEプロジェクト全体の統括、企画・立案を行っています.戦略会議の下に,数学研究のための3研究部門(構造、非線形、大域)と数学応用の研究班を置いています.研究班では,日本ではまだ数理科学として定着していない分野の研究班を行います.現在,研究班としては,ファイナンス・アクチュアリー,非線形現象,統計解析計算の3研究班が立ち上がっています.本拠点では,数学の社会への応用の可能性を探ると同時に,応用の視点から新しい数学の分野を生み出すことをも目的として,数学と応用の接合を組織的に行います.

 

 

具体的な活動としては,これまでに3名の特任教員,100名を超えるポスドク,RAを雇い入れ,多くの外国人研究者を招聘しました.このため多くのCOE 関連の講演,連続講義,学生向けセミナーが行われました.また,毎年,大規模な国際研究集会や公開講座を行っております.2005年度は2005年 7月 5日(火)〜11日(月) に第3回 COE国際研究集会 " Groups, Homotopy and Configuration Spaces" を開催し,2005年11月 5日(土)に市民向け公開講座「 社会や自然のなかの解析学」を開きました.さらに,ビデオ撮影編集の専門家も1名雇い入れ, セミナー・公開講座・研究集会のインターネットによる発信や記録の作成整理が現在行われております.

 数理科学研究科は東京大学における数学基礎教育の責任を担っておりますが,将来は数学応用においても教育研究の一翼を担い,応用研究の世界的発信基地にもなることを目指します.

                     拠点リーダー  楠 岡 成 雄     

東京大学21世紀COE

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